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食のコラム&レシピ

【菓子まし娘のお菓子講座】モーンクーヘン

07<製菓>菓子まし娘のお菓子講座

2009.09.16

<【菓子まし娘のお菓子講座】ってどんなコラム?>

菓子まし娘のモーンクーヘンよもやま話

*作り方の方程式*
マイレンダータイク + モーンマッセ + 粉砂糖 = モーンクーヘン


亨子(以下K):今回は菓子ましでは数少ないドイツ菓子のモーンクーヘンです! 昨日つくりました。モーンはけしの実でその実の中にある白、黒の種子ですね。ドイツのパンやお菓子では、よく使われる材料です。 "けし"というとピ ン! とこないかも知れないけど、ひなげしの花(ポピー)ですね。


左:丸い形のパンが、けしの実のついたカイザーゼンメル
右:ショーケースの中のモーンクーヘン
(いずれもミュンヘンにて)

知恵美(以下C):フランスでは南の方に行くと丘に咲いていて、とってもかわいい花ですよね。 コ クリコって名前でした。風になびいてゆらゆらしている様子がとっても素敵でしたよ!モーンは学校に入学するまで、あんパンについている白いのしか知りませんでした。。。独特の香りがありますよね、モーンって。ウィーンやドイツではお菓子にもパ ンにも使われていますが、ぐるぐる巻かれていたり、包まれていたり、今回はどんな形のお菓子になりますか?

:そう言えばあんパンにも使われてるよね~すっかり忘れてた!!今回は、菓子ましファン?からのリクエストでモーンを使った焼き菓子です。中に洋梨のシロップ煮を入れたり、表面をジャム、フォンダンで仕上げることもあり ますが、シンプルにモーンを楽しんでもらいますね!どう、おいしい?


麻紀(以下M):ランララララ~ン♪ランラララ~ラ♪♪ラ~ララ~♪♪♪って、 ものまねしてるのに先生たちつっこんでくださいよ~。だって、ひなげしの花&丘&風といえば!歌わずにいられない有名な歌があるじ ゃ ないですかぁ!!もぉ~全然その話題に触れてくれないから~。あっモーンクーヘンのお話でしたね。モーンクーヘン大好き!確かに独特な香り があるので好き嫌いが分かれるお菓子ですよね。私は学生時代に一口食べたその瞬間 からモーンのとりこです(*^□^*) あの香りとプチプチとした食感!もともと私はプチプチした食感が大好きなので お寿司屋さんに行ったら必ず『とびこ』とか『いくら』とか頼んじゃうんですよね ~。あ っ数の子も大好きですよ。ってまた話がそれちゃった(^_^;)あぁ~お腹すいてきちゃった。もう一個食べていいですか?

: (--;)・・・!!どぅーぞ! 作り方に関しては大きな問題は特に無い んだけど、ただ今回はケーキクラム(スポンジのくず)やマイレンダータイク という生地を作ったりするのね、クラムのためにわざわざ生地を焼くのが・・・。お店では表面の焼色の付いた部分など(使わない とこ ろ)が残って来るから、それを残しておいてこのようなお菓子を作るんだけ ど、知恵美先生!何か代わりになるようなものある?やっぱり練習を兼ねて作っても らわないとダメかしら?


:(小声で・・・)っていうか・・・亨子先生、さっきの歌、、、古くないです か!?まぁ、私分かりましたけど・・・先生もフルコーラスでいけますよね?お菓子の中に入れるクラムはスポンジじゃなくてもOKですよ。ただあまり大きい と食べた時に固まっていると困るので細かく砕いて使ってください。ビスキュイ焼いてパシパシになっちゃったものとか、シート生地の切れ端とか、色がついたココア味のスポンジとかでも大丈夫です。混ぜて使ってください、でも、せっかくなので、分量のクラムが貯まる位スポンジ焼いてもよいですね!!何台ショートケーキが食べられるかな。

:そうね。頑張ってスポンジ生地も作ってもらいましょう。でも90gしか使わないんだけど!そうそう、知恵美先生の先程の質問"どんな形?"はドイツのお菓子の特徴でも ある"プラットクーヘン"と言う答え方の方が良かったかな?知恵美先生が以前、キルシュクーヘン(サクランボのケーキ)をやったのと同じで、平らに焼いたお菓子です。または、ブレッヒクーヘンとも言います。菓子まし用(家庭向き)で小さく作っているけど、本来店では直接プレート(鉄板、だいたい60×40cm位の大きさ) に底生地を敷いてから作りはじめます。なのでプラット(Platt)は薄い、平たい。ブレッヒ(Blech)は薄板、ブリキ板と言う意味です。ちなみにクーヘン(Kuchn)はケーキと言う意味で、特にクリームなどで飾らないお菓子をいいます。

:へぇ~。。ところで今回の生地はマイレンダータイクと紹介されていますが パート・シュクレやミュルベタイクとの違いってなんだろう??って思ったので配合を比較してみたんですが・・・パート・シュクレは他の2つの生地と比べてバターの割合が少なく、小麦粉の割合が少し多いですね。ということはちょっと固めの生地ということになりますか?マイレンダータイクとミュルベタイクは・・・マイレンダータイクのほうが少し砂糖が多く、その分卵が少ないですね。決定的な違いはベーキングパウダーが入ること! ベーキングパウダーが入ることで生地は膨らみ、口当たりが柔らかくなる?っ て感じですか?知恵美先生!!

:お菓子を食べるタイミングもあると思うんだけど、マイレンダータイクの方がホ ロホロするね。ベーキングパウダーが入ると焼きやすいし、扱いもラクだね。焼きあがりすぐだと生地はしっかり主張するし、翌日だとかなりしっとりしてきます。私は、 どちらも好きです。生地はこれでじゃないとダメ!というお菓子以外はお好みで使ってもらったらよいと思います。いかがですか?亨子先生。

:そうね。両方とも同じようにお菓子の土台として使われるのでそんなに固く考えなくてもいいかな?ただ、クリームなどで飾ったトルテ(Torte)と呼ばれるお菓子にはミュルベタイクのしっかりした方が、安定があり、土台の役目になるのでこちらの方がいいのでは。おいしいからってそんなに食べて・・・あらら~歯と歯の間にモーンが詰まってお歯黒の様・・・!!

: (^^)v ニィ~

<コラム担当者>
古村 亨子

瀬戸山 知恵美

鈴木麻紀

<このコラムのレシピ>
モーンクーヘン

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