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ハワイアンミュージックを聴きながらおでんを食べるというユニークなお店の『座・松本』。ご主人の松本氏は、ハワイの“ゆったりとした時間の流れ”が好きというだけあって穏やかな人柄で、誰とでも笑顔で会話を楽しむ気さくな方です。お店の評判が口コミで広がり、「連日予約でいっぱいです」と嬉しげな表情の松本氏ですが、料理人を志してから今に至るまでの道のりは決して平坦ではなかったと言います。
小学生のころから料理が好きで、台所に立っていたんです。高校卒業時には料理の世界へ進むことを希望したのですが、父親に反対されて大学へ進学しました。でも、大学に入ってから始めた飲食店でのアルバイトがきっかけで、「料理をしたい」という気持ちが再燃したんです。それで父親を説得して、大学を中退し、すぐに喫茶店を開業しました。若気の至りってやつですかね(笑)。この店も最初は順調でしたが徐々に限界を感じ始めましたし、やはり料理が好きでしたので、真剣に料理を学ぼう、ということで喫茶店を閉めて、辻調理師専門学校に入学することにしたんです。在学時代は料理の奥深さに圧倒されました。
卒業後は、さらに料理の知識を深めるべく辻調グループ校の職員として勤務するが、父親が起こした事業を手伝うために退職。料理とは全く別の仕事をしながらも「いつかまた必ず料理の世界へ戻ろう」という気持ちは決して忘れなかったそうです。
辻調グループ校を退職後10年が経った頃、いよいよ料理の世界へ戻る機会が訪れます。年齢的なハンデや経済的負担から周囲の反対を押し切って即独立を決心し、かつてからの夢であったおでん屋を開業。無事開店することができたものの、その喜びを実感する余裕はまったくなかったほどすべてが慌しかったと言います。松本氏にとっておでんの理想の風味とは、お客さんが「おいしい」と言ってくれる風味だそうです。その後、お店は順調に客数を伸ばし、2004年12月にリニューアルオープン。客席を増やしつつもスペースを十分にとり、内装には大好きなハワイの要素を取り入れた、新スタイルのおでん屋『座・松本』が誕生します。現在の心境について松本氏は「自分の好きなことをして、お客様からは感謝され、しかもお金までいただける。たいへんありがたいことです」と語ります。
次のページでは、松本氏の料理に対する情熱を込めて作ったおでんと一品料理の数々をご紹介します。
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