製造禁止になったアブサンの代替品としてポール・リカールによってアブサンの製法を改良して生み出されたのがパスティスです。原料は、スターアニス、フェンネル、リコリス(フランス語ではレグリース)などで、これらをアルコール度数96度の中性スピリッツに浸漬して蒸留します。それに、水、キャラメルを加えてアルコール度数45度のリキュールとして製品化したのがRICARD(リカール)です。
その後、ペルノー社など、アブサン製造元であった多くのメーカーで製造されるようになりました。現在、RICARDと同様にパスティスの代名詞的存在なのがPERNOD(ペルノー)です。しかし、ペルノーはEUの規定によると、原料にリコリスを使用していないためパスティスではなく、アニス酒ということになります。もう1つ、日本ではあまり知られてはいませんが51(サンカンテアン)というパスティスもフランスでは有名です。また、マルセイユで作られるパスティスで、アニスの主成分アネトールが1リットル当たり2グラム以上含有されるものにはPASTIS DE MARSEILLE(パスティス・ド・マルセイユ)と表示することが認められます。
パスティスの面白い性質として、水を加えると白く濁ります。これは、水を加えたことによってアルコール濃度が低下し、不安定になった精油成分がその周りに膜を作り光を乱反射させるため、白く濁って見えます。
早速、マルセイユにあるパスティス専門店に行ってみました。その名もLa Maison du PASTIS(ラ・メゾン・デュ・パスティス)。95種類ものパスティスやアブサンが売られていました。自家製のパスティスも量り売りされているほどです。自家製のパスティスの中にbleu(青色)のパスティスもありました。なぜ青い色をしてるのか、理由を聞いてみたら、ただ色をつけたかっただけ、フランス人の遊び心だと笑顔で答えてくれました。