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連載コラム 半歩プロの西洋料理
「半歩プロ」をテーマに家庭でできる西洋料理を紹介するこのコラム。まずは個性豊かな担当シェフの声をどうぞ。「フレンチって難しくないよね」「語るで〜!」「対談がしたい!」「研修先のレストランではなー」。えー、お話し中すみません、それは「家庭でできる」料理なんですよね?みなさーん、聞いてますかー?だからテーマがあるんだってばっ!守って下さいよ〜っ!
イタリア映画はどうですか?
僕がイタリア映画を見るようになったのは今から6〜7年前。まだ最近のことです。イタリア料理をするようになってイタリア語を勉強し始めてから、「生きたイタリア語を聞かなあかんなぁー」と思ったことがきっかけでした。ストーリーを楽しむことはもちろん、僕たち料理人の視点からイタリア映画を見ると・・・

どーもー、イタリア担当の野上でーす! これまでは相方の小林と2人でしたが、今回はピンで担当させていただきます。
さて、今回のお題は「イタリア映画」。イタリア研修に行く前はストーリーそのものを楽しんでいただけなんですが、イタリア滞在中にいろんな経験をしてからは、「違う角度から見てみるのもおもろいなぁ!」ということに気付きました(おもしろいだけじゃなく、深刻な政治・社会的背景が存在することもあるんですが・・・)。例えば人々の暮らしぶり、生活習慣、イタリア人気質、食べ物などなど、いろいろと興味深いものが描かれています。というわけで、今回はそういった切り口から見て僕が感じたことを中心に、映画に登場した料理をご紹介しましょう!
研修中のハイキング 滝をバックに、アンジェロ兄さんと内容の詳細については実際に映画を見ていただくことにして・・・まずは“ニュー・シネマ・パラダイス”から。この作品を見て一番気になったのが、映写技師のアルフレードさんが映写機の中で弁当を温めるシーン。「えっ、弁当?」と思いましたねー。アルフレードさんはどんな弁当を食べているのか?と中身が気になって仕方がありません。僕もイタリア研修中は休日にレストランのスタッフと山にハイキングに行ったり海へ釣りに行きましたが、持っていくのはバールで買ったパニーニばかりだったので、れっきとした弁当箱に入っているイタリアの弁当とは一体どんなものなのか・・・うーん、気になる!
そしてシチリアの特産品の生産風景も描かれていましたねー。ウンベルト広場(映画をご覧になった方には「オレの広場」でおなじみのはず!)の陽当たりのいい場所で大勢の女性が板に赤いペースト状のものを塗っているシーン。「おおっ、これは、エストラット(※)を作ってるんちゃうん?! シチリアらしいねー」などと言いながら見ています。

(※) エストラット・ディ・ポモドーロ(トマトのエストラット)は南イタリアで作られる天日で乾燥させたトマトペースト。

また、イタリアでは新年になった瞬間に不要な物を窓から投げ捨てるという習慣があり(現在ではほとんど行われていないようですが)、映画でもそのシーンが見られます。最近ではストーリーそっちのけでそんなシーンを楽しむようになってしまいました。
他にお勧めは“ライフ・イズ・ビューティフル”。この作品はイタリア中部のトスカーナ州アレッツォという街が舞台になっています。実際にアレッツォに行った時には、あの坂の街で感極まって思わず「ブォンジョールノー! プリンチペッサー!!」と叫んでしまいました。人種問題と戦争という悲しいテーマを扱いながら、ユーモアもたっぷり散りばめられた心温まる映画です。さてこの作品では何と言ってもあのゴージャスなトルタ・エチオピア(エチオピア・ケーキ)! エキゾチックな音楽と共に数人がかりで婚約パーティーの会場に運ばれてきます(おまけにケーキの上にのっているのは作り物のダチョウ?! それともラクダ?!)。「ぜひ今日はこれを作ってみましょう」といきたいところですが、家庭では少し無理が・・・。
というわけで今回はトルタ・エチオピアなんかよりはずーっと簡単なフリッタータというイタリアの卵料理をご紹介しましょう。わかりやすく言えば平焼きのオムレツで、イタリアのひまわり畑ひまわり”のワンシーンにも出てきます。咲き誇るひまわり畑が印象的なこの映画も戦争によって人生を変えられてしまった男女の悲しい物語です。若かりし頃のソフィア・ローレン演じる主人公が作るフリッタータは、見ている者に「おい、おい、卵、何個食べんねん!」と言わせるほどボリュームたっぷり。新婚の二人は文句を言いつつもそのフリッタータを幸せそうに食べるのですが、そんな生活はほんのつかの間のこと。その後、彼らは二度の悲しい別れをすることになります。そして、僕はその舞台となったミラノ中央駅に行くたびに、いつも映画のワンシーンが目に浮かんできてしまいます。こんなふうに実際に映画が撮影された場所を訪れて、映画や主人公の心情に思いを馳せるのもいいものですよ。
さて、フリッタータに話を戻しますが、僕もイタリアでのレストラン研修中、夜の賄いでよく作っていました。フリッタータは僕にとってイタリアでの思い出の一品でもあります。では作ってみましょう!

フリッタータ Viva il cinema italiano e buon appetito !!

Viva il cinema italiano e buon appetito !!


このコラムのレシピ

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レシピ フリッタータ

陽気なロマニョーロ
人物 野上 昌徳
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