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中国料理TOPへ好吃(ハオチー)!中国料理! コラム一覧へ
連載コラム 好吃(ハオチー)!中国料理!
北京料理、上海料理、四川料理、広東料理、点心と5つのジャンルを、それぞれ担当の厨師(料理人)、点心師(点心専門家)が、中国での体験を交えながら料理の作り方とそれにまつわる話を紹介します。まずは、基本的な料理から始めましょう。
甘鯛の香り揚げ黒酢ソース
甘鯛の香り揚げ黒酢ソース


甘鯛の香り揚げ黒酢ソース

 旅行が大好きで、毎年1回海外旅行をするのが、僕達夫婦の楽しみです。交互に行きたいところを決めています。1998年は「中国四千年の歴史とグルメを楽しむツアー」で、北京、西安、桂林、上海に行きました。昼はその土地の料理、夜はたいてい広東料理です。広東料理が日本人の口に合うからという理由だけでなく、一流といわれるホテルは外資系が多く、香港から名料理人を招聘しているせいでしょうか。「グルメの旅」という謳い文句通り、行くところ、行くところ、料理は美味しかったです。

 まずは北京。夕飯の後、しばらく休憩してから屋台に繰り出しました。下町、いわゆる胡同に屋台がなぜか道路の片側だけ3キロメートルくらい並んでいます。端からひとつずつ見ていきました。冬の北京。温かい豆腐花は醤油のタレで食べます。新疆名物の羊の串焼き、見たこともないサナギやバッタを焼いたものも売られていました。おなじみの牛肉やスペアリブののった麺類もあります。長く歩きすぎて途中で疲れてきたので引き返して何か食べようとうろうろしていたら、繰り出した時間が遅かったせいか何時の間にか店がドンドン閉まっていきます。慌ててとりあえず豆腐花の店に、肉でんぶがのった豆腐花を食べました。美味しかったのですが、肉でんぶが傷んでいたのでしょうか、おなかをこわしてしまいました。 信号が少ない上に車の多い北京。急いでいても交通事故と屋台選びには気をつけましょう。どちらもあたったら痛いですよ。

兵馬傭と私 次は西安です。回教徒の屋台を通るとモオ(食偏に莫)というパンがあり、羊肉のミンチ炒めを挟んで食べていました。それと西安名物、西安泡モウ(いわゆる日本におけるスイトンのようなもの)羊肉を塩で味付けして煮込んだ汁にモオを細かくちぎって食べるのですが、これも美味しかったです。西安といえば、ギョウザ。  屋台でギョウザを捜していると、北京で食べそこなった羊の串焼きを見つけました。思わず匂いにつられて2本注文したら、「サービス、サービス」といって4本と山羊の乳から作った酒も一緒に来て、なるほど最高に美味しかったのですが、なんと値段はしっかり羊肉4本分と酒の料金。「どこがサービスなんだ。」と文句をいったのですが、通じないのです。1本1元、合計6元請求されましたが、1元は20円くらいの感覚なので、トラブルは避けようといわれるままに代金を払いました。日本人というとお金を持っていると思われて騙されたみたいで、余り気分はよくなかったです。

 屋台はアカンワと思って、桂林ではちゃんとした店をガイドさんに紹介してもらいました。桂林は「野味(狩猟動物の料理)」が有名です。野味専門店では入り口にずらりと檻が並んでいて、さながら動物園のようでした。ここで鼻筋が白いので白鼻心(ハクビシン)といわれる果子狸を食べたのですが、鴨に近い味でした。野味はイケル。もっと食べたいと思って犬鍋をリクエスト。そうすると、もっといい所があるからといって犬鍋専門店へ。犬鍋は「狗肉滾三滾、神仙站不穏(犬肉が煮えてきたら、神様さえもじっとしていられない)」といわれるほど香りが強いので知られています。 ポチやら、名犬ラッシーやら、フランダースの犬やらが輪になって夢にでてきたらどうしようと思いながら食べたのですが、大ヒットでした。塩味なのですが、クミン、丁子、八角、桂皮、陳皮など色んな香辛料が入っています。「調理場を見ていかれますか。」という誘いに恐る恐る調理場を見せてもらったのですが、犬はすでに鍋の中で、緊迫した場面にはぶつかりませんでした。やっぱり匂いが強いのでしょう。香辛料が山のように置いてありました。桂林では、他に珍しいものとしてフクロウと思うのですが、猴面鷹(サルの顔をした鷹!)をいただきました。朝鮮人参と一緒に蒸しスープになって出てきたのですが、美味しくて元気のでるスープです。

ハクビシンの醤油煮込み / 犬鍋 / フクロウのスープ

 旅行の最終地である上海に到着しましたが、屋台はダメです。露骨に高い値段をふっかけてくるやら、値段が表示してあるのに2倍の金額をいってくるやら、スリは多いし、もう大変です。胸にカメラ、そして眼鏡をかけている。誰が見たって日本人とわかる格好だったからでしょうか(今の上海ではこうゆうことは改善されていると思うのですが)。

 帰国する前に豫園見物。お金の管理にきっちりしている妻(けち)は、計画的にお土産を買い、手元の中国貨幣は空港使用税を残すのみとなりました。トイレに行くからと財布を渡されたのですが、場所が悪かったのです。南翔小籠包店のまん前。おなかがすいてきたし、上海にきたからには、この有名店の小籠包は食べてみたい。使っちゃいけないといわれていたのに、3元くらい何とかなるだろう、空港行きのバスの中で食べようと悪魔のささやきが・・・気がついたら買っていました。僕が食べ、妻にも、更に同じツアーの人にもおすそ分け。まずまずと満足していたら、「お金もっていたん?」。 この一言で我に返り、ポケットの中を調べたのに3元がない。「新たに換金するのに、いくらかかると思うのよ。」夫婦喧嘩が始まり、小籠包を食べた周りの人達はオロオロしています。結局、その人達から「よかったらどうぞ。」と小銭を恵んでもらい、かき集めると3元になり(情けない)、事なきを得て無事帰国の途についたのでした。妻は今でも事ある事にこの話を蒸し返します。南翔小籠包店の小籠包は甘くとてもコクがある味付けでしたが、ガイドさんは生煎饅頭の方が日本人の口に合っていいといっていました。次回にはぜひこれを食べたいと思っています(懲りてないとまた怒られるかも)。

 上海の名菜と言って思いつくのは小籠包、上海カニ、東波肉くらいでしょう。料理は上海の発展に比べて意外に知られていないのではないでしょうか。 たとえば、黒酢(鎮江香醋)。昨今の健康ブームでだいぶ日本人に知られるようになりましたが、これでさえ料理に使うとなれば酢豚ぐらいしか考えつかない人が多いと思います。今回の料理「油浸鮮魚」はこの黒酢(鎮江香醋)をふんだんに使います。実は、この料理は上海(江蘇・浙江)の名菜「西湖醋魚」を日本人向けに食べやすくしたもので、新鮮な草魚が必要ですが、まず日本では手に入りません。そして、草魚を2〜3日綺麗な水で泳がして泥を吐かせることも必要で、これも家庭では無理だし、さばくのもレストランじゃないとつらいでしょう。 だから簡単に家庭でできるようにしたのが、この「油浸鮮魚」なんです。上海気分を味わうためにも、是非この料理に挑戦してみてはいかがでしょうか。



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レシピ 甘鯛の香り揚げ黒酢ソース

上海の兄やん
人物 塘和英
中文之星
人物 福冨 奈津子
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