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【半歩プロの西洋料理】柔らかおいしい煮込み料理たち!
2015年07月29日

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<半歩プロの西洋料理ってどんなコラム?>



煮込み料理と聞くと何を思い浮かべますか?

日本の料理では、筑前煮、豚の角煮、あるいはもつ煮や肉じゃがなどと様々なものがあります。

では、海外ではどのような煮込み料理があるでしょうか?中国料理のエビチリや西洋料理のビーフシチューを始めとして、さまざまな煮込み料理がありますが、これは西洋料理のコラムなので、ヨーロッパ各国の煮込み料理をいくつか紹介してみましょう。


私は牛肉が好きなので、今回は牛肉を中心に料理を作ってみました。実際に作ってみて、同じ牛肉の煮込みでもさまざまな方法があることを感じました。『煮込み料理』というひとくくりの中でこれだけ違いがあるととても面白いので合わせて紹介していきます。


最初に紹介するのは、フランス版ビーフシチュー、『ブフ・ブルギニョン』(ブルゴーニュ風牛肉の意味)。牛ばら肉を焼いて香味野菜と共にたっぷりの赤ワインで煮込んで作る、フランスのブルゴーニュ地方の料理です。この料理では塊の肉を煮込んでいくことで柔らかくし、煮汁を煮詰めてソースにします。

煮込むのには2時間ぐらいかかるので、オーブンでじっくりと煮込むのが一般的です。

よりおいしく仕上げるために、赤ワインだけでなくだし汁を加えることもあります。

煮あがった肉は、ブルゴーニュ風の付け合せと一緒に盛り付けます。 

(ブルゴーニュ風の付け合せとは、拍子木切りにした塩漬け豚ばら肉のソテー、小玉ねぎのグラッセ、シャンピニョンのソテーです)


続いて、イタリア料理のトリッパです。トリッパは牛の胃のことで、煮込み料理にすることが多く、トマト風味に仕上げることが一般的です。

4つある牛の胃袋の中では、ハチノス(牛の第二胃)を使うことが多いようです。日本の家庭で作るなら、焼肉用の掃除済みのものを買って使うといいでしょう。 

ハチノスは臭みを取り除き柔らかくするために1時間~1時間30分ほど下ゆでします。

そのあとで一口大にカットし、トマトをベースにしたソースに加えて1時間~1時間30分かけてじっくりと味を含ませるように煮込んでいきます。

イタリアのどの地方にも、トリッパとその地方の名物をいっしょに煮込んだ料理があり、その土地の名前がついています。


次はロシアの料理ビーフストロガノフです。ビーフストロガノフはロシアの貴族ストロガノフ家の家伝の一品であったと言われています。

玉ねぎとマッシュルームを色づけないようにゆっくりと炒め、サワークリームを加えてソースを作ります。そこに手早く炒めた牛フィレ肉を加えて軽く煮込んで仕上げます。 

つけ合わせにはじゃがいものフライを添えるのが、伝統的なスタイルです。 


最後はベルギーの郷土料理で、フランスの北部でも作られているカルボナード。牛肉をビールで煮込んだ料理です。

玉ねぎをしっかりと炒めて甘みを引き出し、ビールを加え、薄切りにした牛赤身肉と一緒に30分ほど煮込みます。

この料理もじゃがいものフライを添えることが多いようですが、ビーフ・ストロガノフとかぶるので、キャベツをパスタに見立てて蒸し煮にしたものをじゃがいものピューレと共に添えました。 


4つの煮込み料理を比べてみると、いずれにもその国の名物が使われており、それが料理の特徴になっていることがわかります。フランスの赤ワイン、イタリアのトマト、ロシアのサワークリーム、ベルギーのビールいずれもその地域の特徴的なお酒や食材です。食材を見ればその料理の故郷がわかる。それほどによく知られた料理ばかりです。


次に煮込み方ですが、肉の部位や大きさによって、煮込む際の煮汁が違います。

ブフ・ブルギニョンは、大きな牛肉の塊をたっぷりの赤ワインやだし汁の中でじっくりと煮込むことにより、肉自体はほろほろとしたやわらかい状態になり煮汁の中に旨みが出てきます。その旨みの出た煮汁をしっかりと煮詰めることにより、美味しいソースが生まれます。


トリッパは独特のクセがあるので一度下ゆでをし、トマト缶とだし汁を加えてじっくりと煮込みながら味をしみこませてゆきます。独特の風味がおいしさであり、同時にトリッパそのものが柔らかく仕上がります。


牛フィレ肉をソテーしてから煮込むストロガノフでは、肉が固くならないように短時間しか煮込みません。そのために事前においしいソースを作っておく必要があります。小さなステーキをおいしいソースでくるんで食べる感じです。


カルボナードは肉を薄切りにして短時間で煮込めるようにしています。なので煮込んでいる間に煮詰まってソースになる程度の分量や濃度の煮汁で煮込みます。


これらの煮込み料理を比較してみて、いい所どりをしたレシピを考えてみました。

ベースはビールで煮たカルボナードで、本来は薄切りの肉を使って作るところを大きな塊の牛肉を使って、しっかりと肉を柔らかくして仕上げてみました。黒ビールを使っているので、しっかりとしたコクが生まれ、少し甘味の強い味わい深い味になります。付け合せには「カルボナードをおかずにしてご飯をいっぱい食べてみたい」と以前から思っていたので、バターライスにひと手間かけたものにしてみました。家庭でもできる簡単な料理なので、ぜひお試しください!

このコラムの担当者

永田 智大

このコラムのレシピ

牛肉の黒ビール煮込み

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