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『落語食堂 らくしょく』開店!(35日目)

新聞
落語食堂

2015.03.03

毎日新聞夕刊(関西版)3/3(火)号に掲載されている『落語食堂 らくしょく』!
今回のお噺は、「猫の忠信」。

美人の師匠を目当てに稽古屋へ通う次郎吉が
師匠と常吉が「いい仲」だと知り憤慨するが、
実はこの常吉の正体は・・・という狐狸妖怪のお噺。

お噺に登場する「ぬくい造り」からイメージして
料理を作ったのは、日本料理の若林聡子先生





開口一番に「今回の料理は難しかった~」と若林先生。

「"ぬくい造り"をなんとか爽やかに食べる方法はないか、
気持ちよく食べていただく方法を考えに考えました。」


今回は石焼きです。





「あまり焼くと熱くなるのでちょっと焼いて、
香りが立ったくらいで食べてください。」

まずはエアーで若林先生のデモンストレーション。





そして。

若林先生「どうですか?」

吉坊さん「う~ん、エロい(笑)貝の甘味が増しますね。」





今回のお噺をご存じの方はおわかりかと思いますが、
常吉に化けた猫が、美人のお師匠さんに口移しで
刺身を食べさせるシーンがあるんです。
想像するとちょっと気持ち悪いですが。。。

「夢に出てきそうです(苦笑)」
と言いながら、舌の形に似た"鳥貝"を石焼きにチョイスする若林先生。
プロですね!

「これは、嫉妬"焼きもち"とかかってるのかな」
と吉坊さんもお見事!!

「冷めても美味しいとは言いますけど
ぬるくても美味しい料理ってなかなか言いませんね。」
と、自ら焼きながら食べる料理に吉坊さんは楽しそう。

今回、石焼きにして食べた大阪湾で取れた鳥貝は
こんなに大きな貝なんです。





鳥貝は、貝殻から鳥のくちばしのような形で
出てくることから"鳥貝"と呼ばれているんですね。





続いて、海老の押しずし。





「千本桜をイメージして作りました。」

今回のお噺は「義経千本桜」のパロディなので、
元のお芝居がわかると、なお楽しめるそう。

上に乗っているのは、若林先生の前回のレシピにも登場した
"とびあら海老"をそぼろにしたもの。





これ、自然の色なんですって!
何とも春らしい、とってもキレイなお寿司ですね。

家庭でよく作られるというお寿司なんですが、
見た目も味も絶品!

そして、食べ終わった後も楽しめるようにと粋な演出が。





ばらんの飾り切りです。
吉坊さんのばらんには鶴が。

他にもこんな飾り切りを披露してくれました。





最後は、デザートの氷のようかん。





今回のお噺は猫が人間に化けます。

「狐狸妖怪(こりようかい)」
 ↓
「氷のようかん」

ということで、何とか氷のようかんを表現しようと
若林先生は寝る間も惜しんで知恵を絞りました。

そして完成したのが「若林オリジナル氷ようかん!」。





水ようかんに浮いているものに注目してください。

これは「蘇(そ)」と呼ばれる食べもので、
食感がシャリシャリしていることから氷に見立てたとか。

本当にすごいアイデアですね。





吉坊さん、シャリシャリを体感中。


皆さん「蘇」はご存じでしょうか。

シンプルに牛乳を煮詰めて作る、奈良時代のチーズです。
万葉の味とも言われ、超高級食材とされていました。





今回は市販で売られている「飛鳥の蘇」と、
助手を務めてくれた音部先生作の「蘇」を使用。





音部先生は、手作りで「蘇」を再現してくれました。
なんて勉強熱心な先生でしょう!

ほんのり甘くて、コクがあって、
水ようかんとの相性もバッチリ!本当に美味でした。

これ、お店で売れます!絶対に。


「ぬくい造りと狐狸妖怪がこんな風に化けるなんて」
という吉坊さんの傍らで、してやったりの若林先生。

若林先生の閃きと素晴らしいアイデアは、
楽しく、みんなを驚かせてくれました。





「まあ、せっかくなんで」と若林先生、
「完全にダメな大人やなぁ」と言いながら
すかさず器を差し出す吉坊さん。

今回も落語と料理の高次元なコラボ、
楽しい時間でした。

今回のレシピはこちら