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【ビバ!!ベバレッジ】中米コーヒー農園を訪ねて グアテマラ編1
2011年07月22日

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2011年1月9日(日) ~1月19日(水)の日本が未だ寒い時期に、中米グアテマラとパナマへ、コーヒーの栽培と精製過程の視察に行った。日本国内でコーヒーの自家焙煎店を経営する方々のツアーに同行する形で、現地では、コーヒー豆を買付けて日本に輸入している商社の方々にガイドをしていただいた。これから4回に分けて現地の様子を紹介する。

 まず、日本からグアテマラへ向かった。日本からの直行便はなく、アメリカ経由で乗り換えを含めず約11時間の旅である。時差は13時間で季節は日本と反対。現地は夏で、ちょうどコーヒーの収穫期だ。

 2010年度のグアテマラのコーヒー生産量は240トン(60kg入りの袋で4010袋)にのぼり、中米ではメキシコに続き2番目に多い。世界的にも8番目の生産量である。また、日本へのコーヒー生豆輸入量を見ると、ブラジル、コロンビア、ベトナム、インドネシアに次いで5番目となる。このようにコーヒー生産はグアテマラの主要産業の1つだが、グアテマラ国営コーヒー協会ANACAFA<アナ・カフェ>の農政関係者は「近年、原油の発掘が国内の中心産業となりつつあり、コーヒー生産に対して国からの援助が軽減される動きがある」と危機感を表していた。コーヒーの木より栽培や管理が安易なさとうきびに転作する地域もあり、これも生産量減少の原因となっている。
 グアテマラのコーヒーは1種類の焙煎豆のみを抽出したストレートでの楽しみ方が一般的だが、実は産地の違う数種類の焙煎豆をミックスしたブレンドコーヒーの中心的存在でもある。これは他のコーヒー豆と味のバランスが取り易いためだ。実際にグアテマラ50%、エチオピア25%、ブラジル25%のブレンドを使用したエスプレッソは、エチオピアの苦味と甘み、ブラジルの上品な酸味を、グアテマラがみごとに調和させていた。また、グアテマラのコーヒーは安定して日本に輸入される点でもブレンドとして使い易い。

 今回訪問したのは、グアテマラの中でも古くから優良なコーヒーを産出するアンティグア地区の農園だ。アンティグアは16~18世紀にかけて、スペイン植民地時代のグアテマラ総督領の首都であった。現在では街自体が世界遺産に登録されており、修道院、大聖堂、教会、病院などの文化遺産が残っている。
 
 アンティグアの街。グアテマラの古い街並みを残している。街中のカフェでは、さすがにさとうきびの生産国だけあり、メニューにラム酒があった。

標高1,500mの高地で日差しは強いが風がふき、比較的涼しい。

 アンティグアの街から車で1時間ほど山を登っていくとコーヒー農園が広がる。標高は約1800m。他の地域のコーヒー農園と比べて高い場所にある。風が強く、空気が乾燥していた。

 
 どのコーヒー農園の門の前にも、銃をもった警備員が立っていた。初めは驚いたがコーヒーが重要な収入源であることを認識した。これはコーヒーの実(コーヒーチェリー)をトラックで運び出すための道。道の両側がコーヒーの木で、収穫した実を詰めた袋が根元に置かれているのが見える。


 道沿いには何カ所もこのような穴が掘られていた。ここの土壌は火山灰などで水はけが良く、土地も平らではないので、農地はあっと言う間に乾燥してしまう。そこで、雨水をこの穴に貯めて畑に浸透させるようにしている。いわば用水池代わりだ。ワイン用のブドウ畑と同様、乾燥しやすい土壌に植えた木は、水を求めて土壌深く根を生やし、良質のコーヒー豆をつける。


 畑の様子。コーヒーは品種ごとに列にして植えられていて、土地が傾斜している。土地の傾斜は、高地で良質のコーヒーを生産しているコーヒー農園の特徴だ。斜面は日当たりも風通しもよいのでコーヒーの木の栽培に最適だが、収穫は手作業で行われるので、傾斜があるとそれだけ手間がかかる。
 畑にはシェイドツリーと言うコーヒーの木よりも高さのある木が植えられている(写真手前の背の高い木)。これは日よけや風よけの役割を果たしている。


 現地の人による収穫風景 実を26kg収穫しても2ドルにしかならない。収穫期は約2カ月で、1つの農園での収穫を終えると別の地区に移動する。農園主が住居などの面倒を見ないと働き手は翌年は戻って来ない。


 収穫前のコーヒーの実。
(上)一見全ての実が熟したように見えるが、1本の枝の中でも実ごとに熟し加減が違うので、確認しながら熟したものだけを収穫する。
(下)このように黒く澄んだように見える色になれば収穫する。この実を実際に食べるととても甘く、香りと味はクランベリージュースにかなり似ていた。


 収穫後のコーヒーの実。子供も含めて家族ぐるみで収穫しているせいか、熟し加減が違う実も混じっている。

 次回は、このように手間をかけて収穫されたコーヒーの実の精製(外皮と果肉を取り除いて生豆にすること)を紹介する。

このコラムの担当者

マエストロ 寺尾雅典

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