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連載コラム 日本料理一年生
辻調の日本料理の先生たちにも、調理師一年生の時代がありました。どんなに教え上手の先生も、一年生の時には分からないことだらけで、失敗もたくさんしたのです。そんな時代を振り返り、「日本料理一年生」のみなさんに、できるだけ分かりやすく、本物の日本料理について解説してみようと思い立ちました。「こんなにおいしいものが自分で作れるのか!」という新しい発見と喜びがきっとあるはずです。
19時間目 かつお節と昆布の二番だし
かつお節と昆布の二番だし
   「日本料理一年生」の1時限目に「かつお節と昆布の一番だし」を取りましたが覚えていますか?今回は、この一番だしを取った後のかつお節と昆布を使って、もう一度だしを取る「二番だし」についてお話します。
   「かつお節と昆布の一番だし」のレシピを思い出してください。昆布は沸騰直前に取り出し、かつお節は煮立つとすぐに火を止めました。みなさんは、「これで充分に旨味の出ただし汁が取れたのか?」と不思議に思いませんでしたか。もちろん、お吸物などに使う上品で旨味と香りを兼ね備えただし汁は取れています。でも、残ったかつお節や昆布にはもう少し旨味が残っています。それらの旨味を引き出して取るのが、今回お話しする「二番だし」です。
   二番だしは、一番だしで使ったかつお節と昆布に水を加えて火にかけ、煮立てばそのまま水の量が半分くらいになるまでグラグラ煮立てます。昆布もかつお節も煮立てると渋味などの雑味と呼ばれるものが出てきます。だから一番だしは、グラグラ煮立てずに、昆布は沸騰直前に取り出し、かつお節は煮立つとすぐに火を止めました。
   ところが二番だしは、かつお節や昆布を煮立てるので、雑味は含まれてしまい、香りは乏しいのですが、旨味が凝縮されただし汁が取れるわけです。料理屋では、たいていのお店は一番だしと二番だしを取って使い分けています。
   在タイ日本大使公邸で勤務していたころ、「かつお節」と「昆布」は日本から年に一度だけ送られてくる貴重な材料でした。設宴のある前日に鍋に「ポラリス」という現地の瓶詰めのミネラルウォーターに昆布を入れて一晩おきます。当日は、朝からカンナを裏返して木製の箱に固定したかつお節削り器で、「本枯れ節」を削って「削りかつお」にします。本枯れ節は、基本的に10名の設宴で半本しか使えないので、一番だしは吸物用に限定されます。そこで、他の料理用には二番だしを取りました。それでも、だし汁が足りません。一度、「三番だし」までチャレンジしたことがあります。でも、これは「水臭いだし汁」というか、「だし臭いお湯」でしかありませんでした。結局、普通の水よりよいだろうと考えて、顆粒状のだしの素を使いましたが、二度と「三番だし」を取ろうとは思いません。
   話が少しそれましたが、一番だしと二番だしは、どのように使い分けられているのでしょう。一番だしは、何度もいうように充分な香りや旨味を持つだし汁なので、1時間目にご紹介した「かきたま汁」をはじめ、一般には「すまし汁」といわれる「吸物」などの吸地となります。そのままでも充分おいしいので、塩や薄口醤油をほんの少しだけ加えて調味します。その他、一番だしは基本的にどの料理にも使えますが、経済的な問題もあるので、二番だしも使うのです。二番だしは、今回の「きのこご飯」のように、料理が仕上がるまでにだしの風味は飛んでしまうけれども、充分な旨味は欲しい料理に使います。そのほか、野菜類の煮物や味噌汁も二番だしで充分美味しく仕上がります。味噌汁は長時間煮ることはありませんが、味噌を調味料として使うことで、二番だしの雑味より味噌の美味しそうな風味の方が優るため、二番だしの雑味が気にならなくなります。
   今回の「きのこご飯」は、二番だしの旨味に加え、きのこから出るグアニル酸やグルタミン酸で、さらに旨味が加わります。




このコラムのレシピ

コラム担当

レシピ きのこご飯
レシピ 二番だし

タイ語の話せる日本料理のおとうちゃん
人物 小谷 良孝
  辻調の御言持(みことも)ち
人物 重松 麻希
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