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中国料理TOPへ好吃(ハオチー)!中国料理! コラム一覧へ
連載コラム 好吃(ハオチー)!中国料理!
北京料理、上海料理、四川料理、広東料理、点心と5つのジャンルを、それぞれ担当の厨師(料理人)、点心師(点心専門家)が、中国での体験を交えながら料理の作り方とそれにまつわる話を紹介します。まずは、基本的な料理から始めましょう。
木の実餡の月餅


木の実餡の月餅

   
 「中秋の名月」といえば子供の頃、母が団子を作ってくれていたのを思い出します。物心つく頃には、その手伝いをしていました。ただし、小学生までですが…。
  私の実家の団子は、上新粉に熱湯を注ぎ勢いよく混ぜた後、生地が熱いうちに手に水をつけながら、手早く丸めていきます。でも、すごく熱いので形や大きさなんか構っておられません。そこが手作りの良さでもありますが。そして砂糖と醤油を沸かした鍋に団子を入れ、からめて出来上がりです。丁度みたらし団子のようでした。出来立ては温かくてやわらかく、とてもおいしいので、夜まで待てずにいつもおやつに食べてしまっていました。夕方になると里芋の煮っころがしやススキと一緒に月にお供えをし、家族揃って縁側で満月を眺めながら食べた事を非常によく覚えています。いつの間にかそんな習慣はなくなり、スーパーで買ってきた白い団子がテーブルに置いてあるだけになりました(笑)。
  中国では、「中秋節」は団圓節とも言い、春節(旧正月)と並ぶ重要な節句です。日本と違って湯圓(お団子)は「元宵節(旧暦の1月15日)」に食べます。それも、ただのお団子ではなくてゴマ餡などの餡をもち米の生地で包み、湯がいた熱々をいただくのです。
  では、「中秋節」には何を食べるのでしょう?それは今回ご紹介する月餅なのです。ひとつの月餅を家族で分け合って食べる事により、「家族が仲良くする事を願う(団円を求む)」のです。日本も中国も同じですね。親戚や知人などに贈り合ったりしますし、勤務先からも支給されたりするので、家中月餅だらけになります。また、月餅と一緒に西瓜、梨、りんご、ぶどうなどの旬の果物をお供えします。

蛋黄蓮蓉月餅 ちなみに月餅は「餅」といっても、これはもち米で作ったお団子ではありません。中国で「餅」の字がつくと、穀類、主に小麦粉を原料とする食べものを指します。北京ダックを食べる時の薄餅や葱油餅、蘿蔔酥餅(大根パイ)、焼餅、千層餅などなど。そして現在では「餅」の字は蒸したり、揚げたり、オーブンで焼いたりする平らな、あるいは丸い食べもの。さらには小麦粉製品に限らず、円形のものを表わす言葉になっています。卵黄2個の双黄蓮蓉

 さて、中の餡には今回ご紹介する「木の実餡」の他に、「なつめ餡」や 「あずき餡」、「ココナッツ餡」などもあり、地方によっても様々な月餅が 作られています。そして、今回は木型にはめて成形していますが、その木型には餡や店の名前を表わす文字が彫ってあり、見ただけで餡は何か、どこのお店のものかが分かるようになっています。

 色々ある中でポピュラーなものとして「蛋黄蓮蓉月餅」があります。ハスの実餡の滑らかさとほっくりした鹹蛋黄(アヒルの塩漬け卵の卵黄)の食感と塩分が絶妙で、丁度ぜんざいと塩昆布って感じです。餡の中に満月鹹蛋黄は火を通すと黄色くなり、満月に見立てるのです。その美しい満月(鹹蛋黄)が 餡の真ん中にくるようにします。生地にシロップを加えることにより独特の色とつやを出し、さらに生地をしっとりさせます。生地の色が薄ければ焼き上がりも白っぽくなりますので、シロップにカラメルを加えて色を調節します。
 また、広東の月餅は生地が薄いのも特徴で、包む時に破れないように、油を加えて伸びやすくします。本来は中華麺を作る時に加えるかん水も入れ、さらに伸びを良くします。

木型いろいろ 木型で抜くのとは別に上海など地方によっては、手で丸めるものもあ ります。この場合は食紅で○に福や∵などの印を押して餡やお店を区別 します。
 皆さんも木型がない場合は丸く包んだ後、軽く押えてから焼いても同 様にできます。この場合はレシピにあるような生地でも良いし、あるい は中国式のパイ生地に包んだのも素朴でおいしいですよ。

 中秋とは秋の真ん中を意味し、空気も澄み渡り、一年のうちで月が一番明るく、丸く見える日なのです。皆さんはそんな「中秋節(今年は9月18日)」をどんな風に過ごされますか?我が家は、家族が一人増えたので月にお供えをして「団らん」を楽しみたいと思います。「みたらし風団子」にしようか、「月餅」にしようか迷うところです。それでは月餅と共に爽やかな秋の夜長をご家族と一緒にお過ごし下さい。


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