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【怖くない、怖くないインターナショナルクッキング】メキシコ料理、三大食材とは?

03<西洋>怖くない、怖くないインターナショナルクッキング

2010.02.24

<【怖くない、怖くないインターナショナルクッキング】ってどんなコラム?>

 

 まずは主食となるトウモロコシ。これは乾燥させて保存し、必要な時に水に浸して柔らかくし、すり潰してマサ(Masa)になります。これを薄く丸くのばして焼いたものがトルティージャ(Tortilla)となり、メキシコ人にとって最も重要な食べ物の一つになります。

ケサディージャ
ケサディージャ

さらにマサを楕円形にのばして、チーズや他の具材をのせて半分に折り重ね、焼いたり揚げたりしたものがケサディージャ(Quesadilla)となります。この他にもマサに好みの具材を詰めてトウモロコシの皮で包んで蒸したタマレス(Tamales)など、トウモロコシはマサという形に姿を変え、メキシコ料理の主食という地位を確立しています。

 次にメキシコ料理を作る上で欠かせないのが唐辛子=チレの存在です。形や色、大きさ、風味などさまざまで、激辛のものからほとんど辛味の無いものまで含めると世界中には500種以上あると言われています。唐辛子にとって辛さは大きな要素になりますが、それと共にそれぞれの持ち味が重要になります。ほのかな苦味や甘味、それに旨味やコクのあるものなど、唐辛子はメキシコ料理において塩と同じくらい味の決め手となる調味料として大切に扱われています。

 3つ目の食材として重要なのがインゲン豆です。肉類とは違って繊維質が多く、高たんぱく質です。メキシコ料理における豆料理を2つ紹介しておきましょう。

フリホレス・デ・ラ・オージャ
フリホレス・デ・ラ・オージャ

 1つ目として、「インゲン豆の煮込み」フリホレス・デ・ラ・オージャ(Frijoles de la Olla)です。インゲン豆は洗ってからたっぷりの水に一晩浸けておきます。大鍋に豆と水、薄切りの玉ねぎ、ラード(またはベーコンの焼き脂)を入れ、中火にかけます。豆が充分柔らかくなるまで1時間半から2時間煮込み、シラントロ(香菜[シャンツァイ])と塩とチリを加え、さらに20分間煮ます。玉ねぎとシラントロとチリを取り除いて味を調えます。ポイントは塩を加えるタイミングです。豆が潰れるくらいに柔らかくなってから加えてください。ラ・オージャ(la Olla)とは陶製の鍋のことで、今は圧力鍋を使う方がより調理時間を短縮出来るでしょう。

フリホレス・レフリトス
フリホレス・レフリトス

 次に「インゲン豆のピューレ」フリホレス・レフリトス(Frijoles Refritos)です。フライパンにサラダ油またはラードを熱し、粗切りの玉ねぎを加えます。時々混ぜながら色づいて柔らかくなるまで5分ほどソテーします。玉ねぎを取り除き、半量の豆の煮込みを煮汁と一緒に加え、ポテトマッシャーでつきつぶします。徐々に残りの豆の煮込みと煮汁も加え、粗いピューレ状になるまでつぶします。中火強の火加減にし、木杓子でかき混ぜながら豆が乾いたようになるまで3~5分間煮詰めれば出来上がりです。温めた皿に盛り、好みでチーズをふりかけます。昔はラードで炒めていましたが、現在ではカロリーを押さえるためにサラダ油が使われています。味の面から考えると、サラダ油とバター半々で使用するのが美味しいですね。どちらの豆料理もそのまま食したり、トルティージャで巻いたり、あるいは他の料理の付け合わせとして添えられることが多いです。

 今回の料理は、シンクロニサーダ(Sincronizadas)です。フラワー・トルティージャ2枚の間にチーズやピーマン、マッシュルーム、ソーセージなどをはさんで焼き上げたホットサンドイッチのような料理です。シンクロという名の通り2枚のトルティージャの大きさをぴったりと合わせることがポイントです。

 

<コラムの担当者>
スパイスの魔術師 三木敏彦

<このコラムのレシピ>
シンクロニサーダ

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