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【とっておきのヨーロッパだより】飲み過ぎ食べ過ぎドイツ旅行記~ハンブルク、リューベック編~
2013年12月27日

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<【とっておきのヨーロッパだより】ってどんなコラム?>

皆さん、ドイツと言えば何を連想しますか? 僕は真っ先にビールを想像します!
近年、日本各地でもオクトーバーフェストが開催され、ドイツに興味を持った方も多いのではないでしょうか?? ビール好きな僕もその1人です!せっかくフランスにいるのだからお隣のドイツに行って本場を見てこよう!と気合を入れて行って参りました。

しかも今回の旅には強い助っ人!フランス校学生時代からの親友、ティルマン太郎も一緒です。彼はドイツ人の父親を持ち、現在はドイツ、リューベックのパティスリーで活躍中。この強みを活かし、今回は北ドイツのハンブルクを中心にビールと地方料理のレポートをお届けしたいと思います!

親友、ティルマン太郎 ティルマンのお父さんのトガーさん。かなりの食通です
(左)親友、ティルマン太郎
(右)ティルマンのお父さんのトガーさん。かなりの食通です

ハンブルクはドイツ北部にある港湾都市で、ベルリンに次ぐ第二の都市。港湾都市と言っても河口から約100kmもさかのぼった河口港なので、海の港町というよりは、大きな湖沿いにある街という印象です。川沿いにのんびりできそうなカフェがあったり、高くそびえたつ教会があったり、雰囲気のあるレンガ作りの建物があったりと新旧の趣が一体となり、街を歩くだけでも楽しめます。

都会の中にひっそりと建つレンガ造りの建物。植物がツルを張り巡らし歴史を感じます
都会の中にひっそりと建つレンガ造りの建物。植物がツルを張り巡らし歴史を感じます

リューベックはこのハンブルクから電車で45分程離れた場所にあります。13~14世紀には貿易で栄えた都市で、世界遺産に指定されている美しい街です。街のシンボルのホルステン門。建物に使われた頑丈なレンガの重みに地盤が耐えきれなかった為、建築中からすでに地面に食い込み、建物が傾いているそうです。

ホルステン門 ホルステン門
ホルステン門

ティルマンの働くパティスリー『カフェ・シュタインフーゼン Café Sfeinhusen』。伝統的なドイツ菓子を作り、リューベックで愛される老舗です。ショーケースに並ぶ、見事なドイツ菓子の数々。

写真6 写真7

店内でイートインもできます。どれもクラシックなお菓子のため一見甘そうで重たいイメージですが、ナッツ等の食感がアクセントとなり、飽きずに完食できました。

写真8
(奥):キルシュ・シャルロッテ Kirsch Charlotte (チョコレートのムースとアーモンドのムースにキルシュで漬け込んださくらんぼを加え、マジパンで覆ったケーキ)
(左):ムース・ショコラーデ・バニレクーヘン Mousse schokolade vanille kuchen (チョコレートのムースとバニラのクリームを合わせたケーキ)
(右):ブロンベールクーヘン Brombeer kuchen (ホワイトチョコのムースにブラックベリーのジュレと実を組み合わせたケーキ)

ちなみにフランス菓子と比べて、ドイツの菓子にはどういう特徴があるのか聞いてみたところ、「クリームよりも、生地が主役であるところ」とのこと。クリームに重きをおくフランス菓子に比べ、ドイツ菓子は生地をいかに美味しく味わうかを考えてクリームを作るため、ケーキにとって生地の占める割合が多く、歯ごたえのある生地に仕上げているそうです。

さて、そろそろビールについてといきましょう。
ドイツのビールは、国規模のビールメーカーよりもその土地土地に地元のビール会社がそれぞれ根付いており、地元で作られたビールを地元で消費するスタイルが主流です。ハンブルク産のビール銘柄としてはホルステン HOLSTENやドゥクシュタイン DUCKSTEINといったものが有名です。
ドイツではビール純粋法(純粋令とされる場合もある)というものがあり、ドイツ国内向けのビールには麦芽、ホップ、水、酵母のみしか使ってはいけないというものです。これは1516年から守り続けられており、現在でも有効な食品に対する法律では世界最古のものという事に驚きです。さすが本場ビール大国! 添加物を加えず昔ながらの製法を真面目に守り続けている事がドイツビールのおいしさに繋がっているのだなと実感します。

これがホルステン。1879年に創業されたドイツ北部最大の醸造会社で世界70か国に輸出をしている為、ドイツでもハンブルクに限らず比較的多くの場所で見る事ができる銘柄です。大麦、ホップ、水を原料としたピルスナービール(注1)で、アルコール度数は5.2%。クリアな色の通り苦みが少なく、ついグイ!グイ!グイ!といってしまう軽いのど越し。暑い夏の仕事終わりに是非飲みたくなるような味わいです。

写真9

そしてもう一つのハンブルク産銘柄、ドゥクシュタイン。原料は小麦、大麦、ホップ、水、アルコール度数4.9%のアルトビール(注2)。醸造樽内でブナの木と共に熟成されます。前述のホルステンが比較的広範囲で流通しているのに対し、地元でよく飲まれているビールです。色は赤みがかった茶色で、フルーティーな感じですが後味にしっかりとした苦みが残り、複雑で面白い味わい。軽い味わいのホルステンに対して、こちらは冬にコタツの中で味わって飲みたいような深みのある味です。

写真10

さて次はハンブルクのビールと最高に相性の良い、ハンブルク名物の数々です!ビアホールやレストランを巡り、名物と言われる料理を片っ端から注文してみました。これらの料理は家庭料理とは一線を画す独特のものだそうです。中には漁業組合の建物を改築したレストランもあり、港町ハンブルクならではの料理が味わえます。

ラプスカウス Labskaus
写真11
コーンビーフ、ジャガイモ、ビーツ等をマッシュして混ぜ込み、目玉焼きをのせたものです。(お店によってはビーツが入らない場合もあります)もともとは船乗りの賄い料理だったそうです。コーンビーフやジャガイモといった、保存がきき、栄養豊富な食材を使うところがいかにも船乗りの手軽な料理といった趣です。ジャガイモに含まれる豊富なビタミンCが、昔船乗りの間で恐れられていた壊血病の予防に役立ったという説もあるとか。港町ならではの料理だなと納得。

フィンケンヴェルダー・ショレ Finkenwerder scholle
フィンケンヴェルダー・ショレ
フィンケンヴェルダーとはハンブルク郊外にある街の名前で、この町が発祥という事ですが、現在ではハンブルク全域の名物として知られています。ショレとはカレイを意味し、カレイのムニエルにベーコンをたっぷり乗せた料理となります。カレイの淡泊な味にベーコンが良いアクセントとなっています。1尾丸ごとなので食べごたえあり。

マチェス Matjes
マチェス
マチェスとはニシンの事で、これは若ニシンの塩漬けです。軽い塩漬けなのでほとんど生に近い状態です。塩味が抜群で程よく締まった身の食感も素晴らしいものでした。一緒にビーツとピクルスがどっさり。おかげで魚が見えませんが…

ハンブルガー・パンフィッシュ Hamburger Pannfisch
ハンブルガー・パンフィッシュ
魚のフィレにパン粉を付けて焼き、マスタードソースをかけたもの。魚の種類は特に決まっていないそうですが、3種類の白身魚を使用するというのがハンブルグ風という事です。

余談ですが、ハンブルクのレストランのメニューには当然のように「ハンブルガーHamburger (ハンブルク風)」という単語が登場します。つづりが一緒なのでついファストフードのハンバーガーを想像してしまいますが、もともと“ハンブルク風”料理の中に挽き肉を使ったものがあり、庶民の味として定着していたそうです。18世紀頃になると、アメリカに移住したドイツ人が食べていた挽肉料理が「ハンブルク風ステーキ」として広まり、これが今のハンバーガーの名前の由来になっているとか。
実際にハンブルクで「ハンブルク風」とついた料理を多く目にし、この地が世界的なファストフードの名称の起源とされる説にしばし思いを馳せました。

やはり港町だけあってハンブルク料理は魚が多いですね。でもドイツと言ったらやっぱ肉も食べたい!という事で僕らが向かったのは『グレーニンガーGröninger』という、肉料理が美味しく、さらに地ビールが飲めるレストランです。

店の入口 店内に大きな醸造タンクがあります
(左)店の入口
(右)店内に大きな醸造タンクがあります

ここはお店の中にビール醸造用のタンクがあり、グレーニンガーピルス Gröninger Pils というこの店オリジナルのハンブルク地ビールが楽しめます。

ピルスナー特有のまろやかさがあり、くせは少なく飲みやすい

そしてここには期待を上回る料理の数々が!
まずはブロートツァイトテラー Brotzeitteller (前菜の盛り合わせ)。大きなブレーツェルやハム、角切りチーズ、ピクルスなどが盛り合わされたものです。

写真18

そしてベーコンやミートローフなど、料理の一部は量り売りのため、ティルマンがすかさずカウンターへ!

写真19

好きなものを選んで量を指定し、切り分けてもらい、重さで値段が決まります。ダイナミックな量り売りスタイルがこのレストランの特徴、醍醐味であり、お客を惹きつけます。

量り売りの値段は100gで1.6~3.9ユーロ 手前がベーコン、奥はミートローフ。強めの香辛料でビールが進みます
(左)量り売りの値段は100gで1.6~3.9ユーロ
(右)手前がベーコン、奥はミートローフ。強めの香辛料でビールが進みます

ジャガイモのローストも大鍋で量り売り!ドイツらしいですね!もちろん注文。このようなスタイルで売られていると味も一段と良く感じますね。

ジャガイモのローストは100gで1.6ユーロ
ジャガイモのローストは100gで1.6ユーロ

そして極め付け、シュヴァイネハクセ Schweinehaxe (豚脚のロースト)。豚脚を皮がカリッカリになるまでローストしたもの。これは南ドイツでよく見られる料理ですが、美味しそうなので最後に思わず注文。ナイフが刺さって出てきました。骨付きなので自分たちで切り分けて食べます。

写真23

最後の最後にきた!という感じで、このボリュームはなかなか日本ではお目にかかれないのでは!? 次々と運ばれてくる肉メインのドイツ料理の数々。食べられるだろうかと心配になりましたが、さすがドイツ、どれも美味しくてついつい食べ過ぎてしまいました。

満腹と戦いながら旅をしたハンブルクとリューベック。本場で飲むビール、そして味わう料理は発見あり、驚きありでとても素晴らしい経験となりました。皆様も気の合う仲間とドイツビールを楽しんでみてはいかがでしょうか。きっと素晴らしい時間が過ごせる事でしょう。

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(注1)下面発酵酵母(発酵が終わるとタンクの下に溜まる性質を持つ酵母) を使用して製造したビール。4~15℃の低温で発酵させた後、低温で長期間貯蔵熟成させる。日本ではラガービール(ラガーLagerはドイツ語で「貯蔵」の意)と呼ばれる事が多い。長期間熟成させる為、円熟したまろやかな味に仕上がるものが多く、日本をはじめ、世界の多くの大手メーカーのビールはこのタイプが中心。

(注2)上面発酵酵母(発酵の間表面に浮き上がる性質を持つ酵母)を使用して製造したビール。上面発酵酵母は15~25℃の常温で活発に発酵する。冷却する必要がなく、下面発酵酵母より発酵時間が短いので3~4日程で発酵が終わり、その後1~2週間熟成して出来上がる。短期間の発酵の為、フルーティーな香りやホップの苦みがそのまま活かされた仕上がりのものが多い。

取材協力店
 Café Steinhusen
 住所 Am Burgfeld 3 23568 Lübeck

 Gröninger
 住所 Willy-Brandt-Str 47 20457 Hamburg

このコラムの担当者

古川 寛和

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