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【日本料理一年生】 49時間目 沢煮汁
2014年02月12日

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<【日本料理一年生】ってどんなコラム?>

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●沢煮汁●

 今回は沢煮汁(さわにじる)についてお話します。まず、「沢煮(さわに)」についてですが、本校で「沢煮」とは、煮物の種類のひとつとし、「ごく新鮮な魚介類などを用い、たくさんの野菜などを取り合わせ、たっぷりの煮汁で煮たもので、材料は淡白でうまみを持つものを使い、材料の持ち味を生かすため薄味に仕上げる。」と考えています。「沢煮汁」は、これを汁物にするわけですから、淡白でうまみを持った材料を使い、野菜をたくさん加えた汁ということになります。つまり、「沢煮汁」は、たくさんの材料を用いた汁物なのです。
 私が本校に入学した頃の実習メニューにも「沢煮汁」がありました。うまみを出す材料として、現在はベーコンを使いますが、当時は豚の背脂を使っていました。豚の背脂をマッチ棒大に切り、塩をまぶして使うのです。学生のときには、「これはどうやって作るのかなあ?」と思っていたのですが、本校に入職1年目、この実習の材料当番になり、そのなぞが解けました。

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 実は、実習の前々日から仕込まなくてはならないのです。豚の背脂は、かたまりで入荷するので5~6㎝幅に切り、冷凍室に2~3時間入れておくと半冷凍状態になります。これを3mm厚さにへぎます。半冷凍で作業すると、豚の背脂が固定され、仕事がしやすくなります。
 余談ですが、海外では、日本のように牛肉や豚肉が薄切りで売られていることは少なく、すき焼きやしゃぶしゃぶ用の肉は、自分で薄く切らなくてはなりません。こういう時は、肉を半冷凍させて切ると、肉が固定でき、簡単に薄切りができます。
 話を背脂に戻しましょう。3mm厚さにへいだ豚の背脂を、今度は3mm幅に切り、マッチ棒の大きさにします。これにたっぷりの塩をまぶし、2日間寝かせて使うのです。さらに、昔は、豚の背脂だけではうまみが少ないのか、だし汁も鶏がらで取ったものを使っていました。色とりどりのたっぷりの野菜類も、すべてマッチ棒大に切りそろえるのは、現在も同じです。
 そして、吸口(すいくち=吸物の香り)には祝い粉(いわいこ)と呼ばれる胡椒を使います。日本料理で胡椒を使うことは少ないのですが、豚の背脂やベーコンには、やはり胡椒が合います。また、たっぷりの野菜の甘味を引き締めるのには、ピリッとした胡椒の刺激がぴったりです。
 日本料理では、お祝いごとに供する椀物の吸口として、胡椒を使うときは「祝い粉」とか「祝いの粉」と称します。おそらく、発音が同じ「故障」を避けてのことでしょう。

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このコラムの担当者

タイ語の話せる日本料理のおとうちゃん
小谷良孝

辻調の御言持(みことも)ち
重松麻希

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沢煮汁

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