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連載コラム ビバ!!ベバレッジ
人間は水を口にしないと数日しか生命を維持できません。何でも体の70%以上が水分だとか・・・・それはさておいても、おいしい料理には、おいしい飲み物をあわせたいものです。もちろん食事中だけではなく、寒い日には一杯のコーヒーで体を温め、夜の静寂にもの思う時はブランデーをチビリチビリ。はたまた友人との愉しい会話を盛り上げる生ビール。夫婦で想い出話をする時のダージリンティー・・・・さまざまな場面で皆さんの傍らに、さりげなく登場するのはどんな『飲みもの』でしょうか。このコラムではそんな『飲みもの』の素顔にスポットを当てていきます。決してミズ臭い話ではありません。 チャんと読んでください。
日本酒造りの1年〜仕上げの搾り
   前回、山野酒造さんに特別にお邪魔し、仕込み真っ最中の現場をレポートさせていただきました。今回は最終回、山野酒造さんで毎年行われている「上槽祭」に参加し、発酵が終わった酒を袋吊りにしていよいよ日本酒を搾る…はずでしたが、上槽祭が行われる3月の15日はなんと辻調のフェスティバルと同日!!残念ながら今回は不参加でしたので、昨年までの資料と参加した友人からの写真を中心にレポートします。

神さまに感謝の祈祷をささげます

神さまに感謝の祈祷をささげます

  上槽祭では田植えや稲刈りのような大掛かりな作業はありません。まずは新酒が出来たことを神さまに感謝し、みんなで成田山に祈祷をささげます。その後に蔵に入ります。蔵は吟醸香といわれる梨やメロンのような甘いフルーツの香りがいっぱいで、参加者たちはこれから始まる搾りが待ちきれない様子です。

   発酵が終わったタンクからポンプを使って新酒を袋に入れていきます。作業は米がホースに詰まらないようにタンク内を櫂で混ぜる人、ホースを持つ人、袋に詰めて吊るす人に分かれます。


米が詰まらないようにタンク内をかき混ぜます   袋に詰めていきます

米が詰まらないように
タンク内をかき混ぜます

 

袋に詰めていきます


袋吊りされた日本酒

袋吊りされた日本酒

   袋に詰めた新酒を吊り下げ、自然に搾ります。本醸造酒などはアコーディオン式の搾り器で左右から圧力をかけて搾りますが、今回の吟醸酒は重力だけで時間を掛けて搾っていきます。こうして搾ったものが原酒、袋に残るのが酒粕です。

搾りたての新酒!

搾りたての新酒!

  袋から流れ出てきた原酒を集めます。このあと火入れ(低温殺菌)をおこなってから、ビンに詰めて完成です。火入れは通常、貯蔵前と出荷前の2回おこないますが、生酒の場合は火入れはせず、原酒を濾過してビン詰めします。なお、原酒はそのままではアルコール度が高いので、通常は水を加えて希釈し、アルコール度を16度くらいに調整します。


   ここで日本酒の分類について整理しておきましょう。吟醸酒については稲刈り編ですでに説明しましたが、他にも本醸造酒、純米酒、清酒、生貯蔵酒など、日本酒にはいろいろな名前があって複雑です。 日本酒(清酒)とは米、麹米、水などを原料として発酵させ、漉した酒のことを指します(※1)。さらに、醸造アルコールのパーセンテージや精米歩合によって以下のように分類されます。


   つまり、本醸造や吟醸、純米吟醸といった名称は、原料と精米歩合によって決まるのです。
   一方、生酒や生貯蔵酒などの名称は、できあがった酒の仕上げ方によって付けられます。たとえば、生酒は発酵後一切火入れをしていない酒、生貯蔵酒は出荷前に1回だけ火入れをした酒です。


生酒 発酵後、一切火入れしないもの。
生貯蔵酒 貯蔵前に火入れせず、出荷前に1回だけ火入れしたもの。
生詰酒 貯蔵前に1回だけ火入れをし、出荷前に火入れをしないもの。
生一本
(きいっぽん)
ひとつの蔵で醸造された純米酒のこと。
原酒 アルコール度を調整していない、搾ったままの酒。
通常、アルコール度は20度くらいある。
にごり酒 発酵後の搾りをざるなどで行い、酒粕を多く含ませたもの。
樽酒 ビンではなく杉樽などに入れてその香りをつけたもの。
樽で売る必要はない。

笑顔で乾杯!

笑顔で乾杯!

  搾りが終わったら恒例のバーベキューです。搾りたてのお酒やその他のお酒もいただき、今年の田植え、稲刈りの苦労などを楽しく語らいます。1年の苦労が実ったためでしょうか、参加者はみんな笑顔です。

数少ない大阪の地酒「片野桜」。見かけたら是非、味わってみてください!!

数少ない大阪の地酒「片野桜」。
見かけたら是非、味わってみてください!!

  日本酒造りを追いかけた1年はこれで終了です。世界でもっとも高度な醸造技術が必要な日本酒ですが、技術の進歩はめざましく、安価でもおいしいものがたくさんあります。これからは吟醸酒や純米酒を夕食で楽しんでみませんか?このコラムを機に、みなさんが日本酒に興味を持っていただければ大変うれしく思います。

※1 日本酒(清酒)と合成清酒のちがい
●日本酒(清酒):
米、米麹、水を原料として発酵させ、漉したもの。もしくは米、米麹、水、および清酒かす、その他政令で定める物品を原料として発酵させ、漉したもの。アルコール度は22度まで。分類はワインなどと同じ、醸造酒類です。
●合成清酒:
アルコール、焼酎、日本酒とブドウ糖、その他政令で定めるものを原料として製造し、清酒に類似するもの。アルコール度は16度未満でエキス分が5%以上。分類はみりんやリキュールなどと同じ、混成酒類です。


コラム担当

コマンダトーレ
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中谷聡博
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