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中国料理TOPへ好吃(ハオチー)!中国料理! コラム一覧へ
連載コラム 好吃(ハオチー)!中国料理!
北京料理、上海料理、四川料理、広東料理、点心と5つのジャンルを、それぞれ担当の厨師(料理人)、点心師(点心専門家)が、中国での体験を交えながら料理の作り方とそれにまつわる話を紹介します。まずは、基本的な料理から始めましょう。
山椒と唐辛子入りのシュウマイ
魚子麻辣焼売


山椒と唐辛子入りのシュウマイ

   
広東省・深セン市の飲食ミニ情報
   今年の10月、香港を経由して広東省深セン市に行った。そこで今回は香港に隣接する深センの飲食事情について少し話してみたい。

■深セン市の飲食事情
   まず、深セン市の概要を簡単に述べながら街を探ってみる。深センは中国の経済政策の一環で1980年に経済特区になり、現在は香港、上海に次ぐ経済都市として発展し、人口は約700万人。市内の主要な地域は東西に広がり、東部の羅湖区は最も古いエリアといわれ、香港からの窓口である羅湖駅を中心にホテル、商場などが賑わう。現在、政治経済の中心部は福田区で、香港と同様に高層ビルが林立し、西部の地域は深センのベッドタウンであり、南山区は高級住宅地として知られている。
広東料理店内に展示している料理サンプル。高級食材のフカヒレ、海ツバメの巣などが並ぶ。
広東料理店内に展示している
料理サンプル。高級食材のフカヒレ、
海ツバメの巣などが並ぶ。
   近年、深センは他省からの移入者が多く、以前にも増して四川、湖南料理店のほか、東北地方などの料理店、小吃店が少なくない。台北の「鼎泰豊」、紹興の「咸亨酒店」など有名店の看板も見かける。また、広東料理店は海鮮料理を中心に、フカヒレ、干しアワビなどの高級食材を売り物にする大型店の展開が著しく、飲茶から宴会まで人気を博しているのも特徴といえる。それと後述するが、市内各地には日本料理店が目立って増えてきた。


■高級中華の人気店「丹桂軒」
   中国料理では「丹桂軒」が印象に残った。丹桂軒は、市内に7店舗(広州、上海、マカオにも店がある)あり、そのひとつ南山区の華僑城店に案内された。店内はおよそ100席、テラス席には白木のテーブルが20ほどある。秋晴れに誘われ、テラスに出て昼食をとる。
   メニューは広東料理がメインで、燉湯や粤潮焼滷味(広東、潮州の焼き物、煮物)、ポウ仔小菜(小鍋料理)などのほか、家常風味(日常の味)の料理が目に付く。朝の8時から夕方5時までは「飲茶」タイムになっていて、点心、粥、腸粉(米の粉クレープ)、甜品などが80品ほど、それに午前10時になると小食、炒飯、麺、米粉(ビーフン)などの主食もオーダーできるので、全品で120余りのアイテムとなり、大変充実している。
   地元の利用客だけでなく、香港の人たちも広州などの行き帰りに足を運ぶらしい。店内には高級感が漂い、テラス席は人造湖に囲まれ、緑も豊かである。そのロケーションのよさもあって蝦餃が20元(約300円)、小籠包は16.5元(約250円)、上等の腸粉が25元(約380円)などと、価格は市内の高級店よりも、さらに一割ほど高い。
   点心、小食のいずれも秀逸だったが、「<豆支>汁排骨蒸陳村粉(豚アバラ肉のトウチ蒸し入りの陳村粉)」が珍しかった。陳村粉は広東の順徳市で生まれた米の粉で作ったクレープで、地元では「黄但粉」ともいわれる。腸粉よりもコシが強く、しっかりとした歯応えがある。なお、陳村粉を香港で見かけることは、ほとんどない。 

「丹桂軒」華僑城店のテラス。
その周辺は閑静な高級住宅地になっている。
  <豆支>汁排骨蒸陳村粉。陳村粉の食感は粉皮(板ハルサメ)にも似ている。
「丹桂軒」華僑城店のテラス。 その周辺は閑静な高級住宅地になっている。   <豆支>汁排骨蒸陳村粉。陳村粉の食感は粉皮(板ハルサメ)にも似ている。

■「中国厨芸学院」のこと
    深センに新設される「Chef Martin Yan’s Culinary Art Center」を訪れた。このセンターは、香港の「中国厨芸学院有限公司」が運営する料理人の訓練機関で中国料理レストランを併設している。
「Chef Martin Yan’s Culinary Art Center」の外観。左下の写真、中央がマーティン・ヤン氏。
「Chef Martin Yan’s Culinary Art Center」の外観。左下の写真、
中央がマーティン・ヤン氏。
   学院は、香港、台湾、アメリカ、カナダ、オーストラリアなどの華僑たちが出資し、アメリカ在住でTV番組の人気シェフ、マーティン・ヤン氏(中国名は甄文達)がセンターを主宰する。今回は、そのレセプションに招かれたのである。場所は、テーマパークとして有名な「世界之窓」の一角にあり、フランス料理店だった一軒の洋館を買収し、それを改修してセンターにする計画で改装工事が進められていた。
   館内は、一階のエントランスから中に入ると右側に60席ほどのレストランがあり、奥には鉄板焼きコーナーも備えられ、ほかに貴賓室、ワインセラーがある。二階がトレーニングエリアで実習室とデモルームがあり、ここは講義室の設備だけでなく、TV撮影のスタジオとしても使えるという。トレーニングのプログラムは10日間あるいは14日間の短期コースをメインに、調理技術と食文化などが学べるツアーとして国内外から参加者を募るという。なお、道路をはさんで小規模ながら瀟洒なホテルがあり、ここを宿舎として利用できるのは、大きなメリットになるだろう。

■日本料理店の台頭
   広東省に在住する卒業生の城寺賢氏(氏は広州、深セン、東莞で日本料理店を経営)に案内してもらい、
刺身の盛り合わせ(260元=約4000円)。中国人好みのディスプレイ、馬刺しも見える。
刺身の盛り合わせ(260元=約4000円)。
中国人好みのディスプレイ、
馬刺しも見える。
世界最大級の広さを誇るという日本料理店「中森名菜」を訪れた。店名が妙なので聞いてみると、「中森名菜」は日本の歌手、中森明菜(オーナーが熱烈なファンだったとか)に由来する。名菜と明菜は、いずれも中国語でミンツァイと発音するので、これが洒落になっている。なお、名菜とは有名な料理を意味する。
   「中森名菜」は、広州に本店(「中森集団」というグループが2003年に開業)があり、深センはその二号店になる。その規模は2フロアで16,000平方メートル(約5,000坪)もあり、2500人収容、130の個室を備え、何と33メートルの長さの鉄板焼きコーナーまである。城寺氏に聞くと、この店の客層は幅広く、現地の学生、サラリーマンからリッチな人たちまで様々で、前者の単価は、
「中森名菜」深セン店の前で。写真左が城寺氏。
「中森名菜」深セン店の前で。
写真左が城寺氏。
概ね一人当たり50〜80元、後者で150〜200元、会社の接待などでは300元以上、多ければ1000元前後にもなるという。
   夜も遅く、閉店間際だったので客の入りはまばらであったが、店内の広さには圧倒させられた。経済発展の著しい深センとはいえ、中国の地方都市である。そこに想像を超える大きさの日本料理店が存在するのは、非常に不思議な空間といえよう。その背景のひとつに、高級イメージのある日本料理店が地元の人の所得の増加とともに、中国人客のニーズにも合ってきたことが挙げられる。また、人気の高い刺身、寿司、鉄板焼きなどに加え、街中には牛丼屋のほか手打ちの蕎麦屋まで現われた。今後、中国の日本食ブームはますます広がることだろう。

■辛いシュウマイ
   香港に戻る車中で、城寺氏と「丹桂軒」で食べた辛いシュウマイを思い出して笑った。一緒に食事した香港の知人が、何気なく最初に食べて一言も辛いと発しなかったので、我々も気にせず食べたら、「麻辣」の味が広がり、口の中はホットで痺れ、襟足から汗が出た。
   その辛いシュウマイ、魚子麻辣焼売(山椒と唐辛子入りのシュウマイ)を紹介しよう。花椒(四川産の山椒)と唐辛子を省けば、普通のシュウマイとしても作れるので、是非お試しを!
 

このコラムのレシピ

コラム担当

レシピ 山椒と唐辛子入りのシュウマイ

中華の伝道師
人物 松本秀夫
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