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連載コラム 日本料理一年生
辻調の日本料理の先生たちにも、調理師一年生の時代がありました。どんなに教え上手の先生も、一年生の時には分からないことだらけで、失敗もたくさんしたのです。そんな時代を振り返り、「日本料理一年生」のみなさんに、できるだけ分かりやすく、本物の日本料理について解説してみようと思い立ちました。「こんなにおいしいものが自分で作れるのか!」という新しい発見と喜びがきっとあるはずです。
7時間目 野菜をゆでる
子芋とほうれん草のたき合わせ
  7時間目は、野菜を「ゆでる」というお話をします。野菜は「ゆでる」ことで、色が鮮やかになったり、柔らかくなったり、あくが取り除けたりします。ゆでる作業はあくまでも材料の下処理ですが、いろんな場合を考えると中々一度に語れるものではありません。ゆでるのには、塩を使うのが一般的ですが、蓮根やうどなど色を白く仕上げたい時は酢を使ったり、
塩です。塩ゆではいろいろな野菜の下処理になります。
塩です。塩ゆではいろいろな野菜の下処理になります。
ほうれん草は塩ゆですると緑色が鮮やかになります。
ほうれん草は塩ゆですると緑色が鮮やかになります。
塩ゆでしたほうれん草は冷水につけて色止めします。
塩ゆでしたほうれん草は冷水につけて色止めします。
えんどう豆や黒豆などを柔らかくゆでたい時には少量の重曹を使ったりします。 今回若林先生の料理が「子芋とほうれん草のたき合わせ」ですから、ここではほうれん草の下処理である塩ゆでと、子芋の下処理である白水(しろみず)でゆでることについてお話しましょう。
  まず、塩ゆでは、ほとんどの野菜に用いることができます。塩でゆでると繊維の組織が柔らかくなり、薄く塩味をつけられます。緑色の野菜を塩ゆですると、緑の色が鮮やかになりますが、ゆでた後はすぐに水につけて色を安定させます。これを色止めといいます。 せっかく鮮やかな色が出ても、そのままおいておくと色が飛んでしまうからです。日本料理では、酢の物にするきゅうりも色出し(塩ゆで)と色止め(水につけること)をしています。こういう見えない手間をかけているので、日本料理はどうしても価格が高くなるといえるかもしれません。
  話が少しそれましたが、次は白水でゆでることをお話します。白水って何か知っていますか?白い水って……。そう、米の研ぎ汁のことです。「白ご飯」を炊くレシピで、米を研ぐ時の注意点として何があったでしょう?米を洗う時の最初の水は、ぬか臭いので米が吸わないようにできるだけ早く捨てなくてはなりませんでしたね。実は、この最初の水が子芋やたけのこをゆでる時は必要なのです。たけのこやごぼうなどあくの強い野菜を白水でゆでると、あくの成分を吸着させるほか、材料を柔らかくしてくれます。
米の研ぎ汁です。プロは白水といいます。
米の研ぎ汁です。プロは白水といいます。
串が刺さるくらい柔らかくゆでられます。
串が刺さるくらい柔らかくゆでられます。
また大根やかぶら、里芋などをゆでると、身がやせるのを防いだり、色を白く仕上げられたりするといわれます。
  ところで、材料によっては、熱湯でゆでる場合と水からゆでる場合があります。簡単な判別方法は、土から上に生えている青菜類などの野菜は熱湯で、土から下に生えている芋類などの根菜類は水からゆでるのです。だから、ほうれん草は熱湯で、子芋は白水が冷たい状態からゆでます。ただ、根菜類でも霰(あられ)切りやみじん切り、短冊切りや千六本のように、小さく薄く切ったものは熱湯からゆでます。なぜだか分かりますか?そもそも根菜を水からゆでるのは、熱湯でゆでると中まで火が通りにくいからです。小さく切っていると、火は通りやすいでしょう?
  さて、ゆで上がった野菜にそれ以上火が通るのを防いだり、鮮やかになった色を保ったりするためには、冷まさなければなりません。冷まし方も野菜の性質や料理に合わせて、いろいろとあります。先ほど解説した色止めのように水に落とす方法、じんわりと材料の中心まで火を通しながら同時にあくを抜くためそのままゆで汁の中につけておく方法、うまみが流れ出やすい材料や色が飛びにくいものはざるに上げて冷ますおか上げという方法もあります。
  プロの料理人は、どういう材料だから、どう料理したいかということで、ゆで方やゆでた後の冷まし方を自分で考えますが、日本料理一年生のみなさんにはそこまでは難しいでしょう。まずはレシピ通り作ってみてください。だんだんと慣れてきたら、いろいろな経験によって自分で工夫したくなるでしょう。ここまでくれば、料理ほど楽しいものはありませんよ。


調理師一年目の思い出
  学生時代のこと。「今日はだし巻き卵を作ります。」と実習担当の先生が言われ、目の前でお手本を見せてくださいました。「さあやるぞ!」と僕はやる気満々。まずは1回目の生地を鍋に入れて巻きました。お手本通り、すこぶる順調。「よしよしこの調子で!」と、2回目の生地を入れて巻こうと鍋を振り上げたその瞬間!「ボトッ」。無残にも卵の半分がガス台の上に落ちてしまいました。この時はかなりのショックでひどく落ち込みました。でも、その後繰り返し練習し、今では上手く巻けるようになりました。何事もくじけず練習すればできるようになりますよ。

日本料理 H.A.



このコラムのレシピ

コラム担当

レシピ 子芋とほうれん草のたき合わせ

タイ語の話せる日本料理のおとうちゃん
人物 小谷 良孝
  辻調の御言持(みことも)ち
人物 重松 麻希
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