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【とっておきのヨーロッパだより】麗しのボルドー『ラ・シテ・デュ・ヴァン』体験記 その②心臓部、常設展示スペース編
2019年04月24日

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<【とっておきのヨーロッパだより】ってどんなコラム?>



前回はシテ・デュ・ヴァンへの行き方や館内施設のご紹介をさせていただきましたが、今回はその神髄とも言える常設展示スペースについて説明します。
展示スペースは6のエリア、19個のモジュールに渡りますが、自分の興味の赴くままに自由に回ってほしいという事で特に見学順路などは設けられていません。
その中から特に印象に残ったモジュールを紹介していきたいと思います。(注1)



●エリア: 世界のぶどう畑 VIGNOBLES DU MONDE



【1】ぶどう畑世界一周 Le tour du monde des vignobles
※以下、左端の番号は「シテ・デュ・ヴァン」の番号に準拠。連番にはなっていませんのでご注意ください。


常設展示エリアの入口にある巨大な3つのスクリーンには、ワイン畑をドローンで空撮した映像が投影されています。

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世界12ヵ国の著名なワイン畑の上を、自分が鳥になったような感覚で見ることができます。
国により異なる木の生やし方や土壌を俯瞰で眺めるコーナーで、椅子にもスクリーンが設置してあるので実際にその土地を駆け抜けるような感覚に陥ります。


【2】 ワイン・プラネット Planètes vin 

歴史、ブドウ品種、経済指標、気候、文化遺産の5種類の地球儀を回し、好きなポイントに触れることでぶどうの栽培はどこで始まったのか、地球規模で考えた時にワインが持つ価値とは?など映像や音声を楽しみながら様々な疑問に対する答えを得られます。

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デバイスをかざし説明を聞く



●エリア:ぶどう畑からグラスへ DE LA VIGNE AU VERRE


【4】e-ぶどう e-vigne

ぶどうの垣根をデザインした展示スペースにはインタラクティブ機能が搭載された60の品種が描かれた葉と房に見立てた18のタッチパネルが設置され、ここではどのように土地、品種、育成、上質なワイン造りの為の剪定方法をシンプルなゲーム感覚で学ぶことが出来ます。

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(左)幹から生える画面から歴史、育成法、接木、剪定、収穫、土壌、を知ることが出来る
(中)枝には品種が書かれた葉があり、デバイスをかざすと、画面に特徴が表示される
(右)説明は分かりやすくひらがなベース


子供でも分かりやすい感覚的な展示になっており、ゲームのパネルは子供に合わせた高さに設置されています。



【5】ワインの変化 Les métamorphoses du vin 

ワインの変化と名付けられたこのモジュールでは収穫、発酵、育成、熟成など、様々な生産、醸造のプロセスが語られています。
大きく3つのブースに分かれており、ステンレスタンク内での発酵、醸造、木樽内での熟成、瓶詰め後の熟成の様子を大小様々な画面やスピーカー、ディフューザーにより目で見て、耳を傾け、香りを嗅いで、ぶどうが液体になり、ワインになっていく過程を感じることが出来ます。

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(左)手前からタンクのステンレス、木樽に用いられている樫の木、ボトルの瓶をイメージしたユニット
(右)鼻マークが書いてある場所は設置されたディフューザーからは発酵中のワインの香りが漂う

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(左)ステンレスタンクのモジュールでは、発酵によりブドウジュースがワインに変性する様子を学べる
(右)「小さなワイン醸造家」と銘打たれたこちらでは酵母が糖を分解しアルコールに変える様子が見られる



●エリア:文明の核心 AU CŒUR DES CIVILISATIONS

【8】 船に乗って!A bord!

バッカスの化身である水夫見習いの少年をナビゲーターに置き、
古代ローマ、14世紀イングランド・ガスコーニュ、17世紀日本へ向かうオランダ商船、18世紀マディラワインを運ぶ英米商船と、ワイン貿易と帆船、戦いの歴史などを時代の移り変わりと共に紹介しています。

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(左)船型のシアタールームに入り鑑賞
(右)コミカルなアニメーションにより、子供にも楽しめる内容になっている


【10】 トレンド・ウォールLe mur des tendances (ワインと流行、風潮)

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(左)壁に立ち並ぶ様々なオブジェ「宇宙」や「海」「音楽」など多岐に渡る
(右)このボトルではスマートフォンの発達によってアプリでワインを簡単に調べることが出来るようになった事を紹介

この数十年での世界とワインの変化を表したモジュール。
壁にそって設置されたボトルの中にはワインガイドや宇宙食、オークションのハンマーなど様々なワインの流行を象徴するオブジェが並べられており、オーディオガイドを近づけるとその流行がワインにどのような影響をもたらしたのか、その関係性を知ることが出来ます。


●エリア:貴方とワイン LE VIN ET VOUS

【11】 五感のビュッフェ Le buffet des 5 sens 

展示スペースののメインとも言える場所、『嗅覚のコーナー』では赤ワインと白ワインで分けられた大きなテーブルにはガラス容器が置いてあり、中には赤ワインであればコーヒー豆やタバコ、革、白ワインはハチの巣やハッカ、レモンなどワインの香りの表現に用いられる様々なタイプのオブジェが並べられていて、ワインに関連する芳香のテイスティング体験が出来ます。

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(左)白ワインと赤ワインに分かれて大きなテーブルが2つ
(右)コーヒーのオブジェ 銅の管から香りが出てくる


聴覚とテイスティング表現の関係性や、香りを当てるゲーム形式の展示、色とワインの熟成具合、表現方法などを学びワインをさらに楽しく、より上手に表現するためのポイントを知ることが出来ます。
『視覚のコーナー』では、ワインの色合いに関する表現方法を、クイズ形式で学ぶことができます。  

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パネルに手をかざして回答する


『聴覚のコーナー』では、力強いワインや軽いワインなどの味覚の表現をヴァイオリンや打楽器の音に置き換えるという面白い試みがされていました。

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【14】アール・ド・ヴィーブル Tout un art de vivre (暮らしの芸術)

映像技術とバーチャルリアリティを駆使したこのスペースでは、3つのスクリーン型のテーブルが並び、それぞれ星付きシェフ、ジャーナリスト、歴史家の3名が座っています。対面のインタビュアーからの暮らしやワインについての質問に答えていくとテーブル上にワインと美食、ワインと歴史など各々のテーマの映像が投影されていきます。

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(左)『美食のテーブル』では2つ星シェフのエレーヌ・ダローズ氏の斜め前に座る
(右)プロジェクションマッピングによって目まぐるしく変わっていく世界の食べ物の画像



●エリア: 想像上のワイン LES IMAGINAIRES DU VIN

【16】 デュオニソス(バッカス)とヴィーナス Bacchus et Vénus 

ワインと芸術、エロティシズムをリンクさせた展示スペース。

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(左)周りにはカーテンがあり、遮断された空間
(右)戯れるバッカスとヴィーナス

大きな円形のソファに寝そべり天井のスクリーンを見上げるとバッカスとヴィーナス、ワインと愛を表現した有名美術館所蔵の名画の映像が流れ、耳元からは川のせせらぎの横で笑いあう二人の声が流れてきます。



●エリア: ボルドー BORDEAUX

【18】ボルドー、都市、ぶどう畑 Bordeaux, une ville, un vignoble 

この『シテ・デュ・ヴァン』設立の背景となった、偉大なワインの伝統を戴くボルドーの土地について学べるモジュールです。2台のタッチパネルを用いて同都市の数世紀に渡る成り立ち、進化発展についてなど、チェスで遊ぶようにアイコンを移動させ知りたいテーマを選択し、学ぶことが出来ます。

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(左)地質学から見たボルドーと、
(右)都市の歴史から見る2つのタッチパネル


以上で紹介は終わりですが、実際はこの倍以上の展示エリアがあります。
出口で日本語オーディオガイドとイヤホンを回収し退場出来ます。

入場時に購入した20ユーロのチケットには常設展示スペースの他に、地上35メートルの大展望台での1杯のワインテイスティングが含まれています。

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10種のフランス産、他10ヵ国のワインの20種類から選ぶ事が可能


360度開かれたこの展望台からはボルドーの美しい街並みを見渡す事が出来、アドバイザーに説明を受けながら、試飲するワインを選択します。
未成年、もしくは飲酒をされない方向けにはワイン用のぶどう品種で作られたジュースが用意されていますのでご安心ください。


いかがでしょうか。
今回の取材ではボルドーが誇るシテ・デュ・ヴァンに伺い、その素晴らしさ、凄みを感じることができました。
常設展示スペースのすべてを伝えきれなかったのですが、ここからはぜひ皆さんが「シテ・デュ・ヴァン」に訪れ、実際に体験し、新たな驚きや発見をしてみてください!


注1:
各モジュールの和訳は日本語版書籍「シテ・デュ・ヴァン~文化の世界~」に基づき表記しています。分かりづらいものに関して、()表記で和訳しています。
文頭の【】内の数字表記も日本語版書籍「シテ・デュ・ヴァン~文化の世界~」内の番号振り分けに準拠しています。

取材協力
La Cité du Vin
Esplanade de Pontac, 134 quai de Bacalan,
33300 Bordeaux, FRANCE
+33 (0) 5 56 16 20 20
https://www.laciteduvin.com/fr チケットの購入もこちらからできます。

参考書籍
Cité du vin, un monde de cultures
著:VIGNEAUD Jean-Paul / Sud-Ouest社

このコラムの担当者

三浦 拓真 MIURA TAKUMA

■現職(肩書き)
エコール 辻 東京 西洋料理担当

■出身校
辻調フランス校 シャトー・エスコフィエ

■経歴
岩手県岩手郡岩手町に生まれた生粋の岩手人

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