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食のコラム&レシピ

【それゆけ!じゃぱに~ずクッキング♪】 干物で日本料理(さより)

05<日本>それゆけ!じゃぱに~ずクッキング♪

2015.05.13

<【それゆけ!じゃぱに~ずクッキング♪】ってどんなコラム?>

●サヨリのような人●

 今年度の「それゆけ!じゃぱに~ずクッキング♪」は「魚の干物」をテーマにします。干物といえば焼いて食べるのが一般的ですが、一工夫することで目先の変わった料理にもできます。最初に登場するのは「サヨリの干物」です。
 さて、そのサヨリですが、細魚または針魚と書いて「サヨリ」と読みます。この呼び名とは別に「閂(かんぬき)」と呼ぶこともあります。量販店や魚屋さんでご覧になったことかある方も多いでしょう。白身魚で、刺身や昆布締め、天ぷらなど幅広く使える魚です。

 この魚の特徴は、名前が示す通り、体形は細長く、下あごが針のように長く伸びています。見た目はキラキラ光っていて、とてもきれいな魚ですが、ちょっと気持ち悪い一面があります。
 それは何かというと、「サヨリヤドリムシ」という寄生虫がエラにいるのです。すべてのサヨリに寄生しているわけではないのですが、かなりの頻度で目にします。初めて見たときは体中に鳥肌が立ちました。寄生虫としては大きい方なので、取り除いてしまえば人体には影響がなく、心配はいりません。この寄生虫によく似たものに「鯛之福玉」というのもいるらしいです。こちらは鯛に寄生するといわれています。ただ、自分は未だかつて鯛之福玉は見たことがありません。



  さてサヨリの特徴として忘れてはならないのが、腹黒いということです。魚の下処理をするとき、お腹を開いて内臓を取り出すと、見事に真っ黒です。外観の見た目は細くてキラキラ光ってきれいなのに、腹は真っ黒!見た目と裏腹とはこのことではないかと思います。
 ではなぜ?腹が黒いのか?諸説あるとは思いますが、一般的には自分の身を守るためではないかといわれます。身を守る?天敵でもいるの?何のために?いろいろ疑問が浮かびますが、実は紫外線から守るためらしいのです。
 もしお腹が黒くなければ、細くて身が薄く、特に内臓の部分の身が薄いので、光を通しやすくなり、内臓が紫外線でやられてしまうかららしいのです。そのため海面近くを泳ぐサヨリは内臓を紫外線から守るために腹が黒くなったという説があります。
 何とも神秘的な進化を遂げているのに、「腹黒い人」という意味で「サヨリのような人」ということがあります。自分も含め、皆さんも「サヨリのような人」と陰でいわれないようにしましょう。 (^_^;)

 こんなサヨリが、どのような料理になるのか楽しみです。成田先生よろしくお願いします。

担当者情報

このコラムの担当者

なにわのB級グルメ!粉もん大好き! 橋本宣勝
辻調の御言持(みことも)ち 重松麻希

このコラムのレシピ

さよりの一夜干し
さよりと菜の花のお浸し

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