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連載コラム にほんの四季便り
春夏秋冬がはっきりした日本では、四季折々の風物詩のなかにも季節のうつろいを感じとることができます。
このコラムでは、日本の四季に関連のある言葉と料理をご紹介し、季節を表すことばの美しさ、奥深さに、改めて目を向けてみたいと思います。
梅雨
梅雨
 梅雨とは、夏至を中心とした前後およそ20日間の雨期をさす。気象学的には日本付近に前線が停滞して雨が降りやすくなるときで、北海道を除く日本、中国の揚子江流域、朝鮮南部特有の気候らしい。梅雨入りは年毎で変動が大きい。
 6月は別名、「水無月(みなづき)」という。長雨が続く頃なのに「水無月」とはなぜ?と思われるだろう。旧暦の6月は、新暦の7〜9月ごろにあたる。この季節は盛夏から夏の終わりくらいなので、ちょうど水不足の季節と重なるからだといわれる。広辞苑には、「古くは清音。『水の月』で、水を田に注ぎ入れる月の意」とある。また、「五月雨(さみだれ)」というのは旧暦の5月頃に降る長雨のことで、つまり「梅雨」のことである。「さ」は「さつき(五月)」の「さ」、「みだれ」は「水垂(みだ)れ」という意味である。
「紫陽花(あじさい)」 さて、梅雨にぴったりの花は、「紫陽花(あじさい)」である。私たちが「紫陽花」の花と呼んでいる部分は、実際には花弁状のガクらしい。この花弁状の4〜5枚のガクは、本来は淡い青紫色だが、土の質や開花後の日数などによって青が濃くなったり、赤が強くなったりする。色とりどりの花が咲いて見えるのは、こういうわけだとか。そして、このガクの中心部に、ほんの小さな可憐な花がついている。花は漢方では解熱作用があるといわれている。また、茎の部分は非常に堅く、木釘や楊枝として使われる。
「雨蛙(あまがえる)」 さらに、梅雨の雨に似合う動物といえば「雨蛙(あまがえる)」が思い浮かぶ。「雨蛙」は体長約3〜4cmで、体色は黄緑や緑、灰褐色などだが、周囲の色に合わせて変化する。指は吸盤が発達しており、多くは樹上にすんでいる。雄はのどに鳴きぶくろを持っていて大声で鳴くという特徴がある。皮膚が湿度に敏感で、雨が降りそうになると高い枝に登って鳴き、雨を予告してくれる。
 6月という月にはもうひとつ、「June bride(ジューン・ブライド――6月の花嫁)」というロマンチックな言葉もある。日本では「6月という梅雨の季節に、なぜ結婚式を?」と思われる方が多いだろうが、欧米のほとんどの国は、6月に学校を卒業し、9月に次の学校に進学したり、就職したりする。かつて女性は、6月に学校を卒業し、そのまま結婚するのが一番幸せであるといわれていた。ここから「June bride」という言葉か生まれたという説がある。また、ヨーロッパの封建時代の農民は、6月に結婚してすぐに赤ちゃんができれば、秋の収穫と出産が重ならないので、働き手を奪われないように6月に結婚することになったともいわれる。
 そのほか、Juneという月の名は、ローマ神話の最高の女神Junoから来ていて、Junoはギリシャ神話ではゼウスの正妻で結婚をつかさどる女神Heraと呼ばれ、Junoの祭典が6月初めに行われたことから、6月に結婚すれば花嫁は幸せになれるという説もある。
 今回の「鮎茶漬け」は、旬の鮎を焼き上げて用いる、この季節ならではの料理である。鮎漁は6月に解禁される川が多い。川底の岩についた藻類を主として食べているため、西瓜(すいか)に似た甘い瓜のような香りがし、「香魚(こうぎょ)」とも呼ばれる。鮎料理は、この香気あふれる内臓を充分味わえるように、丸ごと塩焼きにしたものが最高といわれる。鮎のような川魚は、海にすむ魚と違ってうろこを取り除く必要がない。しかも、香り高くほろ苦い内臓も珍重されるので、軽く水で洗ってから塩をふりかけて、焼くだけのシンプルな調理でよい。ただ、川魚すべてが鮎のようであるかといえばそうではなく、岩魚のような昆虫類を食べている魚の場合は、内臓をきれいに取り除いて調理しなければならない。
 風味づけに加えた「有馬山椒」とは、山椒の実の佃煮である。兵庫県の有馬地方で山椒がよく採れたため、保存用に佃煮にしたことがはじまりで「有馬」の名がついている。ピリッとした辛みと風味が、茶漬けの味を引き締めてくれる。


このコラムのレシピ

コラム担当

レシピ 鮎茶漬け

タイ語の話せる日カレのおとうちゃん
人物 小谷 良孝
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