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「アイアンシェフ」10/26初回スペシャル【第1試合】

アイアンシェフ
テレビ

2012.10.26

「アイアンシェフ」辻調テクニカル解説ブログ

10月26日(金)「アイアンシェフ」初回スペシャル!

さて、初回スペシャルの2試合について解説を始めましょう。
まずは 【第1試合】 から!

■第1試合■
アイアンシェフ: 須賀洋介氏
ノミニー(挑戦者): 宮永 賢一氏「銀座ろくさん亭」料理長
テーマ食材: 鮭
解説: 古俣 勝先生(フランス料理) 杉浦 孝王先生(日本料理)

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ポイント<キーワード> 「鮭」銀聖
今回のテーマ食材は、銀聖という鮭。
銀聖は、秋鮭のブランド名称で、北海道日高管内で漁獲される鮭のこと。
秋鮭は、産卵のために生まれた川に戻ってくる。
体の脂肪は、卵や白子を作るために使われていくので、 身の脂は少なめ。
シェフたちが使ったイクラやスジコ、白子、氷頭(頭部の眼から口にかけての軟骨部分)、
めふん(オスの鮭の中骨に沿っている血腸(腎臓)を使って作る塩辛)という珍味もあり、
捨てるところがない食材と言われている。

ポイント<キーワード> 献立書き
宮永シェフは、師匠の道場氏に倣い、まず献立書きからスタート。
献立を書くことによって、 段取りを頭の中で整理するとのこと。
この献立の立て方はその店独自の考え方があるが、
いずれにしても、順にでてくる料理を最後までおいしく食べきってもらえるために
料理の順序や品数を構成していく。

基本的な順序を紹介する。

(1)先付、突き出し、小付、お通し、箸染め
料理がでるまでのつなぎとして、酒とともに出す少量の酒肴。
(2)椀、吸物
汁物のこと。季節に合わせて椀種、椀づま、吸口、吸地に変化をつける。
(3)造り、刺身、差身、向付
魚介類の新鮮なおいしさを生もしくは生に近い状態で提供するもの。 あしらいとつけ醤油を添える。
(4)八寸、口取り肴、口代わり、組肴、取肴
季節の海、山、里の幸を少量ずつとり合せたもの。酒の肴の趣が強い。
(5)焼物、焼肴
おもに魚介類、肉類などを焼き、あしらいを添えたもの。
(6)煮物、炊き合わせ、焚き合わせ、鉢物
季節の海、山、里の素材を持ち味を生かして煮たもの。
2~3種類の煮物を盛り合わせることもある。
(7)揚物、油物
油で揚げて、油の風味とこくをつけたもの。焼物の代わりとして用いることもある。
(8)蒸物、温物(あつもの)、羹(あつもの)
おもに淡白な魚介類や野菜類を蒸し、調味しただし汁をかけて仕上げたもの。
温気の持つ雰囲気を生かして 冬場に供することが多い。煮物の代わりとして用いることもある。
(9)酢物、酢肴、小鉢
酸味をきかせたものや、和え物、浸し物など。
さっぱりした味わいなので、前後の料理の流れに起伏を持たせることができる。
献立の終盤だけでなく、前半や中盤でだすことがある。
(10)食事(ご飯、止め椀、香の物)
酒菜が終われば、食事としてご飯と汁がだされる。
汁は味噌仕立が多く、香の物は季節の物を過不足なく盛り合わせる。
白ご飯の代わりに炊き込みご飯、時には麺類、雑炊、粥、すし、茶漬けなどをだすこともある。
(11)水菓子
季節の果物か、これらで作ったシャーベット、アイスクリーム、ゼリー寄せなど。
(12)甘味
和菓子に抹茶を添えて献立を終わることもある。懐石の影響を受けたもの。


ポイント<キーワード> 筋子をほぐしてイクラにする
筋子を網に押し付けるようにして卵をばらした後、塩をたっぷりまぶしてぬるま湯で数回洗う。
ただ完全に塩分を抜かないように注意。全く塩気がないと食べにくいので少し残し、ざるに上げ、
このままでは水臭いので、次に酒で洗う。生臭さが抜け、食感も良くなる。

ポイント<キーワード> ディル
須賀シェフが、2皿に使用した香草・ディルは、一般的に独特の香りがサーモンと相性が良いとされ、
特にサーモンマリネをするときは定番。

ポイント<キーワード> オゼイユ
須賀シェフがディルと一緒に使用したオゼイユは、日本ではスカンポと呼ばれる酸味のある葉。
オゼイユと言えば、フランス・三ツ星レストラン「ラ・メゾン・トロワグロ」の
「ソーモン アロゼイユ(鮭のエスカロップ オゼイユ風味)」というスペシャリテが有名。
これは鮭をさっと表面だけを焼いて、オゼイユ風味のソースをかけるという料理で、
1970年代の初めに話題になった新しいフランス料理(ヌーベル・キュイジーヌ)スタイルの
はしりになったことで有名だが、今でも健在のメニューである。
※「メゾン・トロワグロ」:トロワグロ兄弟がリヨン近郊ロアンヌで開店。
兄弟ともフェルナン・ポワンの弟子。兄ジャンは1983年没。
⇒もっと知りたい https://www.tsuji.ac.jp/hp/fran/pyramide/syoku2.htm

ポイント<キーワード> ポワレ
フランス料理の調理法のひとつ。 蒸し焼きにする調理法を指すこともあるが、
フライパンで調理するという意味の用語。 近年は、後者で使われることが多い。
フライパンのことを「ポワル」ということから派生したと言われている。

ポイント<キーワード> ムイエットをサラマンドルで焼く
ムイエットとは、細く切ったパンのこと。
フランス料理ではそれを焼いて、半熟卵の黄身や スクランブルエッグに浸して食べることが多い。
サラマンドルは、上火だけの開放型オーブンで、表面に焼き色をつけるために使用する。

ポイント<キーワード> 卵の殻を割るトックウフ
卵の上部だけをカットする専用器具「トックウフ」。
卵の殻だけを器として使うときにきれいに卵の上部を割るために使う。

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洋のアイアンシェフ須賀氏と辻調の先生たち


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