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連載コラム 百人一首と和菓子
「『古典』と『和菓子』だって?もう、いや!」と逃げ出さないでください。想像とおいしさとちょっぴり恋の世界を味わって頂きたいだけですから。百人一首の和歌を読んで私たちなりに解釈し、イメージを膨らませて作ったのがここにご紹介するお菓子です。和菓子の世界には、和歌や物語を元にして想像力を働かせ、作品に表現するという楽しさや遊びがあるのです。このページを通して、日本の良さを見直して頂けたらうれしく思います。
夏のお菓子風そよぐ
風そよぐ ならの小川の 夕暮れは みそぎぞ夏の しるしなりける 従二位家隆
風そよぐ
お菓子について
京都は上賀茂神社の前を流れる御手洗川に、楢(なら)の木がそよぐ風景が目に浮かんできます。

滑らかな葉の様子を、葛生地にて表わし、表面には白小豆を散らして水無月風に仕上げました。

豆辞典
98 従二位家隆
保元3(1158)年〜嘉禎3(1237)年。鎌倉初期の歌人です。従二位は「じゅにい」と読み、「従二位のくらいについていた家隆さん」ということです。本名は藤原家隆(ふじわらのいえたか)。先祖には有名な歌人がいたようですが、代々の和歌の名門という訳ではありません。しかし彼自身は、藤原定家の父、俊成(しゅんぜい)に和歌を習い、藤原定家と並び称され、新しい和歌の読みぶりでは当時の和歌の世界でリーダー的存在でした。『新古今和歌集』の編纂者の1人です。(彼ヲ見テモ分カルヨウニ、物事ガデキルデキナイハ、遺伝デハナイノデスヨ。)
80歳で生涯を終えた地は、大阪天王寺夕陽ヶ丘。辻調グループ校とは目と鼻の先。「夕陽ヶ丘」は家隆が亡くなる直前詠んだ歌「契りあれば 難波の里に 宿り来て 波の入り日を 拝みつるかな(=何かの縁があったのだ、難波に泊り来て、波間に沈みゆく夕日を拝むことがあったのは)」にちなんでつけられたとか。今でもこの地には塚が残っています。
ところで、この歌の意味は、
吹く風がならの葉をそよがせている。このならの小川の夕暮れは(すっかり秋めいているが)禊ぎの行事だけが、季節を夏だといっている。

くらいでしょうか。「禊ぎ(=みそぎ)」とは6月30日に行われる「夏越しの祓え(=なごしのはらえ)」のこと。現在もこの日に行われますが、ここで気をつけたいのは、当時の暦が旧暦だということ。旧暦6月は今の暦でいうとだいたい8月下旬にあたります。夏も終わりに近づき、そろそろ秋風が吹き始めるころ。「みそぎ」を今の暦に合わせ、夏本番前の行事と思って読むと間違った解釈になるので要注意。



このコラムのレシピ

コラム担当

レシピ 風そよぐ

演歌の星、和菓子職人
人物 金澤 賢吾
辻調の御言持(みことも)ち
人物 重松 麻希
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