COLUMN

食のコラム&レシピ

【落語食堂】祝い肴(正月丁稚) 2013/1/8掲載

00<メディア登場料理>
落語食堂

2013.01.08

「落語食堂 - らくしょく - 」は上方古典落語の噺に登場する料理を辻調理師専門学校の先生が再現し、
落語家の桂吉坊さんと"お喋り"を展開する毎日新聞夕刊(近畿版)の連載です。

第10回目のお噺は、『正月丁稚』。

お正月らしく2013年の「落語食堂」の幕開けです。

「正月丁稚」は、丁稚の定吉と旦那さんとの掛け合いです。
元日早々から縁起の悪いことをいう定吉。面白くてお腹を抱えて笑ってしまうお噺です!!


そんな縁起の悪いことばかり言う定吉のお噺ですが、やはりお正月には縁起の良いほうが!
ということで、今回のお料理は、縁起の良いものばかりをご紹介!
このお正月料理を再現したのは、日本料理の若林聡子先生です。

【祝い肴】

iwaizakana.jpg


●材料● 4人分

【数の子味噌漬け】
数の子・・・・・・・・4本
味噌床
_白味噌・・・・・・・400g
_酒・・・・・・・・・40cc
_味醂・・・・・・・・40cc
酒・・・・・・・・・・適量


【たたき牛蒡】
牛蒡・・・・・・・・・75g
煮汁
_だし汁・・・・・・・300cc
_酒・・・・・・・・・75cc
_味醂・・・・・・・・少量
_薄口醤油・・・・・・15cc
_濃口醤油・・・・・・15cc
胡麻衣
_煎り胡麻・・・・・・45g
_砂糖・・・・・・・・大さじ3
_薄口醤油・・・・・・30cc
_酢・・・・・・・・・30cc
_だし汁・・・・・・・15cc


【田作り】
ごまめ・・・・・・・・30g
梅昆布茶、揚げ油・・・各適量


【黒豆】
黒豆・・・・・・・・・1カップ
シロップ
_水・・・・・・・・・600cc
_グラニュー糖・・・・250g
還元鉄、重曹・・・・・各適量


【切り竹千車唐】
ちしゃとう・・・・・・1/2本
味噌床
_白味噌・・・・・・・200g
_煮切り酒・・・・・・50cc
塩・・・・・・・・・・適量


【車海老酒煮】
車海老(30g)・・・・・4尾
煮汁
_酒・・・・・・・・・200cc
_水・・・・・・・・・200cc
_塩・・・・・・・・・12g
_昆布・・・・・・・・5g


【くわいせんべい】
くわい・・・・・・・・4個
サラダ油、うまみ塩・・各適量



●作り方●

【数の子味噌漬け】
1.数の子は水につけ、薄皮を除く。新しい水に約1日つけて適度に塩抜きする。
2.酒でさっと洗い、数の子の汁気をきり、ガーゼに挟んで味噌床に2日間つける。
3.一口大に切る。



【たたき牛蒡】
1.牛蒡は4~6つ割りになるように切り込みを入れて4cm長さに切り、水にさらす。米のとぎ汁で歯ごたえが残るくらいにゆで、水にさらす。鍋に煮汁を合わせて煮立て、牛蒡を入れて弱火で5分煮る。そのまま冷まして味を含ませる。
2.胡麻衣を作る。煎り胡麻をすり鉢に入れてすりつぶし、残りの調味料とだし汁を加えて混ぜ合わせる。
3.汁気をきった牛蒡を入れて混ぜ合わせ、すりこ木で軽く突いて牛蒡にひび割れを入れて味をなじませる。



【田作り】
1.ごまめを160℃の油で揚げる。カリッとなれば取り出す。梅昆布茶を振る。



【黒豆】
1.黒豆はよく洗い、少量の還元鉄、少量の重曹と共にたっぷりの水に1日つける。
2.そのまま火にかけ、沸騰したら豆が軽く躍るくらいの弱火にしてゆでる。豆が指で軽く押さえて潰せるくらいに柔らかくなったら、火からおろし、そのまま冷まして1日おく。
3.水を流し入れて十分にさらす。豆をざるに上げて水気をきり、皮が破れた豆は取り除く。
4.新たにたっぷりの水と、豆を鍋に入れ、落とし蓋をして火にかける。弱火で約1時間ゆでる。
5.落とし蓋の上から水を少しずつ流し入れて、3時間さらす。
6.鍋にシロップの水とグラニュー糖150gを入れて火にかけ、グラニュー糖が溶けたらそのまま冷ます。豆の水気をきって1日つける。
7.豆を取り出し、鍋を火にかけてグラニュー糖50gを加える。グラニュー糖が溶けたら冷まし、豆を戻し入れ、1日おく。
8.再び豆を取り出し、鍋を火にかけてグラニュー糖50gを加える。グラニュー糖が溶けたら冷ます。豆をつけて1日おく。



【切り竹千車唐】
1.白味噌に煮切り酒を加えてのばす。
2.ちしゃとうは5cm長さに切り、厚めに皮をむく。打ち抜きで中心部分を抜き取る。塩ゆでする。
3.味噌床の半量をバットに入れ、ガーゼを敷いてちしゃとうを並べ、ガーゼをかぶせて上から残りの味噌床をのせる。冷蔵庫に2時間おく。
4.味噌床から取り出し、適当な大きさに切る。



【車海老酒煮】
1.車海老は頭と背わたと共に取る。頭についている背わたを取り除く。
2.鍋に酒、水、塩、昆布を入れて火にかける。沸騰したら海老の頭を入れて旨みを出す。煮汁に海老の胴を加え、落とし蓋をしてゆるやかに沸騰する火加減で約3分間煮る。煮汁はそのまま氷水につけて冷まして漉す。
3.車海老は冷ました煮汁につけて5~6時間おく。
4.車海老は殻と尾を取り除く。



【くわいせんべい】
1.くわいは六方むきにし、2mm厚さの薄切りにして、約10分水にさらす。
2.布巾の上に重ならないように並べ、水気をよくふき取る。
3.160℃の揚げ油に1枚ずつ入れ、時々返しながら、色づいて泡が出なくなるまで、じっくり揚げる。熱いうちにうまみ塩を振る。