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【百人一首と和菓子】時告げ鳥
2017年03月22日

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お菓子について

歌に詠まれている「鳥」とは「にわとり」のことです。
時刻を告げることからにわとりの別名を「時告げ鳥」といいます。
昔は、鳴き声で夜明けを知るために、にわとりを飼っていました。

白く蒸し上げた上用饅頭にわとりの羽の白さを表わし、
ふくらみを持たせることで、にわとりの体のふんわりとした様子を表現しました。


豆辞典 62
清少納言(せいしょうなごん)
 生まれた年も亡くなった年もはっきりしていませんが、平安時代中期の女流歌人であり、有名なエッセイ『枕草子』を書いた人です。36番の歌の作者、清原深養父(きよはらのふかやぶ)は、彼女のひいおじいさんで、42番の歌の作者清原元輔(きよはらのもとすけ)は、父親にあたります。このように、文学的才能に恵まれた家系の出身です。
 一条天皇の中宮(ちゅうぐう)で、のちに皇后となった定子(ていし)に仕えました。10年くらいの宮仕えの間に起こったことや、自然や人間について思ったことなどを、独特の視点から書いたのが『枕草子』です。

さて、歌の方ですが、

夜の明けないうちに、鶏の鳴き声まねをして、だまそうとしても、函谷関(かんこくかん)ならばともかく、逢坂の関は絶対に開きませんよ。(あなたになびくわけがありません。)

というくらいの意味です。

函谷関というのは、中国の『史記』にある話を踏まえています。秦から逃れた孟嘗君(もうしょうくん)という人は、鶏の鳴き声でしか開かない函谷関という関所で、部下に鶏の鳴きまねをさせて、無事に脱出したという出来事です。
 また、逢坂の関は、現在の滋賀県大津市の逢坂山にあった関所ですが、和歌の中では「逢(あ)う」つまり、男女の密会の意味を持たせて使われることが多い言葉です。

 『枕草子』には、この歌が詠まれた背景が書いてあります。三蹟(さんせき=平安時代中期の名筆家3人)のひとり、藤原行成(ふじわらのゆきなり)と作者は、気の合う友達のような関係で、ある日、夜遅くまで話をしていました。次の日は、宮中の物忌みがあるので、行成は深夜に出てゆきます。
 翌日、夜遅くまで話し込んでいたことを、行成が男女の恋になぞらえて歌を送ってきて、そのやり取りの中で、清少納言は、函谷関の出来事を持ち出したこの歌でやり込めたのです。

 和歌は恋愛の場面で、気持ちを伝えるとても重要な役割を果たしますが、恋に見立てて和歌をやり取りするこのような遊びも、行われていました。史記の出来事を持ち出して相手をやり込めるあたり、才女といわれた、清少納言らしさが出ているエピソードです。


このコラムの担当者

いつも陽気な和菓子職人
今成 宏

辻調の御言持(みことも)ち
重松麻希

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