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中国料理TOPへ好吃(ハオチー)!中国料理! コラム一覧へ
連載コラム 好吃(ハオチー)!中国料理!
北京料理、上海料理、四川料理、広東料理、点心と5つのジャンルを、それぞれ担当の厨師(料理人)、点心師(点心専門家)が、中国での体験を交えながら料理の作り方とそれにまつわる話を紹介します。まずは、基本的な料理から始めましょう。
煎り焼き饅頭
生煎饅頭


煎り焼き饅頭

   
   杭州からの激しかったバス旅行(『ゆで鶏の前菜 辛味ごまソースがけ』コラム参照)でしたが、無事に上海に到着しました。まずは豫園へと向かいます。バスを降りるまでが、またひと騒動です。生憎の雨、するとバスから降りてくる観光客に傘を売りに来る一団が群がってきました。観光客が傘を持っていないと見るや否や、バスの降り口を完全に塞ぐように何十人もの売り子が我先にと押し寄せてくるのです。非常に危なくて、簡単に降りることができません。明らかに中古と思える傘を一本10元(160円)で売りつけてきます。「傘を手に取ってからお金を払わないとだめです。」とガイドさんが注意を促しています。私は折り畳み傘を持っていたので何とかなったのですが、全員がバスから降りるのにかなりの時間を費やしました。ここで油断をしてはいけません。豫園までの道々では、今度は時計、財布などのブランド品のコピーで商売です。彼らを巧みにかわしながらやっと目的地に辿り着きました。これらを取り締まるのはかなり難しいそうです。
   豫園は雨にもかかわらず観光客で溢れていました。4年振りに訪れたのですが、
南翔饅頭店(ただいま工事中)
南翔饅頭店(ただいま工事中)
また変化していました。小籠包で有名な南翔饅頭店へ急ぎます。外壁の補修工事中のため、踏み板が架設してありましたが、営業はされていて、今回も行列のできる店そのものでした。高級店舗の三階に行き、待つこと20分。点心のみを選んだので待ち時間は短い方でした?多分。室内は古き中国のシックで落ち着いた雰囲気、西洋人観光客が自然に溶け合っています。相席で詰めて座り、誰かの大きな話し声。オールド上海のムードに浸りきれません。
   さて注文をと「南翔饅頭店 菜単」と書かれたメニューを開けます。三国時代の昔、当時の習慣として祈願をする時に、人を殺して生贄としたのですが、諸葛孔明が人を犠牲にするのは忍びないと小麦粉の生地に羊や豚肉を包み、人の頭のような「饅頭」を作り、遠征の無事を祈ったという、有名な逸話があります。千八百年の時を経て、今の中国では、餡や具の入っていないものを饅頭(マントウ)、入っているものを包子(パオズ)と使い分けるようになったのですが、上海辺りでは今でも具入りのものも饅頭と呼んだりしています。それで、小籠包、小籠饅頭と呼び名が二つあるのです。
湯包。赤いラベルに「火傷に注意」と書いてある。
湯包。赤いラベルに
「小心燙口」の文字が
かいてある。
   現代に戻り、蟹黄白玉巻(蟹みそ入り春巻き)、金腿小粽子(金華ハム入りミニちまき)、蟹黄小籠(蟹みそ入り小籠)、浄素菜包(野菜饅頭)などを早速注文しました。スープを飲むのが主という湯包も。ストローが突き刺さっていて、気をつけないと明らかに口の中は火傷状態です。「小心燙口(口を火傷しないように気をつけて)」の赤いラベルが目に入らなかった?味は満足でしたが、スープを飲むだけという感じで、皮はかなり厚くできていました。東京のお店に比べると軽く、あっさりした味でした。3人で食べて合計170元(2720円)。安いような、中国では少し高いような。

クローバーの炒め物   タウナギの炒め物
クローバーの炒め物   タウナギの炒め物

    少しはお腹にきていたのですが、もう一軒行くぞと気分は昂揚、職員3人一致団結して緑波廊へと向かいます。タイミングよく待たずに入れ、ここも雰囲気はなかなかです。南翔で食べた分、少し勢いが落ちるのは仕方ないでしょうか。からし菜と春タケノコの炒め物20元(320円)、クローバーの炒め物20元(320円)、タウナギの炒め物30元(480円)、眉毛形のパイ3元(48円)。何といっても野菜がおいしいのです。
   集合時間になりました。もっと居たいところですが、団体行動です。
蔬菜店(青梗菜、白菜、黄ニラなど)
蔬菜店(青梗菜、白菜、黄ニラなど)
未練を残しつつ、市場見学へとバスで移動開始。普通の観光ツアーでは町の市場など見学しないのですが、そこは調理師学校の研修ツアーです。市場に到着。生徒を先に降ろし、我々も下車です。さぁ、説明をと思ったのですが、肝心の生徒たちが市場の中には数名しかおらず、散り散りばらばら、周囲の店で食べ物や飲み物を買って楽しんでいました。職員はやはり市場見学。中は清潔で、野菜や肉が整然と並んでいて一昔前と比べると隔世の感があります。鶏が生きたまま売られているのは、中国ならではです。黒クワイが売られていました。生の黒クワイは梨のようにサクサクして甘くておいしいのです。
肉屋(部位に分けてカットされた豚肉)
肉屋(部位に分けてカットされた豚肉)
   おゃ、可愛い小姐から皮をむいた黒クワイを手渡されて食べている日本人がいるのですが……小阪先生。
   今回は小籠包に負けない、上海の美味しい点心、生煎饅頭(煎り焼き饅頭)の作り方を紹介します。
 

このコラムのレシピ

コラム担当

レシピ 煎り焼き饅頭

迷料理人 湖南(コナン)
人物 谷康行
中文之星
人物 福冨奈津子
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