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【日本料理一年生】 46時間目 高野豆腐の玉子とじ
2013年05月08日

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<【日本料理一年生】ってどんなコラム?>

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●高野豆腐の玉子とじ●


 本年度も日本料理の基本的な料理をご紹介します。最初に採り上げるのは「高野豆腐の玉子とじ」です。
 以前にお話しましたが、私の実家は商家のため、私にとってのおふくろの味は、「おばあちゃんの味」なんです。中でも「きらずの炊いたん」、「高野豆腐の炊いたん」、「昆布豆」が、「三大おばあちゃんの味」です。なぜか大豆製品ばかりで、今の若い人には好きになれないような料理かもしれませんが、私にとっては大切な思い出の味なのです。

 さて、「高野豆腐」は、和歌山の高野山で、真冬に野外に放置した豆腐が凍り、これが偶然発見されて食されたことにはじまるようです。夜間に凍り、昼間は溶ける。を繰り返すと、豆腐は乾燥して中にスポンジのような空洞ができます。調理するときに、その空洞に煮汁が吸い込まれ、美味しくいただけます。保存食として、また、名前も江戸時代に高野山土産として、全国に広まったようです。ただ、甲信越、東北、北海道では同様の製法で「凍り豆腐」や「凍み豆腐」という名前で作られていたようです。

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 私と同世代の人たちの中で、「高野豆腐」は嫌いといわれる方が多いのですが、その理由として一番多いのが、アンモニア臭があるから。という答えのようです。当時は、高野豆腐が早く戻るようにアンモニアを充填していたため、お湯で戻し、何度も水を替えながら上手に戻さないと、アンモニア臭が残っていました。現在の高野豆腐は、重曹がたんぱく質を分解し、食品を柔らかくする働きを利用しているようです。凍った豆腐を解凍するときに、重曹の入った水に入れ、乾燥させることで、水戻しが早く、柔らかく煮上げられるようになりました。
 昨今では、煮汁に直接入れて煮ても、おいしくでき上がるともいわれますが、やはり80℃のたっぷりのお湯に、高野豆腐全体がつかるように落とし蓋をし、流水にさらしながら、もみ洗いすることで、柔らかくふっくらと戻って、より美味しい高野豆腐になります。

 昨年、辻調グループはタイ王国のバンコクに拠点をおくホテル産業チェーンDusit Taniグループと提携し、Dusit Tani Collegeという大学の日本料理課程を担当指導しています。先日バンコクの市場から高野豆腐が消え、「入荷の見込みなし」との連絡が入りました。あわてて1ケースの高野豆腐を送ったのですが、タイの税関で放射能非汚染証明がないと渡せないといわれ、約半月かけて証明書を取り寄せ、やっとタイのスタッフに渡せました。
 また、バンコクでタイ人公邸料理人育成教室を開催しているときの話です。日本から持ち込んだ高野豆腐を授業で使う前に、すべて蟻に食い荒らされたことがあります。マンションの7階の部屋だったので、普通に部屋の片隅に保管していましたが、なぜか高野豆腐だけを5パック、全部蟻に食い荒らされてしまいました。タイの蟻は、高野豆腐が好物なのかもしれません。

  高野豆腐自体が、スポンジ状で煮汁をしっかり含むので、できるだけ美味しいだし汁でじっくり味を含ませるように料理してください。今回の「玉子とじ」という料理も卵が周りの美味しい煮汁をたっぷり含んだ状態で仕上がっています。混ぜ御飯大好きの私は、温かい御飯の上に高野豆腐の玉子とじをたっぷり乗せて、ハフハフいいながら、ほおばりたいものです。

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このコラムの担当者

タイ語の話せる日本料理のおとうちゃん
小谷良孝

辻調の御言持(みことも)ち
重松麻希

このコラムのレシピ

高野豆腐卵とじ

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