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【ラ・ミーア・マンマ・イターリア!!】辻釣理師、こだわり魚料理!トスカーナの港町『リヴォルノ』と『カッチュッコ』

02<西洋>ラ・ミーア・マンマ!イターリア!!

2011.02.25

トスカーナ州の西側、リグーリア海を望む人口14万人程の小さな港町。ここリヴォルノに行くと是非食べておきたい名物魚介料理がある。名前を『カッチュッコCacciucco』。今回はこのカッチュッコについてお話したい。
 


(左)リヴォルノ駅
(右)リヴォルノ漁港

どういった料理なのか一言で言うと魚介類のスープにあたる。つまり魚のごった煮だ。カッチュッコは主にヴィアレッジョからリヴォルノといった、トスカーナの海沿いで食べられている。元々は漁師料理で、その日に揚がった売り物にならないような魚をまとめて鍋に入れて煮込んだのがこの料理の始まりで、語源は、『小物、雑魚』と言う意味のトルコ語にあたる。レストランで高額な料金を支払って提供されるような高級料理ではないが、個人的にはこのような家庭的で、尚且つ豪快な料理を非常に好む。作っていて楽しくて仕方がなく、非常に作りがいを感じる。そういった理由で今回取り上げるに至った。素朴な料理であるが一番落ち着いて、美味しく食べられると思う。私が庶民である証拠だ。
 


地元のサッカーバーならぬサッカートラットリア 『da 11(ダ・ウンディチ)』
 


(左)魚介主体のアンティパストミスト
(右)リヴォルノ風カッチュッコ

 最近では日本にも除々に浸透しつつあり、『イタリア海鮮鍋』などと謳って提供する店も見かけるようになった。ではリヴォルノ風カッチュッコと名がつくと、どのような料理になるのだろうか? 赤唐辛子をきかせたトマトベースの魚介の煮込みに、その名が付けられることが多いようだ。使用する魚は様々であるが、基本的に煮込んで美味しく、くせの少ないものであれば大体何でも大丈夫だ。例えばヒメジ、アンコウ、コチ、イトヨリ、ガシラ、まとう鯛、タラ、イカ、タコ、貝類、海老...。元々はアナゴ、ウツボやサメなども入っていて、赤ワインで煮込んでいたようだが、近年、日本では白ワインを使った食べやすい味つけ、軽い火通しで提供されることも多い。家庭では手に入る好みの魚介を沢山使って、オリジナルのカッチュッコに挑戦して頂きたい。魚介を豊富に加える事により、それぞれから良い味がスープに移り、元々は素朴であった煮込みが、実に深みのある美味しい料理に仕上がる。今回、実際に作って味をみた時に、そう痛感した。是非、できるだけ沢山の種類の魚介を使って頂きたい。
 


市場の風景

ヴィアレッジョやルッカといったリヴォルノ以外の地域では、『カチュッコCaciucco』という場合もある。カッチュッコCacciuccoとは『c』の数に違いがある。これもリヴォルノ人のこだわりのようで、『Cacciucco con 5 C (5つのCのカッチュッコ)』などとわざわざ書かれていることもある。『c』の数に合わせて5種類以上の魚介を使うとよい、などとも言われているとか・・・!?
さて、カッチュッコには欠かせない、相性抜群のガーリックトーストは、今回は別皿で添えた。本来であればガーリックトーストは器に敷き、上から魚介とスープをかけて一緒に食べられているが、この方法では1人前のボリュームがどうしても多くなるため、レストラン等では別皿で添えて提供されることも多い。これも状況に応じて使い分けると良いだろう。
 


海岸風景全般

家庭で、しばしリヴォルノの港を思い描き、『リヴォルノ風カッチュッコ』を食して頂きたい。
 

BUON APPETITO !!

担当者情報

このコラムの担当者

ミスター二等兵
阿部 浩喜

このコラムのレシピ

リヴォルノ風カッチュッコ