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食のコラム&レシピ

【落語食堂】鴨せいろ(鉄砲勇助) 2013/12/03掲載

00<メディア登場料理>
落語食堂

2013.12.03

「落語食堂 - らくしょく - 」は上方古典落語の噺に登場する料理を辻調グループ日本料理の先生が再現し、
落語家の桂吉坊さんと“お喋り”を展開する毎日新聞夕刊(近畿版)の連載です。


今回のお噺は、「鉄砲勇助」。
このお噺には、料理は全く出てきません。出てくるのはウソとダジャレばかりです。

料理が出てこないこのお噺で、どんな風に調理するのでしょうか?

そうそう、お噺には鴨が刈られて、刈った鴨から芽がでて、カモメとなる・・・。
なんともホラーなところがありますが、
そのなんともホラーな部分を料理にしたのは、
日本料理の湯川徳之先生です。




鴨せいろ


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●材料● 4人分 

合鴨胸肉・・・・・・・・1枚
油揚げ・・・・・・・・・1枚
せり・・・・・・・・・・1束
白葱・・・・・・・・・・2本
粉山椒・・・・・・・・・適量

二八そば
_そば粉・・・・・・・・400g
_小麦粉・・・・・・・・100g
_水・・・・・・・・・・適量

返し
_濃口醤油・・・・・・・500 ml
_味醂・・・・・・・・・90 ml
_氷砂糖・・・・・・・・90g

つけ汁
_返し・・・・・・・・・100 ml
_だし汁・・・・・・・・500 ml

(分量外)
打ち粉(花粉)

 
●作り方●

1. 返しを作る。味醂を火にかけ、焦がさないように弱火で煮切る。氷砂糖を加えて溶けるまでよく混ぜる。濃口醤油を加えて軽く混ぜ合わせ、すぐに火を消す。保存容器に移して2週間くらいねかせる。
2. 合鴨は下処理して皮目に切り込みを入れる。フライパンで皮目だけきつね色になるまでじっくり焼く。5mm厚さのそぎ切りにする。
3. 油揚げはフライパンで焼き色がつくまで焼く。3cm長さの短冊切りにする。
4. せりは、根元を落とし、1.5cm長さに切る。白葱は、小口から斜めに薄く切る。
5. つけ汁を作る。返しにだし汁を加え、火にかけて一度沸騰させる。油揚げ、せり、白葱を加えて火を通し、最後に鴨を加えてさっと火を通し、器に盛る。
6. そばをたっぷりの熱湯で約1分ゆでる。ざるですくって水に落とし、軽くもみ洗いしてぬめりを取る。ざるに上げて氷水につけ、表面をしめる。よく水気をきり、器に盛る。






二八そばの打ち方

1. 水まわし……そば粉をふるいにかけ、木鉢に入れる。粉を混ぜながら水を少しずつ加え、だまがなくなるまで両手で混ぜ合わせる。耳たぶのかたさになるまで水を加えて調整する。(水の量はそば粉の乾燥具合によって加減する)
2. まとめ……水が十分に行き渡ったら、生地をまとめる。
3. 菊練り……全体がまとまって一つのかたまりになったら、外側の生地を真ん中に折り込む操作を繰り返し、生地の表面をなめらかにする。
4. へそ出し……鉢の湾曲した部分を使い、空気を抜きつつ生地を回転させながら円錐状に仕上げる。頂点を手のひらで押し、円形にする。
5. 地のし……麺台に移し、手のひらで円形の生地をのばす。
6. 丸出し……打ち粉をしながら麺棒で円形にのばす。手前から向うにのばす動作は、生地を少しずつずらしながら繰り返す。
7. 四つ出し……(角出し)麺棒に手前から生地を巻き取り、たるみが出ないようにして前方へ転がす。端まで巻き終えたら、一気に手元まで引きずるようにして戻す。生地を開かず、巻いた状態で前方へ転がし、引き戻す。この動作を何度か繰り返す。180°回転させ、生地を開く。再び手前から巻き取り、前方へ送り出す。この動作を何度か繰り返す。麺棒をそのまま90°回転させ、生地を開く。この時点の生地は両端が薄く、中央がやや厚い。麺棒に生地を巻き取ったら前方へ転がし、手元へ引き戻す。この動作を何度か繰り返す。180°回転させ、生地を開く。再び手前から巻き取り、前方へ送り出す。この動作を何度か繰り返す。一連の作業を行うと、生地が正方形に近い形になり、四つの角が出てくる。
8. 肉分け……生地の厚い部分を均一にのばす。
9. 本のし(ごく薄く均一な厚さの生地を作る工程)……生地が大きくなってきたら、もう一本の麺棒で手前から半分くらいまでの生地を巻き取り、向こう側の生地をのばす。麺台と生地に打ち粉をし、180°回転させ、手前の生地をのばす。のばした生地を麺棒に巻き取り、向こう側半分を同様にのばす。
10.たたみ(のし終えた生地を包丁の幅に合わせてたたむ工程)……麺棒を右方向に転がして生地を半分まで開き、開いた生地の上にたっぷりと打ち粉をする。生地の右端を麺棒に引っかけたまま軽く浮かせ、そのまま左方向へかぶせるようにする。生地の下半分にたっぷりと打ち粉をし、上半分を手前半分にかぶせるように折り曲げる。さらに真ん中より上半分に打ち粉をたっぷりとし、手前半分を上半分に折り重ねていく。
11.そば切り……生地をまな板の上にのせ、こま板を使って太さにばらつきがないように切る。粉をよく振り落とし、容器に移す。