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連載コラム 百人一首と和菓子
「『古典』と『和菓子』だって?もう、いや!」と逃げ出さないでください。想像とおいしさとちょっぴり恋の世界を味わって頂きたいだけですから。百人一首の和歌を読んで私たちなりに解釈し、イメージを膨らませて作ったのがここにご紹介するお菓子です。和菓子の世界には、和歌や物語を元にして想像力を働かせ、作品に表現するという楽しさや遊びがあるのです。このページを通して、日本の良さを見直して頂けたらうれしく思います。
夏のお菓子ほととぎす
ほととぎす なきつる方を ながむれば ただ有明の 月ぞ残れる 後徳大寺左大臣
ほととぎす
お菓子について
ホトトギスは夏を告げる鳥です。 この和歌を読んで、「ホトトギス」と「夜明け」が強いイメージで残りました。

全体に外郎生地を使って初夏らしい涼しさを意識しました。

黄身あんが透けて見えるようにしたり、外郎生地の一部を紫と青紫に着色したりして、明け方の空の雰囲気を表現し、さらに全体を丸く形作り、柔らかい場面状況を表わしました。

豆辞典
81 後徳大寺左大臣
保延5(1139)年〜建久2(1191)年。平安時代末期の歌人です。本名は藤原実定(さねさだ)。おじいさんが徳大寺左大臣と呼ばれたので、彼は「後」をつけて呼ばれました。この人物も、藤原定家(『百人一首』の編者とされる人)のいとこです。
家は代々続く名門貴族で、経済力があり、かなり多くの蔵書もあったようです。86番の作者西行(さいぎょう)も出入りしていたとか。実定は今様(流行歌)の作者、神楽の名手としても知られ、博学であったとも伝えられます。今でいうならさしずめ、作詞作曲に歌やダンスまでこなす頭の切れる有名人といったところでしょう。
歌のほうは、写実的です。
心待ちにしていたほととぎすの鳴き声がした。(あわてて)声のした方を見やっても(姿は見えず)有明けの月だけが空に残っているだけだ。

ほととぎすは夏を告げる鳥で、日本の文学作品では欠かすことができません。平安時代は、姿を見せず夜に鳴くものとされ、その鳴き声を聞くために徹夜をしてまで待つと和歌に詠まれました。この歌にも、ほととぎすの鳴き声を待ち続けた作者の思いが見えます。人々の心を騒がせるその声は「てっぺんかけたか」と聞こえます。
現在、都会でも少し郊外に行くと聞こえるのですが……。心地よい鳴き声はなんと電話の呼び出し音にも使われています。




このコラムのレシピ

コラム担当

レシピ ほととぎす

和菓子職人
人物 仲 實
辻調の御言持(みことも)ち
人物 重松 麻希
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