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【半歩プロの西洋料理】オリーブを漬けてみる(後編)
2010年04月06日

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<【半歩プロの西洋料理】ってどんなコラム?>



またも、約二ヶ月のごぶさたである。
途中で始めた二番桶のオリーブは順調にアク抜きが進み、食べることが出来る状態になった。
そして漬け込みオイルに漬け込んであちこちの部署に拡散して行ったのである。

オリーブのオイル浸け
オリーブのオイル浸け


当初からのオリーブも漬け始めて77日目。
アク抜きは順調に進み、もうそのままでも十分に食べることが可能になってきた。
しかし、ここでひとつのハプニングが発生、白い謎の物質・・・解明するのも怖いので、そのまま一気に作業を進めることにしたのだが、果たして・・・
先ずは前回の終わりから・・・


一番桶:77日目

2週間置いてみた。
もう十分か?とも思いながら桶を見てみると、これまでにない変化が・・・
水面に白いものが浮いている。
昨夜はなかったものだ。
かび?それとも・・・

 


これは何だ???
かびのようにも見える。
非常に不安である。
手に取ってみると、小さなオリーブのくずとその周りに白い薄いベールがあった。

手に取ってなめてみる・・・
かび臭くはない。ただ、塩辛さを感じるだけである。
結晶し始めた塩ならもっと幾何学的な模様になるはずである。

オリーブを食べてみると
もう普通に食べることができる状態になっていることがよくわかった。
特にオリーブが変質している様子はない。
このまま進めてよいものか?

しばらく考えてみたが、らちがあかない。
通常に塩水を交換するのではなく、一度オリーブを洗浄することにした。
とりあえず浮遊物は表面に近い部分の水ごと処分。

後はすべては明日だ・・・


一番桶:78日目

仕事帰りに寄り道をして園芸用のノズルを購入。
水面は昨日のままで変化はない。
毎日見ていたので、変化があってすぐにわかったのが幸いしたか?
オリーブを少量ずつストレーナーに取り、園芸用ノズルで強烈な放水。
改めて塩水に漬け直すことにした。

激しくシャワー
激しくシャワー


一番桶:79日目

水の表面を確認。何事もおきていない。
今日から朝・晩チェックを始めることにした。

きれいに洗って漬け直し
きれいに洗って漬け直し


一番桶:80日目

変化なし。



一番桶:90日目

もうすぐ今年も終わる。
水にはほんのりと赤みが出ている。
本日より最終的な工程に移ることにした。
現在の塩分濃度は約8%である。
これを食べて美味しい程度まで塩抜きしてゆくのだ。
とりあえず、今日は一気に5%まで下げることにした。


一番桶:100日目

水にほんのりと色が出ている。
食べてみる。
美味しい。
でも、まだかなり塩辛い。

塩分濃度を約3%にしてみる。
海水と同程度、やや塩辛い程度である。
これで今度は5日置いてみることにする。

この冬は暖かく、さすがに3%ではワイン倉庫の室温では少し心配である。
ガレージに置いた「塩抜きした梅干」専用の古い業務用冷蔵庫の片隅を借りることにした。


一番桶:105日目

本日最後の塩抜きを開始、塩分濃度は2%である。

最後の塩抜き
最後の塩抜き


一番桶:110日目

塩抜きも完了、程よい塩味である。
しかし、なんとなく渋さを感じる気がする。
塩を抜きすぎたのか?

とりあえずこのまま春を待つことにした。
明日は2月公開分のレシピの撮影である。
少し使ってみることにしよう・・・


一番桶:111日目

ほんとに、使ってみることにした。
マフィンに少し紛れ込ませてみたが、上々の仕上がりであった。
食べられるところまできた・・・
ちょっと、安心した。

入ってました・・・知らずに食べた人が何人も・・・
入ってました・・・知らずに食べた人が何人も・・・


一番桶:160日目

まもなく半年である。
2%の塩水もすっかり色付いてきた。
食べることが出来るとはいえ、こんなになってもほのかな渋みが残っているとは・・・
オリーブは中々の頑固者である。

まだ出るか?アクめ・・・
まだ出るか?アクめ・・・


一番桶:177日目

三連休も明けて、ついに作業の最終段階に入ることにした。
もちろん、すでに塩水漬けとしては完成していて、100日前後の段階で十分に食用になっている。

ここ一月の間は、庭やガレージでの作業のかたわら何かにつけてひとつつまんではビールを・・・ということもして来た。しかし、生の状態では毎日微妙に変化している様子が見られるので、最後にさっと湯通しして表面の乳酸菌を殺す必要があるらしい。

オリーブ、生はそれなりに美味い
オリーブ、生はそれなりに美味い


手早く湯通しし、冷水に落とした後に調味液に漬けることにした。

以下はその作業である。


①調味液を作る
 鍋に好みのスパイスと塩(約1.5%)を入れ、水を加えて火にかける。

調味液
調味液

 沸騰すれば漉して冷ます。


②オリーブを湯通しする。

湯通し
湯通し

沸騰した湯にオリーブを入れ、5~10秒ゆでる。

氷水に落とす
氷水に落とす

 手早く取り出して氷水に落とし、冷めれば水分をふき取る。

③保存のため容器に入れ、調味液を注ぎ入れる。

調味液と共にパック
調味液と共にパック

 今回は真空パックを利用した。


これで完成である。

しかし、市販品とは決定的な違いがあった。
固いのである。
そして明らかに色が悪い。
市販のオリーブの瓶詰や缶詰と比べると格段の差が感じられる。
う~ん。悔しい・・・

と、いうことで最後の作業として、せめてやわらかく食べることが出来るように、以前と同様にオリーブ油で軽く煮ることにした。

以下はその作業である。


①鍋にオリーブを入れ、完全にかぶるまでオリーブ油を入れ、好みのスパイスを入れる。

オリーブオイルとスパイス
オリーブオイルとスパイス


②90℃で20~30分煮る。

90℃で20分間、コンフィにした。
90℃で20分間、コンフィにした。


③そのまま保存用の容器に移して冷ます。

オリーブ油と共に
オリーブオイルと共に

 こちらも真空パックを利用した。


前回と同じく、火を通したオリーブはかなり水分が失われている。
しばらくの間渋みを感じることになるので、1~2週間後が食べごろだろう。

ついに塩水漬けとオリーブ油漬けの10個入りパックが、それぞれ14袋完成した。

完成品
完成品


およそ6ヶ月間の付き合いであった。
塩水漬けと油漬けをセットにして、選び抜かれた食いしん坊の元に旅立って行くことになった。

一人2パック、14人様限定
一人2パック、14人様限定


固さと色と・・・次なる機会があればもう一度トライしてみたい。
そのために、今年の冬は山小屋の薪ストーブの木灰を大量に持ち帰ってきた。

ただ、去年の台風でオリーブの木が一本根元から倒れかける程の被害を受けたので、
かなりしっかりとオリーブの枝どころか幹も伐採してしまった。

次に実るのはいつなんだろう・・・

今年ものびろよ・・・実れよ・・・

今年ものびろよ・・・実れよ・・・いつか・・・


オリーブ日記。  とりあえず・・・・・・・・・・・・・・・完


<コラム担当者>
此上 潤

<このコラムのレシピ>
タラのピポ風
鶏とえびの包み揚げ、オリーブ入り
サングリア・ブランカ

<バックナンバーはこちら(2003年4月~2009年8月)>

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