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【ラ・ミーア・マンマ!イターリア!!】シチリア発「モツバーガー」
2012年10月26日

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<【ラ・ミーア・マンマ!イターリア!!】ってどんなコラム?>

 

今回ご紹介するのは皆さんよくご存知「モ○バーガー」! いやいや、「モ○」じゃないですよ「モツ」です。イタリアの最南端の島、シチリアに古くからあるモツ(内臓)を使ったファストフードです。
ヨーロッパの中でもシチリアは沢山の国や民族から支配されてきた歴史があるところ。イタリアはもとよりアラブやアフリカの影響を大きく受け、イタリアでありながら、一般的なイタリアのイメージとは少し変わった文化が魅力のひとつで、食文化にも異国情緒が色濃く残っています。
そのシチリアの州都はパレルモ。ここにかなりマニアックで飛びきり美味しいモツバーガーがあります。使われている材料は非常にシンプル。内臓、パン、チーズ。お好みでレモンを添えてって感じです。内臓は主に脾臓(日本ではチレといいます)が使われます。肺を入れるところもあるのだとか。牛や子牛の脾臓を使う店もあれば、豚のものを使うお店もあったりと、店ごとに微妙にテイストが違っていて、これもまたおもしろい。家畜を余すところなく食すというのも、やはり狩猟民族のヨーロッパですね。
イタリア語で脾臓のことを「ミルツァmilza」と言います。ちなみにシチリア方言では「メウサmeusa」。


子牛の脾臓(ミルツァ)
子牛の脾臓(ミルツァ)
脾臓とは古くなった赤血球の処理したり,リンパ球を作って免疫機能を高めたり、血液を溜め込んだりしている…らしい(汗)
難しいことはよーわかりません。

 

 

調理法はいたってシンプル。下ゆでしたミルツァを薄切りにして、たっぷりのラードでコンフィにしていきます。切り込みを入れたバンズにラードしたたるミルツァをこれでもかというくらい挟んでその上にカチョカバッロやリコッタをのせます。黒こしょうを利かせてこれで完成!! 「パニーノ・コン・ミルツァPanino con milza」になります。こちらもシチリア方言だと「パーネ・カ・メウサPane ca’ meusa」。
レモンを添えてブオナッペティートBuon appetito!! 冷えるとラードが固まってくるので、熱々にかぶりつくのが鉄則です。

 
ミルツァをバンズにはさむシニョール ラードの海でグツグツ煮られるミルツァ
(左)ミルツァをバンズにはさむシニョール
(右)ラードの海でグツグツ煮られるミルツァ

 

街中の道端で屋台を出す店も見かけますが、有名なお店のひとつとして1834年創業の老舗「アンティーカ・フォカッチェリーア・サン・フランチェスコAntica Focacceria San Francesco」という店があります。ガイドブックにもたびたび登場しますが、地元民も足しげく通う名店です。パニーノ・コン・ミルツァの他にも定番の前菜やアランチーニなども並んでいます。

 

屋台のパニーノ・コン・ミルツァ売り アンティーカ・フォカッチェリーア・サン・フランチェスコ
(左)屋台のパニーノ・コン・ミルツァ売り
(右)アンティーカ・フォカッチェリーア・サン・フランチェスコ

 
シチリアの定番お惣菜とパニーニが並ぶ メニューにはシチリア方言の表記が目立つ
(左)シチリアの定番お惣菜とパニーニが並ぶ
(右)メニューにはシチリア方言の表記が目立つ

 

創業当初は3種類しか出していなかったそうで、そのうちのひとつが「フォカッチャ・スキエッタFocaccia Schietta」で「スキエッタ」とはシチリア方言で「未婚の女性」のことで、清らかな花嫁衣裳を連想させる白さからついた名前だそうです。そう、ミルツァは入ってなかったんです。カチョカヴァッロ、リコッタ、ラード、こしょうだけのパニーニだったそうです。それに対し、今出されているミルツァ入りのパニーニは黒っぽい印象で、「フォカッチャ・マリタータFocaccia Maritata」と名づけられていました。「マリタータ」とはシチリア方言で「既婚女性」のことだそうです。
実はこの店、ファストフードを出しながら、イタリアスローフード協会の加盟店です。ややこしっ(汗) パレルモの海岸で食べたここのパーネ・コン・ミルツァが忘れられずに試行錯誤しながらチャレンジ。シンプルな料理ほど再現が難しいもんです。

 

まず、新鮮な脾臓が絶対条件。日にちが経ったものは悪いにおいが広がってしまいます。
次にバンズです。ゴマがついていることが条件のようです。そして全体がやわらか過ぎず、少し乾いてるやんっ!!っていうようなイタリアのあのカンジがポイントです。この乾いたパンが、しっかりとラードまみれのミルツァを包み込んでくれます。シチリア語でゴマつきパンのことを「ヴァステッデVastedde」もしくは「グアステッデGuastedde」と言います。直訳すると「パンを平らにする」とか「かさを減らす」という意味があるそうです。シチリアの場所によっては「パニーノ・コン ミルツァ」を「ヴァステッデ」と呼ぶところもあるようです。
最後は味の要素を大きく左右するチーズです。主にカチョカヴァッロというチーズが使われますが、シチリアのものはしっかりと水分の抜けた辛口タイプが一般的です。もうひとつのチーズ、リコッタも羊乳の新鮮なものが不可欠。
添えられるレモンもシチリアは特産です。こってりしたミルツァにさわやかな酸味と香りを添えてくれます。
 

大鍋のミルツァの横にはバンズ、チーズ、レモンが パーネ・コン・ミルツァを片手に家族団らん
(左)大鍋のミルツァの横にはバンズ、チーズ、レモンが
(右)パーネ・コン・ミルツァを片手に家族団らん


今回は日本のスーパーマーケットでもそろう材料で家庭向け「パニーノ・コン・ミルツァ風バーガー」もご紹介します。お好みのモツで自由にアレンジするのも新しい発見があるかも。シンプル・イズ・ベストと呼ぶにふさわしいシチリアの「モツバーガー」を口いっぱいにほおばってください。
   

カチョカヴァッロをかけたもの リコッタを下に敷いたもの
(左)カチョカヴァッロをかけたもの
(右)リコッタを下に敷いたもの 

このコラムの担当者

菊富 友一

このコラムのレシピ

パニーノ・コン・ミルツァ
パニーノ・コン・ミルツァ風バーガー

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