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【独逸見聞録】 アイスゲトレンケ ~アイスクリーム(其の参)~
2011年03月17日

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【独逸見聞録】ってどんなコラム?

アイスクリーム好きなドイツ人達も、流石に雪が積もる真冬には「アイスカフェ(Eiscafé)」から一時足が遠退く。戸外用のテーブルや椅子も、喫煙者用の一部の席を除いて片付けられる。
本格的なアイスクリームの「旬」が始まるのはもう少し先だが、気温は低くても、天気の良い日になると、テラス席に座っている人達は勿論、アイスクリームを持ち歩く人の数も増える。


左:日陰になっている間、戸外の席は人気がない。
奥の椅子に掛けられているのは、専用の膝掛け。
右:日が差し始めると、途端に満席になるテラス席。

今回は、「アイスカルテ(Eiskarte)」の中から、「アイスゲトレンケ(Eisgetränke)」と呼ばれる、アイスクリーム入りの飲み物について紹介する。


アイスカフェの品書き「アイスカルテ」。
アイスベッヒャー(パフェ)類だけでなく、アイスゲトレンケ単独のページもある。

★アイスクリーム入りの飲み物(アイスゲトレンケ:Eisgetränke)
アイスゲトレンケは、アイスクリーム(Speiseeis:シュパイゼアイス)入りの冷たい飲み物の総称である。
背の高いグラスを使用し、小さなトレイ(Tablett:タブレット)の上に乗せる。このトレイは、多くの場合金属製である。太めのストロー(Strohhalm:シュトローハルム)と、アイスクリーム用の柄の長いスプーン(Eislöffel:アイスレッフェル)が添えられる。

◆アイスカフェー(Eiskaffee)
グラスにヴァニラアイスクリーム(Vanilleeis:ヴァニレアイス)を入れ、冷たいコーヒー(Kaffee:カフェー)を注ぐ。上に少量の泡立てた生クリーム(Schlagsahne:シュラークザーネ)を絞り出す。

耳で聞いただけだと、日本のアイスコーヒーと混同してしまいそうだが、全く別の飲み物だと認識した方が良い。因みに、アイスコーヒーの本来の綴りは、英語で「iced coffee」。
ドイツやオーストリアなどのドイツ語圏で、「アイスカフェー(Eiskaffee)」と呼ばれるものが、一番近いのは日本の「コーヒーフロート」である。

それでは、アイスクリーム専門店以外の、普通の喫茶店やレストランならば、所謂アイスコーヒーを注文できるかというと、答えは「否(Nein:ナイン)」なのである。
ドイツで「冷たいコーヒー(kalter Kaffee:カルター・カフェー)」 という表現は、既に周知で、面白くもない話という意味でも使われる。彼らの感覚では「冷やしたコーヒー」というよりは、「冷め切ってしまったコーヒー」という感じなのではないだろうか。


左:アイスカフェー(Eiskaffee)とアイスショコラーデ(Eisschokolade)
右:アイスショコラーデ(大)

◆アイスショコラーデ(Eisschokolade)
上記のアイスカフェーの姉妹版。ヴァニラアイスクリームをグラスに入れ、冷たいココア(Kakao:カカオ)を注ぐ。ココアは、飲むチョコレート(Trinkschokolade:トリンクショコラーデ)とも呼ばれる。
泡立てた生クリームを絞り出し、チョコレートソース、または削ったチョコレートを振り掛ける。

◆ミルヒシェイク(Milchshake)
牛乳(Milch:ミルヒ)を使用した飲み物で、その名前からも分かるように、アメリカ合衆国から伝わった。元の名称は「ミルクシェイク(Milkshake)」だが、ドイツでは、ドイツ語と英語の合成語の「ミルヒシェイク(Milchshake)」として定着している。


好みに応じて混ぜ合わせる材料を選べるミルヒシェイク(Milchshake)

ミルヒシェイクは、冷たい牛乳とアイスクリーム、イチゴ(Erdbeere:エァトベーァレ)やバナナ(Banane:バナーネ)などの果物、ソース(Soße:ゾーセ)やシロップ(Sirup:ジールップ)などを攪拌して作られ、ジュース用のグラスでサーヴィスされる。
濃度の異なる構成要素が分離し易いので、作り置きすることは難しい。大抵の場合、飲む直前に作られる。攪拌には、ハンドブレンダーかジューサーミキサーを使用し、均一なクリーム状になるまで掻き混ぜる。
また、混ぜ合わせる順番や材料の温度にも注意が必要である。先ず、ミキサー用の容器に牛乳を入れ、その後アイスクリーム、シロップ、果物などを加える。主材料である牛乳の冷え具合が充分でなければ、嵩が小さく、締まりのない味になってしまう。

◆ゾルベット(Sorbet)
「Sorbet(ゾルベまたはゾルベット)」、「Sorbett(ゾルベット)」などと表記される。
ここで述べるゾルベットは、ワインやゼクト(発泡ワイン)を使用した、アイスクリーム入りの冷たい飲み物のことを示す。アイスクリームの種類と取り違えてはならない。

グラスにアイスクリームを入れ、発泡ワイン(Sekt:ゼクト)またはワイン(Wein:ヴァイン)を注ぐ。
使用するのは、主に果物のアイスクリームで、好みの種類を選ぶことができる。
一番ポピュラーなのは、レモンのアイスクリームとゼクトで作る「ツィトローネンゾルベット(Zitronensorbet)」である。

赤ワイン(Rotwein:ロートヴァイン)には、サクランボ(Kirsche:キルシェ)やキイチゴ(Himbeere:ヒムベーァレ)などの赤い果物のアイスクリーム、白ワイン(Weißwein:ヴァイスヴァイン)には、パイナップル(Ananas:アナナス)やオレンジ(Orange:オランジェ)ような、色の淡いアイスクリームが組み合わせられる。
何れも、果物や泡立てた生クリームを添えてサーヴィスされる。

◆その他のアイスゲトレンケ
ヴァニラアイスとオレンジジュース(Orangensaft:オランジェンザフト)を組み合わせた「優しい天使」という意味の「ザンフター・エンゲル(Sanfter Engel)」や、それと良く似た「フリッパー(Flipper)」がある。こちらは、泡立てた生クリームが添えられ、イタリア産のサクランボのシロップ漬け「アマレーナ(Amarena)」のソースが掛けられている。但し、これらの呼称については、店によって少しずつ異なっていて、その境界線ははっきりしてない。
ミルヒシェイクと良く似た「Frappe(フラッペ)」は、攪拌の際に氷が加えられる。
グラスに、レモンまたはヴァニラのアイスクリームを入れて、冷やした濃い紅茶を注ぎ、生クリームを添えた「アイステー(Eistee)」も、アイスゲトレンケの専門書で紹介されているが、実際に見掛けることは稀である。


左:ヨーグルトフラッペ(Joghurt-Frappe)、右:フリッパー(Flipper)

★アイスクリーム持ち込み禁止のシール
(Eisverbotsschild:アイスフェァボーツシルト)
ドイツ語を習い始めた頃、初心者用の教科書には、日本人の感覚では理解できない、不可解なイラストが沢山載っていたのを思い出す。そのひとつが、練習帳に載っていた「アイスクリーム持ち込み禁止のシール」である。
アイスクリームをテイクアウトする場合には、歩行者天国の舗道の所々にあるベンチに座ったり、噴水などの側で食べたりしている人が多い。歩きながら・・・、という人もかなりいる。となると、衣料品や書籍を扱う店やデパートに、溶けかかったアイスクリームを片手に入ってしまうマナーの悪い人も少なからずいるのだろう。アイスクリーム専門店の近隣の店舗は、自衛策として、入口付近に持ち込み禁止のシールを貼らざるを得ないということだろうか・・・。


「話法の助動詞」の使用法の授業で出てきた練習問題のイラスト。
左:扉にアイスクリーム持ち込み禁止のマーク  右:アイスカフェ(Eiscafe)

アイスクリーム持ち込み禁止のシールには、色々な種類があるが「3 Kugeln Eis in einer Tüte(コーンに3球のアイスクリーム)」のパターンが一番多い。ドイツでは「ソフトクリーム(Softeis:ゾフトアイス)」を見掛ける機会が少ないこともあって、ソフトクリームのイラストはあまり出回っていないようである。右端は、ハンバーガーに限らず、飲食物の持ち込みを全面的に禁止するシールである。


【撮影協力(アイスカフェ):
Eiscafé Zampolli
(Hauptstraße 61 Offenburg)】

<コラムの担当者>
Kimiko Kochs

<バックナンバー>
2009年8月まではこちら
2009年9月からはこちら

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