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連載コラム 半歩プロの西洋料理
「半歩プロ」をテーマに家庭でできる西洋料理を紹介するこのコラム。まずは個性豊かな担当シェフの声をどうぞ。「フレンチって難しくないよね」「語るで〜!」「対談がしたい!」「研修先のレストランではなー」。えー、お話し中すみません、それは「家庭でできる」料理なんですよね?みなさーん、聞いてますかー?だからテーマがあるんだってばっ!守って下さいよ〜っ!
サラダの思い出
 私が少年時代に ─ そんなに昔ではないですが ─ 知っていた“サラダ”は、ハンバーグやエビフライに一緒についてくる小皿にのっているレタスやきゅうりの薄切りにドレッシングがかかっているだけの、シンプルな生野菜のサラダでした。それもおいしいと思って食べた記憶はなく、母親に「野菜も食べなければ体に良くないよ」などと言われながら嫌々食べていたのを覚えています。

 今から10年くらい前に料理の勉強を始めた頃には、添えものと思っていたサラダが前菜の一品に昇格していたり、あるいはデザートの名前として使われているなどの変身ぶりに、内心、オッ!と驚いたものです。先輩がたから聞いた話では、1970年頃までは、フランスのレストランでもサラダといえば生のサラダ菜、シコレ、クレソンなどの葉菜を油と酢であえた、いわゆるグリーンサラダが主で、肉料理のつけ合わせというイメージが普通だったようです。

  70年代中頃からヌーベル・キュイジーヌと呼ばれる新しい潮流がおこり、その特徴の一つにそれまで考えられなかった材料を組み合わせる創作料理が登場して、フォワ・グラやトリュフとさやいんげんを取り合わせる豪華なサラダ、さらにはソテしたフォワ・グラや鴨の肝などを使った温かいサラダが注目を浴び出し、オートブルの定番に加わってきた、というような時代の流れがあったようです。

  少しばかりまじめな気分になって書物を調べてみると、フランスにはヌーベル・キュイジーヌよりずっと前に、野菜だけではなく鶏肉や魚、甲殻類、卵、ハム、シャンピニョン、トリュフなども入っているサラダ − サラッド・コンポゼと呼ばれています− があったことがわかりました。

  これらはいつしか忘れられかけていたものが、ヌーベル・キュイジーヌの頃に時代にそくした新しい形態で復活してきたのでしょうか・・・。古くからあるサラッド・コンポゼの名前を見てみると、ニース風、リヨン風、パリ風、アルル風、カンカル風、アルジャントゥイユ風、ブレス風、イタリア風、ドイツ風、アメリカ風、日本風など、フランスの地方名や国名などがついているものが目につきました。

  ところで、サラダには忘れられない、そして切実な思い出があります。フランス校に赴任していた時、パリに食べ歩きに行き、3日連続で高級レストランと言われる店で昼・夜ともに食事をするというような、なんとも貴重な、すご〜い体験をしましたが、日を追うにつれてお腹が張ってくるのです。生野菜を食べたい衝動にかられるのですが、高級レストランに生野菜の料理はないに等しいですし、かといって、もう一滴の水さえのどを通らないほどの量のフルコース料理のあとで、他店でサラダを食べれるほどタフな体ではなかったので、苦しい日々を過ごしました。

パリの高級レストラン

  そんな時は、食べ歩きが終わってフランス校に帰る前にブラッスリーなどに寄り、待望の“サラダ”にようやくありついて、体をいたわっていました。野菜が主になるサラダには体の浄化作用もあり、ホっとしたものです。遠い昔に母親から言われたように、本当に、野菜を食べなければ体によくない、ということがしみじみ実感されたというわけです。よく食べていたのは“リヨン風サラダ”や“ニース風サラダ”です。リヨン風サラダはパリではほとんど見かけることはないのですが、フランス校のあるリヨンでは必ず注文していました。その理由は単純で、「ポーチドエッグが好き」、ただそれだけですけど・・・。



このコラムのレシピ

コラム担当

レシピ リヨン風サラダ

JIMMY
人物 大西 章仁
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