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連載コラム 半歩プロの西洋料理
「半歩プロ」をテーマに家庭でできる西洋料理を紹介するこのコラム。まずは個性豊かな担当シェフの声をどうぞ。「フレンチって難しくないよね」「語るで〜!」「対談がしたい!」「研修先のレストランではなー」。えー、お話し中すみません、それは「家庭でできる」料理なんですよね?みなさーん、聞いてますかー?だからテーマがあるんだってばっ!守って下さいよ〜っ!
パスタ工場に行ってきました
イタリア滞在中にパスタ工場に行く機会があり、スパゲッティやペンネなど市販の乾燥パスタの製造工程を見学することができました。普段何気なく使っているこれらのパスタですが、意外な発見がたくさんあったのでご紹介します。

突然ですが、乾燥パスタの原料は何でしょう? 小麦粉から作られるということを知っている方も多いと思いますが、皆さんが知っている小麦粉は真っ白なはず。なのに売られている乾燥パスタはどうしてあんなに黄色っぽいのでしょう?

イタリアのパスタは大きく分けて市販の乾燥パスタと、レストランで(イタリアなら家庭でも)作られる手打ちパスタのふたつがあります。手打ちパスタの方は、皆さんおなじみの真っ白な小麦粉に卵を加えて作ることが多いので、当然黄色っぽく仕上がります。だから何となくパスタというのはあんな色をしているものだと思ってました。でも乾燥パスタの材料は小麦粉と水だけです。手打ちパスタにはよく入れられる塩も使いません。ではどうして? 実は私もずっと勘違いしていたのですが、答えは「原料の小麦が違うから」です。

見学に行ってきたのは、イタリアでも日本でも名前を知られているA社。乾燥パスタはナポリを中心とした南イタリアで発達してきたものなので、工場も南イタリアにあることが多いように思うのですが、この会社は北の方にあります。

話を原料の小麦に戻しましょう。乾燥パスタに使われるのはデュラム小麦と呼ばれ、皆さんがご存知の真っ白な小麦粉の原料(軟質小麦や硬質小麦)とは別の種類の小麦になります。(左)硬質小麦と挽いた粉(右)軟質小麦と挽いた粉デュラム小麦の粒は外皮を取り除くと黄色くっぽく、乾燥パスタの色はこの色に由来するというわけです。写真でもデュラム小麦を挽いたものと軟質小麦を挽いたものではずいぶんと色が違うのがわかります。

(左)製粉機(右)昔の製粉用石臼さて、乾燥パスタの製造は、まず数種の小麦を粒のままブレンドし、それを挽いて粉にすることから始まります。挽いてから時間が経った粉で作るとおいしいパスタができないため、この会社では工場の横に製粉所を持っているほどです。この製粉の工程は現在では機械で行われていますが、昔は大きな石臼のようなものを使っていたそうです。

(上)ダイス各種(下)乾燥前のできたてのスパゲッティ次に挽いた小麦粉と水を機械で15分ほど練り合わせます。水の量はおよそ粉の30%。この水分量では生地はとんでもなくかたいため、とても手で練ることはできません。
この練り上がった生地をダイス(口金)をつけた太いパイプから5気圧もの圧力(ちなみに車のタイヤで2気圧程度)をかけて押し出すと・・・カットしていない状態の長いままのスパゲッティが出てきます。ダイスにはパスタの形状によっていろいろなタイプがあり、テフロン加工のものが主流。昔はブロンズ製でしたが、磨耗しやすく、すぐに交換しなければならなかったようです。
そしてこの押し出された長い状態のパスタを乾燥させ、カットして袋詰めにしたものが、皆さんがよく見ている市販の乾燥パスタというわけです。乾燥時間や温度は会社によって違いますが、A社では78℃でスパゲッティなどのロングパスタは11〜18時間、ペンネなどのショートパスタはカットしてから8時間乾燥させています。

これらのパスタを使った料理のバリエーションはまさに無限にあるといえます。日本ではペペロンチーノと呼ばれているシンプルな「にんにくと赤唐辛子のパスタ」が有名ですが、今回はそれに負けないくらい簡単でおいしいパスタを紹介します。

イタリアではパスタはアル・デンテといって歯ごたえのある状態に仕上げるのが絶対条件。アル・デンテじゃなかったら作り直せと突き返されることもあります。

“恋とパスタはタイミング”
皆さんもぜひチャレンジしてみて下さい。


このコラムのレシピ

コラム担当

レシピ スパゲッティ・カーチョ・エ・ペーペ

アモーレ・イタリア
人物 小竹 龍児
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