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「和菓子は茶道にも通じるもの。ですから、和菓子で1つ500円近くするような芸術品のようなものもあります。もちろんこうした和菓子のもつ伝統文化も大事なのですが、もっと身近に触れ合う人数が増えない限り、この文化は衰退していくでしょう。まずは“広く浅く”でも構わないので、和菓子を日常的に楽しんで頂きたいです」
と、松田さんは語ります。TVチャンピオンへの出場も、より新しいことへチャレンジしていく姿勢の表れではないでしょうか。こうして誕生した和菓子の数々は、ひとつ100円から。ほとんどの商品が180円までです。好きなお菓子を好きなだけ、というコンセプトなのでなるべくバラ売りにしているそうです。
さて、和菓子の命とも言えるのは、何といっても餡になります。基本となるのは、やはり小豆で作られる、こし餡と粒餡ですが、『あん庵』では和菓子の種類によって餡の小豆の種類や砂糖も変えているのだそうです。
「同じ材料とレシピを使っても餡の味わいは人によって異なります。一人ずつ筆跡が異なるように、餡の炊き上がりが違う」
と、松田さん。餡はできるだけ、強火で混ぜすぎずに炊き上げるのが良いのだそうです。また、砂糖の粒がうまく小豆にからまずに大きな砂糖の粒子が残ると重くてベタつく餡になってしまう。上手に炊き上げた餡は、舌にのせた瞬間にさっと溶けて、あっさりとおいしい餡になるのだそうです。
こうして丁寧に炊き上げた餡は様々な和菓子へ変身します。そして、あくまでも食材本来の味わいを引きだすのが基本。香りも桜の花の塩漬けや、葉でくるむことによって、花や葉の香りを移すなど、自然のものを使用します。洋菓子がリキュールや人工的な香料で香り漬けをするのとは対照的なものです。
そして、お菓子は見た目も重要な要素ですが、松田さんのつくるファンシーなお菓子は見るだけでもとても楽しいもの。これからの季節、お月見団子は定番ですが、秋ならハロウィーンにちなんだものも登場。かぼちゃやオバケ、魔女を模ったものも登場。洋菓子が食べられないお子様のためには、予約制でケーキのようなスタイルに仕上げることもできるそうです。
どの和菓子も口に含むと、ほっと広がる甘くて優しい味わい。秋の一時をますます盛り上げてくれます。
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