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連載コラム 百人一首と和菓子
「『古典』と『和菓子』だって?もう、いや!」と逃げ出さないでください。想像とおいしさとちょっぴり恋の世界を味わって頂きたいだけですから。百人一首の和歌を読んで私たちなりに解釈し、イメージを膨らませて作ったのがここにご紹介するお菓子です。和菓子の世界には、和歌や物語を元にして想像力を働かせ、作品に表現するという楽しさや遊びがあるのです。このページを通して、日本の良さを見直して頂けたらうれしく思います。
春のお菓子霞桜
高砂の 尾上のさくら 咲きにけり 外山の霞 たたずもあらなむ
春のお菓子 霞桜
お菓子について
  さくらの語源については、いくつかの説があります。その一つに、「さがみ(田神)」の「さ」で、穀霊を表す言葉である「さ」と、神霊が鎮座する場所を意味する「くら」が合わさり、穀霊が鎮座する場所を表すという説があります。古来より桜の開花が農作業の目安になっていたことを考えると、当時の人々が、桜のことを神霊が宿る木だと思っていても不思議ではないでしょう。また、日本神話に登場する「木花開耶姫(このはなのさくやびめ)」の「さくや」が変化したものだという説もあります。木花開耶姫は桜の霊であるとされます。聞き慣れない神様ですが、海幸彦と山幸彦の母親というとわかりやすいでしょうか。
  この歌から、霞の中に桜の花びらが見え隠れしている様子をイメージして、抽象的に表現しました。

豆辞典
73 前中納言匡房(さきのちゅうなごんまさふさ)
  例によって作者名は役職名なので、彼の本名は大江匡房(おおえのまさふさ)といいます。平安時代中期(1041〜1111)を生きた人です。この時代を代表する漢学者であり、漢詩にも和歌にも優れたものを多く残しています。大江家は学者一家ですが、一族には、23番の歌の作者大江千里(おおえのちさと)がいたり、ひいおばあさんは59番の歌の作者赤染衛門(あかぞめえもん)であったりと、和歌の分野にも優れた家系です。匡房は皇太子のいわば教育係を務めたこともありました。

 このような人物が作った歌の意味は
  遠く高い山の峰に桜が咲いたことだ。花が見えなくなるので、人里に近い山の霞よ、どうか立たないでおくれ。

  というくらいでしょう。「高砂(たかさご)」はここでは兵庫県にある地名ではなく「高い山」の意、「尾上(おのえ)」は「峰の上」の略、「外山(とやま)」は「人里に近い山」のことを指します。遠い山に咲く桜と近くの山に立つ霞を詠み込むことで、奥行きのある景色が思い浮かびます。
  ちなみに、空気中に浮かぶ水蒸気やちりが薄い雲のように見えるものには「霞(かすみ)」と「霧(きり)」がありますが、春にたなびくのが「霞」、秋に立ち込めるのが「霧」と区別されます。


このコラムのレシピ

コラム担当

レシピ 霞桜

和菓子班のホームページ委員長
人物 定岡 宏和
辻調の御言持(みことも)ち
人物 重松 麻希
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