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食のコラム&レシピ

【好吃(ハオチー)!中国料理】どうなったのよ 中国ハム!最終版

06<中国>好吃(ハオチー)!中国料理!

2011.05.18

<【好吃(ハオチー)!中国料理!】ってどんなコラム?>

塘:今回は、いよいよあの中国ハムがどうなったかのお話です。

船渡:そういえばやっていましたね。あれは去年でしたね。1年間もよく干していましたね。

塘:そう。去年の1月の話です。中国ハムを自家製できるか挑戦していました。しくはコラム【好吃(ハオチー)!中国料理】中国ハムなんて作れるの?パート1パート2 をご覧ください。

船渡:ふむふむ、確認。なるほど去年も尖閣諸島問題で、いまだにレアアースの輸入が制限されているし、こんなことはありえる話ですね。チャイナリスクというやつですか。でも、あれからの経過がわかりません。もちろんレアアースじゃなくて中国ハムのことです。

塘:はいはい、今から話しますよ。去年の1月下旬から塩漬けを開始し、2月中旬ごろから干していました。3月に入ると、天候不順で雨の日が多く続きました。気温も最高で20度を超える日が多く、桜の開花も各地で1週間ぐらい早くなるほどでした。ある日見てみると、カビがちょっとはえているのを発見しました。青カビなら問題ないのですが、白いものから、黒色、赤色、黄色いものまではえていて、ちょっと気持ち悪かったですね。しかし、匂いは大丈夫でした。むしろ中国ハム独特の香りが強く出ていました。

充分水分が飛んで、お肉が少々硬い状態なら、カビはむしろ歓迎ですが、まだ乾燥しきれていない状態のカビは腐敗を招く場合があります。表面をアルコールでよくふき取り、さらに塩を刷り込みました。ですが、日増しに気温が上がり、4月1日のことですが、とうとう外に干すのを断念しました。下の写真のように紙に包み、冷蔵庫で干すことに。

夏に耐えられるほど、充分乾燥させたのち、また屋外で干そうと思っていましたが、皆さんも知ってのとおり、去年の夏は記録的な暑さでしたね。また、冷蔵庫の中は思ったほど乾燥しません。今年の夏は屋外にはまったく干せませんでした。夏に干すのはあきらめ、冷蔵庫でそのままに、そして秋に最高気温が20度をきれば屋外に干すことにしました。ところが、あれほど香っていた中国ハムの香りがだんだんなくなってきました。どうしたことでしょう?

船渡:何があったんですか?

塘:どうやら冷蔵庫で干しているのがよくなかったようです。冷蔵庫の中は一日中同じ温度。これがよくない。
ハムにとって一日の寒暖差も大切だそうです。ハムが温度差により伸び縮みすることで、水分が移動し、熟成に一役買うのだと・・・。呼吸すると表現してもいいかもね。

かなり失敗濃厚の状態でしたが、9月ごろになるとやっと乾燥の状態がちょうどよい感じに。しかし、匂いは全然戻ってきません。11月ごろになると涼しくなり、やっと屋外に干せる状態になりました(最高気温で20度以下)。後はうっすらカビが生えるまで熟成したら出来上がりに・・・。香りよ戻って来い!

ところが今度は、干し始めたら急激に寒くなり、さらには記録的な厳冬。12月になっても1月になっても、結局3月に入っても寒くてカビが生えてきませんでした。表面にうっすらカビが生えてきたら出来上がりのはずでしたが・・・。このままいつまでも干しっぱなしというわけにもいかないので、3月15日にさばくことに。一応の出来上がりです。下の写真がそう。はじめ12kgあった肉がいまや8kgに。だいぶ干からびましたね。

船渡:お~お、やっと出来上がりましたね。どうですか。出来栄えの方は?

塘:う~ん。ちゃんとできたのかな~あ。どうなんでしょう。これからは中国ハムをさばくところのリポートです。
そのまま骨を外して部位に分けるのが一番いいのですが、硬過ぎてまったく歯が立たないのでゆでることに。そうすることで柔らかくなり、骨も外しやすくなります。余分な塩分も落ち、料理に使いやすくなります。但し、保存性が落ちてしまいますので、人によってはやっぱりそのままさばくほうが良いという人もいます。今回は2時間ほどゆでました。

これがゆでた状態のもの。2時間ゆでると柔らかくなり、骨も外しやすくなります。(下の写真)

船渡:だいぶ黄色いですね。おや中国ハム独特の匂いが・・・。表現しづらいですが、高級なロースハムを焼いたときみたいな香り。

塘:おお~、これです。これですよ。これこそ中国ハムの香りです。なんと香りが戻ってきました。それでは、表面に露出している肉の部分はえぐい味がして美味しくないので、この部分はナイフで削り取ります。(下の写真)

船渡:削ってみると中はきれいな赤色ですね。

塘:ほんとだ。真っ赤でおいしそう。どうやら中はちゃんと熟成していたようだ。次は股関節の骨の周りにナイフを入れて取り除きます。のってきましたよ~。(下の写真)

大腿骨に沿って切れ目を入れ、さらに脛の関節部分にナイフを入れて取り外します。それ~。(下の写真)


脛の肉(火踵)。この部分はスープに適する。

次は部位ごとに切り分け、大腿骨を外します。これで完成だー。


これが部位に分けたもの。上から火踵、中方(左:内腿、右:外腿)、腿頭。

船渡:食べてみましょう。おお~、中国ハムそのものの味だ、香りも本場のものとかわらないほど良く出来ている。すごい!肉質は少し柔らかいかな。

塘:本当に!大成功だ。やっほー!

船渡:せっかくですから、これで一品作ってくださいよ。

塘:それでは、湖南名物の「蜜汁火腿」なんかどうでしょう。中国ハムを蜜で煮てパンにはさんで食します。ポイントはハムの塩分を抜きつつ、蜜の甘味を肉に染み込ませること。但し、これは中国ハムの肉質が重要で、金華ハムで作るのが有名なんだけど、金華ハムより雲南ハムのほうが肉質が柔らかくて適していると思う。

塩分が強く、カチカチの中国ハムでは硬く仕上がる場合が多い。それでうまく作るには至難の業です。柔らかい仕上がりにするため、中国ハムを使わず、干していない、単なる塩漬け肉で作る人もいます。脂肪と赤身のバランスも重要で、赤身だけだと美味しくない。説明だけだとわかりにくいので下の写真を見て。

蜜汁火腿(湖南風 中国ハムの蒸し煮)

船渡:美味しそうですね。高級な感じがするし。しかし、中国ハムを作るとは・・・。面白いですね。これからもいろんな加工食品に挑戦してくださいよ。

塘:そうだね!中国の食文化を理解する上で、こういう試みは大変意義があるしね、ぜひとも。じゃ、今度は豆瓣醤でも作ってみようかな~(どや顔で得意満面に話す)。

船渡:・・・やっぱりほどほどにお願いします。

<コラム担当者>
塘 和英

<このコラムのレシピ>
湖南風 中国ハムの蒸し煮

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