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【好吃(ハオチー)!中国料理】老四川の味は懐かしき牛モツの味
2011年04月07日

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<【好吃(ハオチー)!中国料理!】ってどんなコラム?>

塘:今回初めてコラムを担当する、われわれの仲間を紹介いたします。自己紹介をどうぞ!

三次:初めまして。三次良享(みつぎよしゆき)と申します。出身はおしゃれの街、神戸です!神戸出身であることを、人に話すとよく「神戸っぽいね」と言われます。神戸は海と山に囲まれたとても良い所です。今までコラムを掲載して来られた先輩に負けないよう、頑張ります。

塘:じゃ、三次先生よろしく。今回は以前の畑川君(「苦蕎麦との出会いin成都」参照)同様に四川のレポートをしてくれるそうです。君もなかなか興味深い話をしてくれそうですね。

三次:はい。何からはじめたらいいのでしょうか?なにぶん初心者ですから・・・。

塘:一応みんなには一番印象に残ったことを話をしてもらっています。三次先生は四川で食べた料理を日本に帰ってから次々と再現しているから、是非いろいろ紹介してもらいたいなあ。

三次:僕は四川は2回目だったんです。1回目は全体的にパンチの効いた料理にただ圧倒されていました。その中でも印象深かったのは屋台のタンタン麺。もうご存知だと思いますがタンタン麺は屋台で担ぎ棒で担いで売り歩いたのが始まりです。(船渡先生コラム「汁無し担担麺の作り方」を参照)

四川の町中で、まさしくコラム通りの格好で売り歩くおばあさんに出くわしました。僕たちの前で、そのタンタン麺を1組のカップルが笑いながら食べているのを見て。美味しそう!食べたいなあと思い、食事を済ませたばかりで、おなかいっぱいだったけれどもちょっと食べてみることにしました。

塘:わっ、いいですねえ~。フンイキがあって。

屋台の四川担担麺

三次:ところが一口食べてみると今まで感じたことがない激痛に近い辛さ。誰も2口目を食べませんでした。正直お腹もびっくりしたようで、すぐにお腹も痛くなりました。僕らが冷や汗をかきながら苦しんでる中、笑いながら食べる、その四川人のカップルを見て、とてもかなわないと感じました。お腹の痛みはそのまましばらく続き、旅の後半の記憶は、ほとんどお腹の痛みしか覚えていません。正直しばらくは行かなくてもいいかなと思っていました。

塘:なるほどね。今回の旅行でもお腹が痛くなる人も出てきて大変だったけど・・・。それなら、君はなぜ今回も参加したわけ?

三次:日本に帰ってきた当初はそう思っていましたが、なぜか日本に帰って以来、自分が作る料理にパンチがない気がしていて。例えば麻婆豆腐などの四川料理を作ると、みんなが「辛くて食べれないよ」という辛さじゃないと納得できない体になっていました。なぜですかねえ~。いつしか、四川にまた行きたいなあ~、四川料理の辛さの洗礼をまた受けたいなあ~と思うようになり、今回の2回目の旅行を計画いたしました。

塘:あっそうだ。そうだね、今回の四川旅行は先生が幹事をしていましたね。色々世話してくれて、ありがとうございます。ほんとに四川の辛さはなぜだか病み付きになりますね。まったく麻薬だね。

三次:麻薬の「麻」は花椒のしびれる辛さを指す「麻(マー)」と同じですからねえ。でも今回の旅行は慣れたせいもあり、辛さだけでなく、香り、旨味、彩りなど、今まで見えてこなかったものが見えてきて、四川料理が人を魅了するわけが解かっててきたように思えます。

塘:じゃ、今回三次君が紹介します料理はなんでしょう。

三次:今回紹介します料理は「夫妻肺片」です。この料理は牛モツを香料入りのスープでやわらかく炊き、薄切りにして、醤油ベースで、たっぷりのラー油の入ったタレをかけた料理です。説明だけでは解かり辛いので下の写真を見てください。

飄香酒楼の「夫妻肺片」。 牛ミノ、牛スネ、中国セロリ、醤油ベースのタレにたっぷりのラー油がかかっている。この料理の典型的な形。

実は四川で初めて食べた料理がこれでした。この料理は僕の中でかなり印象に残りました。この料理も辛さが半端ではありません。でもこれを食べるために、また来たといっても過言ではないほどの魅力があります!

今回も改めて食べてみると非常に美味しかった。この料理はいくつもの種類の内臓(ガツ、ミノ、ハチノス、タンなど)と牛の頭の皮、スネ肉などを使っています。

それぞれが一番美味しい火の通りになるよう別々に煮てあって、色々な肉の旨味を味わえます。味付けも花椒の効いた爽やかな辛さで、長年追いたし追いたしした煮込みのタレを調味料としても一部を使い、牛の旨味が凝縮していて非常に美味しいです。

下の写真は夫妻肺片を専門として、伝統的に昔ながらのスタイルで出し続けている、小吃中心(センター)内の夫婦肺片専門店の仕込みの様子ですが、ちょうど牛モツを刻んでいますね。

豪快のようで実に繊細な仕込み(かなぁ~?)。ものすごく早く、肉を薄切りにしていました。

どこの店でもたっぷりのラー油と香菜をのせてあります。タレはしょうゆ味、甘くなく控えめな感じ。この料理は日本にほとんどなくて、話には聞いたことがある程度でしたから、四川に戻ったらぜひ食べたかったのです。

これが伝統の夫妻肺片(小吃中心、夫妻肺片専門店)すぐに好きになりました。

塘:私も初めて食べて一度で好きになりました。いろんな店で「夫妻肺片」を頼み、それぞれを食べ比べてみました。各店での「夫妻肺片」の写真をアップします。

銀杏川菜酒楼の夫妻肺片 きっちり、きれいな盛り付けは百貨店内のレストランらしい。牛モツはスネとガツ(第一胃)、野菜は芹菜(中国のセロリ)、香菜、ピーナッツ、ゴマ、香油(ラー油)。

大蓉和の夫妻肺片 丼に豪快に盛りつけている。繁盛店らしく勢いがある。牛モツはスネとハチノス、(第2胃)野菜は魚腥草(折耳根:どくだみ草)、香菜。どくだみと中国パセリだから草臭いと思いきやそんなに感じない。むしろ牛モツとの相性がよく以外な美味しさ。

韓包子の大衆的な夫妻肺片  牛モツセット(牛の頭の皮、ガツ、ミノ、ハチノス、タン、スネ肉など)が入り、上記の夫妻肺片の専門店と同様王道を走っている。盛り付けはかなり雑だが、タレの味付けは牛モツの煮汁に中国醤油、砂糖で調整されていて旨さは抜群。

塘: ところで四川ではあまりにも有名な割にはあまり日本に知られていない、この料理「夫妻肺片」なぜ「夫妻」なの?そして肺なんて使ってなさげな感じだけど。

三次:はい。では夫妻肺片の由来を説明しましょう。時は1930年代にさかのぼります。当時、四川省には多くの民族が生活していました。その中にはイスラム教を信じる回族が一番多くいたのです。彼等は豚肉を全く食べず、牛肉と羊肉を食べていましたが、牛肉は肉のみを食べ、内臓は捨てていました。これを痛ましく思っていたある夫婦が、牛舌、レバー、胃袋などを拾ってきて調理してみたところ、美味しいことに気づき、この料理が誕生した と言われています。この料理を創作したのが、夫の郭氏とその妻の張氏であることから料理名に「夫妻」の字がつけられている訳です。

塘:なるほどね。そんな深い話があるんだね。中国人は豚の内臓料理は食べるけど、もともと牛の料理自体をはあまり食べないので、牛モツも同様。だけど日本人は結構、牛、牛モツ料理にあまり抵抗がない。味に保守的な関西人でもホルモン焼や土手鍋などの牛モツ料理は食べる。在日韓国人、朝鮮人の食文化の影響が大きいけどね、博多を中心として九州の人も結構食べる。日本にまったく知られていないこの料理、たぶんこれからは、大きな広がりを見せると思う。

三次:まったくそう思います。ところでちょっと伺いますが、今回の話はタイトルの「老四川の味は懐かしき牛モツの味」とは少し内容が違うようですがどこが懐かしいの?

塘:実は、私は「夫妻肺片」を初めて食べたとき不意に、博多に住んでいる姉のことを思い出しました。昔のことですが姉のところに遊びに行くと、よく屋台でモツ料理をご馳走になりました。そこで出された突き出しのモツの和え物「酢モツ」の味を思い出しました。味は確かポン酢か二倍酢で七味唐辛子をかけるか柚子胡椒をつけて食べます。

「夫妻肺片」に似ても似つかない味ですが根底に流れるフインキというか魅力というか、なんとなくそんな感じが似てて、初めて食べたけど、懐かしいなと思ったわけです。デジャブというやつです。

姉はモツが大好きでした。もうずいぶん会っていないけど元気にしてるかなあ~。 まあ、そんな、こんなで、こんなタイトルをつけてみたけれども、三次先生の今回の話にはあんまり関係なかったね。

三次:・・・なんか今の話で美味しいところ全部持っていかれたような気がします。今の話は特になくても・・・。

塘:まあ気にしない、気にしない。

<コラム担当者>
三次 良享

<このコラムのレシピ>
四川式風牛モツの前菜

<バックナンバー>
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