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【百人一首と和菓子】夕なぎ
2014年05月30日

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<【百人一首と和菓子】ってどんなコラム?>

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お菓子について
待ち合わせ時間になっても相手が来ない。
送信したメールに返事がこない。
何かあったのではと心配になる......。
今回の歌は、いくら待っても来ない人を待ち続けている、女性の想いを詠んでいます。

「待つ」いうことは辛く、苦しいことです。何も進んでないように感じられます。だけど、「待つ」というのも立派な行動のひとつではないでしょうか。あなたならどのような気持ちで待ち続けますか?

「夕なぎ」とは、夕方に風がなくなり、波が静かになることです。
今回は、
味甚羹をオレンジ色に染めて 「夕空」 を
薯蕷羹を薄い水色に染めて 「海辺」 を
錦玉羹を水色に染めて 「穏やかな波」 を
粉糖と氷餅で 「藻塩を焼く煙」 を  それぞれ表現しています。

豆辞典
97 権中納言定家(ごんちゅうなごんさだいえ)
 「権中納言」は役職名で、本名は藤原定家。「定家」は「さだいえ」や「ていか」と読まれます。1162に生まれ、1241年に亡くなりました。『百人一首』を選んだとされる人物で、『新古今集』が作られた鎌倉時代初期の代表的な歌人です。
 父親は83番の歌の作者で、藤原俊成(しゅんぜい)といいます。俊成や定家は、宮中の和歌の指導者でもありました。
 定家は歌人というだけでなく、古典学者としても偉大な存在です。定家がいなかったら、紫式部の『源氏物語』も今のような形では読めなかったかもしれません。

 さて、歌の方ですが、
いくら待っても来ない恋人を待つ私は、あの松帆の浦の夕なぎの海辺で焼く藻塩のように、身は恋焦がれています。

 というような意味です。 
 作者は男性ですが、女性の気持ちになって作った歌です。今でも、男性の作詞家が女性の立場で作る歌はありますね。それと同じです。
 「来ぬ人を待つ」のは、いくら待っても来ない人を待つという意味です。「松帆の浦」は淡路島の北端の海岸で、帆船が風待ちをする場所であり、歌枕(うたまくら=歌によく詠まれる場所)です。「夕なぎ」は、夕方の海岸で、海からの風が陸からの風に変わるとき、風がなくなる状態のこと。
 夏の夕方、風のない海岸では、じりじりと藻塩が焼かれている。風がないので、蒸し暑い。そんな中、いくら待っても来ない恋人を待ち焦がれて、じりじりと悩み苦しんでいる女性がいる。
 今とは恋愛事情が異なり、当時の女性達は、自分から行動を起こすことができず、ただ待つだけの身でした。しかし、この歌の心情は今の私達の気持ちにも通じるところがあります。

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このコラムの担当者

いつも陽気な和菓子職人
今成 宏

辻調の御言持(みことも)ち
重松麻希

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