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食のコラム&レシピ

「ウィーン研修日記」 ウィーンのお菓子屋さん

ウィーン研修日記
連載おやすみ中

2010.03.14

どうも。田中です。
寒いな~と思うと、空から白いものがちらつきだします。おまけに風まで吹いたらこうなります!

寒いと感じている仲間発見!!
日本で見る鳩とたいして変わりませんが、ウィーンの鳩の方が少々大きい気がします。

今回は有名なデーメルの紹介です!

1786年創業。ハプスブルグ家の紋章をブランドのマークとして使用しています。
高級感という言葉とはまた違った雰囲気・・・・優雅さ、気品あふれる、凛とした・・・・そんな言葉の方がデーメルに合っているかな・・・と思います。
店内にはショーケースがあり、

お菓子が並んでいます。
このお菓子も店内で食べられますが、今回紹介したいお菓子は、デーメルの皿盛りデザートです。
席についてメニューを開くと、このようなページがあります。

このような皿盛りメニューは、デーメルに限らず、私の研修しているハイナー(今度紹介します)や、ザッハなどなど、意外とどこにでもあります。ケーキを食べるのも良いけど、皿盛りメニューこそ、お店に行かないと食べられないメニューかなと思います。
では、まずはこちら・・・・

こちらは、Demels Nusspalatschinkenです。ウィーン風クレープです!
ホイップクリームと温かいチョコレートソースがついてきます。クレープの中には、ナッツクリームがギッシリ入っています!チョコレートソースも濃厚です。
とてもボリュームがあります!!このボリュームで6.40ユーロはかなりお得な気がします。
お次はこちら・・・・

個人的に大好きなKaiserschmarrnです。ウィーン風パンケーキです!
やはり、プラムのソース付き。ソースに関しては、どこで食べてもプラムの果肉が入っています。今回のデーメルのカイザーシュマーレンのソースは、今まで食べたカイザーシュマーレンの中で一番大きな果肉が入っているソースで、なんだかうれしくなりました!
デーメルの店内の雰囲気の中で食べた事もあると思いますが、とても上品な味と気分を感じました。
やはりカイザーシュマーレンはウィーンの人も好きなデザートなのか、私が、ニヤニヤしながら食べていたら、後から来た隣の席のお客さんが「あっ!カイザーシュマーレンだ!」(ドイツ語)と言っていたので、「おいしいよ」と勧めてみたら、会話を聞いていたのか、その直後、さらに隣の席の人が、追加でカイザーシュマーレンを注文していました!
気品溢れる?カイザーシュマーレンのお値段は、7.80ユーロです!
そして・・・・

こちらは、Demels Mohr im Hemdです。ウィーン風フォンダンショコラです!
スプーンを入れた瞬間にチョコレートソースが、スゴイ勢いで流れました!!えっ何?!どうやったらこうなるの?と思ったら、答えは簡単!真ん中が空洞の小さなサバラン型で焼いていて、その空洞部分いっぱいにチョコレートソースが入っていたのでた!!かなり濃厚な味わいでした!!
そして、お値段は、6.40ユーロです!

メニューに皿盛りデザートがあることが意外と知られていないのか、これらを食べていたら、「何食べてるの?」といった視線をとても感じました。ケーキに比べたら値段も高め。写真が載っているわけではないですし、もしかしたら、少々頼みづらいのかもしれません。
どんなお皿で出てくるのかな・・・・と思ったら、シンプルな白いお皿で、個人的意見ですが、「おっ!意外と今どきっぽいな~」と思いました。

こちらは、Hauskaffeeです!

コーヒーメニューの一番最初に書いてあります。
コーヒーが小さなポットに入っていて、ホイップクリーム、ミルクがついています。自分好みの割合で、それらを入れるようになっています。ミルクに関しては、温まって出てきました。入れても温度が下がらず、うれしくなりました!
ちなみにお値段は、4.50ユーロです!


ハイナーの職人さんの話ですが、デーメルにはお菓子を保存する冷凍庫が無いそうです。食材を保存する為の冷凍庫はあると思いますが、作ったお菓子は基本冷凍保存しないそうです。どうやら、ウィーンのお菓子業界では、有名な話のようです。
ということは、その日作ったお菓子がお店に並んでるということになります。中には、何日か置いて馴染ませた方が良いものもあるのかもしれません。
デーメルの店内には、作業場が見える作りになっています。お菓子業界に携わる人間からしたら、失礼ですが、別に何にも驚くことの無い内容の作業をその作業場でしています。
デーメルはいつ行っても混んでいます。
・・・・ということは、その作業場ではない、別の作業場で嵐のごとくお菓子を製作しているのではないかと思います。
想像すると、おそろしい・・・・・。

表の優雅さだけではなく、それを支える為の裏の苦労も少々感じた、老舗デーメルでした。

では。