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連載コラム 百人一首と和菓子
「『古典』と『和菓子』だって?もう、いや!」と逃げ出さないでください。想像とおいしさとちょっぴり恋の世界を味わって頂きたいだけですから。百人一首の和歌を読んで私たちなりに解釈し、イメージを膨らませて作ったのがここにご紹介するお菓子です。和菓子の世界には、和歌や物語を元にして想像力を働かせ、作品に表現するという楽しさや遊びがあるのです。このページを通して、日本の良さを見直して頂けたらうれしく思います。
冬のお菓子田子の浦
田子の浦に うち出でて見れば 白妙の 富士の高嶺に 雪はふりつつ 山部赤人
田子の浦
お菓子について
歌を詠んで、まず、富士山を連想しました。田子の浦というところから浜辺、ひいては松林が思い浮かび、海岸から富士山を見た情景をお菓子に取り込もうと思いつきました。
富士山といえば、日本一の山です。山頂が雪で白くなっているのはおなじみの姿。
茶色いこなし生地で、冬山の雰囲気を表わし、
白いこなし生地雪が積もった状態を表現しました。 茶巾絞りにするときは山を遠くから見た三角形になるように工夫しました。
また、海岸には防風林としての松林がつきものです。それを表わすために松の焼き印を押しました。

富士山の美しい雪景色と、雄大でありながら、なんとなくものさびしい雰囲気が伝わればうれしく思います。

豆辞典
4 山部赤人
百人一首は時代順に並べられています。4番目というとかなり古い人物です。生まれた年も亡くなった年もはっきりしませんが、奈良時代の歌人です。『万葉集』に長歌と短歌を合わせて50首余りが入っていますが、これ以外に彼がどういう人物であったかを伝える資料がなく、ほとんど不明です。それなのに、詠んだ歌が感動も色褪せず1200年以上経った現代にまで残っている理由は、ひとえに歌の素晴らしさゆえでしょう。『万葉集』によれば、歌を詠むことで宮廷に仕える下級の役人だったようです。駿河の国(静岡県)・下総の国(千葉県)・瀬戸内海などでの歌が残っていますが、これらは公的な旅、いわゆる出張のようなもののようです。
歌の方ですが、中心は日本人の好きな富士山です。山頂に降る雪の美しさを詠んだものは平安中期以降に多く出てきますが、そういった歌の起源ともいえるものです。
田子の浦に出て眺めたならば、真っ白な富士の高嶺に今しも雪が降り続いていることよ。
この歌は、『万葉集』や『新古今和歌集』にも入っています。『万葉集』では、「田子の浦ゆうち出でて見れば真白にぞ富士の高嶺に雪は降りける」で、こちらが赤人の詠んだ元の形のようです。和歌集によって、多少の表現の違いがあることはしばしばで、どのように変えられたかで、その時代の好みが分かります。元の歌は「真白にぞ」「降りける」というあたり、男性的な力強さが見えます。およそ500年後の『新古今集』や『百人一首』では表現が柔らかく、感情の余韻が後を引きます。歌の内容はこまかくいうと違うのですが、ややこしくなるので省略します。ここでは、雰囲気が違うなぁ。ということだけ分かってもらえたらいいです。



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人物 重松 麻希
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