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連載コラム 日本料理一年生
辻調の日本料理の先生たちにも、調理師一年生の時代がありました。どんなに教え上手の先生も、一年生の時には分からないことだらけで、失敗もたくさんしたのです。そんな時代を振り返り、「日本料理一年生」のみなさんに、できるだけ分かりやすく、本物の日本料理について解説してみようと思い立ちました。「こんなにおいしいものが自分で作れるのか!」という新しい発見と喜びがきっとあるはずです。
28時間目 卵かけご飯(朝食メニュー1)
28時間目 卵かけご飯(朝食メニュー1)
   今回から5回に分けて朝食に使える料理を紹介します。初回は「卵かけご飯」です。毎回テーマを決めるには、いろんな先生方と相談するのですが、私以外の3人の日本料理の先生(「おいしいネット」の取りまとめ役のH先生、「それゆけ!じゃぱに〜ずクッキング♪」執筆のH先生、テレビの「おしゃべりクッキング」のH先生。なぜかすべてH先生!)は、みんな自分なりの卵かけご飯の作り方とこだわりがありました。
   1. ご飯に卵を直接割り込み、醤油で味つけする。
   2. 卵を別の器で溶きほぐして味つけし、ご飯にかける。
   3. 卵を溶きほぐして味つけし、ご飯を入れる。
   4. ご飯を醤油で味つけし、溶きほぐした卵をかける。
   私も含めて、たった4人でもこんなに違います。みなさんにも、こだわりの作り方があるでしょう。ただ、熱々の炊き立てのご飯と、生みたての新鮮な卵は絶対に必要ですね。ここで、以前私が訪ねた卵かけご飯の専門店を2つご紹介します。
こちらが「食堂かめっち。」さんです。

こちらが「食堂かめっち。」さん
です。

  1つ目は、岡山県美咲町にある「食堂かめっち。」です。明治時代を代表するジャーナリスト岸田吟香(きしだぎんこう)が、「卵かけご飯」を日本に広めたという説がありますが、この人物が美咲町出身だということ、また、西日本最大の養鶏場「美咲ファーム」があることなどで、この町は「卵」を通じたまちづくりをはじめられています。お店のメニューに「黄福定食」というのがあり、これが卵かけご飯のセットです。美咲ファームの「森のたまご」、町内で栽培された「棚田米」のご飯、地元産の「天狗醤油」を使っていて、その他、味噌や漬物がついて\300。器も地元の「桜湖焼き」を使っています。しかも、ご飯と卵はおかわりできます。他に、「黄福オムレツ」、「黄福とじ(=卵とじ)」、「黄福巻き(だし巻き卵)」が各\200です。
   住所 岡山県久米郡美咲町原田(中央総合運動公園内)
   時間 9:00〜17:00(当分の間、無休)
   問い合わせ 0868-66-1118
   美咲町役場 産業観光課(町の第三セクターなので電話は役場に)
   私が訪ねた時は、雨天でしたが駐車スペースはほとんど満車で、店に入るまで約30分待ちました。国道からは「たまごかけごはん」と書かれたのぼりが目印です。ただ「黄福定食」\300を食べるために、自宅からの高速代が片道\5,000くらいかかりましたが……。土日祝祭日、高速代が\1,000なったら一度話の種に訪ねてみてはいかがでしょう。
   もう1つは、兵庫県北部の山中にある「但熊」。
こちらが「但熊」さんです。

こちらが「但熊」さんです。

ここは「卵かけご飯」の専門店です。御主人が営まれている養鶏場で生まれた「クリタマ」という卵と、養鶏場横の田んぼで栽培された米「夢ごごち」のご飯を使って作られるのが卵かけご飯の定食\350です。卵は何個使ってもかまいません。ご飯大盛り+\100、ご飯おかわり\150です。他に、オムレツ\250、プリン\200があります。卵の名前が「クリタマ」というのは、但東町栗尾産の、箸で黄身がつまめる卵という意味だとか。但東町はかなり山中なので、行くならカーナビを使った方がいいでしょう。駐車場には兵庫だけでなく、京都、大阪、奈良ナンバーの車が多くありました。お店に隣接している「百笑館」では、「クリタマ」や「夢ごこち」、但熊で使われている「卵かけご飯専用醤油」などが購入できます。
   住所 兵庫県豊岡市但東町栗尾916
   時間 10:00〜18:00 休業日は12月31日〜1月3日、8月14日
   問い合わせ 0796-55-0901
   今回松島先生は、かつお節をたっぷり使ったかけ醤油にこだわり、溶き卵ををご飯にかける方法と、卵を直接ご飯に割り込む方法を解説してくれました。ここでちょっと、私が調理場で勤務していた頃よく食べていた、早く出来て、早く食べられる「卵かけご飯」を紹介しましょう。熱いご飯に鰻のタレをかけ、生卵を割り込んでよくかき混ぜ、洗い葱をたっぷり散らして出来上がり。ほどよく鰻の旨味のきいたタレと生卵のコクが、コッテリ好きの若い頃の私には、大変なご馳走でした。
   在タイ日本大使の公邸料理人時代の話ですが、当時タイでは歴代の公邸料理人から「生卵は食中毒を起こすので食べないように。」という言い伝えがありました。私がお仕えした木内大使は卵かけご飯が大好きな方でしたが、温泉卵などでご辛抱いただいていました。あるとき、在ケニア日本大使の公邸料理人をしていた義弟が休暇で日本に帰国し、ケニアに戻る際、タイに立ち寄ると連絡がありました。大使夫人にお話しすると「公邸に宿泊されたらどうですか。」とのこと。義弟から私に「お土産は何がいいですか。」と連絡があったので「生卵を持ってきてくれ。」と即答しました。義弟は20個の生卵を1個づつティッシュペーパーに何重にも包んで持ってきてくれました。すぐに大使にお渡しすると、卵かけご飯を所望されました。「いろんな人からお土産をいただいたが、今回の生卵が一番うれしかった。」とおっしゃいました。よほど卵かけご飯が召し上がりたかったのでしょう。現在バンコックでは、日本人の経営する衛生管理の行き届いた養鶏場の卵が週に2度、日本系のスーパーマーケットの店頭に並びますが、お昼には完売しているようです。きっと、卵かけご飯が好きな日本人がバンコックにも多くいるんだと、私なりに理解しています。
   卵かけご飯には個人のこだわりがあり、卵かけご飯だけを紹介する本も販売されています。一度自分の卵かけご飯を見つめ直してみてはいかがですか。


このコラムのレシピ

コラム担当

レシピ 卵かけご飯

タイ語の話せる日本料理のおとうちゃん
人物 小谷 良孝
  辻調の御言持(みことも)ち
人物 重松 麻希
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