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連載コラム 今日は何飲む?
いろんな出会いがあります。意外な出会い、運命的な出会い。出会いからは何かが生まれます。このコラムはそんな“出会い”の話です。出会いを求めている主人公はワインや日本酒などのアルコール飲料。相手は料理、時としてフレンチ、イタリアンあるいは日本料理かも知れません。どんな巧妙な出会いが料理人の手で演出されるか。ぜひ楽しみにしてください。
ル・ポン ド シェル(前編)
『ル・ポン ド シェル』とは直訳すれば「空にかかった橋」、そうです、「虹」という意味です。地上30階にある全面ガラスの客席での食事は、まさに虹の上で食べているようなすがすがしく爽快な感じがします。昨今、小ぶりのビストロ風のフランス料理店が多い中、貴重なグラン・メゾン風のフレンチ・レストランだと言えるでしょう。パリの有名な三つ星レストラン『ル・グランヴェフール』と技術提携をしているのもうなずける話です。今回は充実したワイン・リストの中からあえて比較的マイナーな産地の、少しマニアックな銘柄ワインを3本選びました。中には“ビオ・ディナミ”農法を実践している作り手のワインもあり、その辺りの話も興味深いものがあります。フランス人シェフがどのポイントで“出会い”を演出してくるでしょうか。


主人公
1.サヴニエール“キュヴェ・デュ・シャトー”2001(ニコラ・ジョリィ)

品種はシュナン・ブラン。作り手のニコラ・ジョリィはいわゆる“ビオ・ディナミ”農法の実践者で、フランスのワインの作り手の中でも相当の個性派として知られている。ワインの評価は高い。
2.サン=ニコラ=ド=ブルグイユ“ヴィエイユ・ヴィーニュ”1988(ジョエル・タリュオー)

品種はカベルネ・フラン。熟した果物、ベリー類の香り、口に含むと絹のようななめらかな感触を持つワインと言われる。長く熟成させてから楽しむことができるグラン・ヴァン。
3.シャトー・ド・オート=セール“キュヴェ・プレスティージュ” 1989(ジョルジュ・ヴィグルゥ)

品種はマルベック85%、メルロ10%、タナ5%。カオール産ワインの特長であるほとんど黒に近いほどの深い色合いを持ち、しっかりと力強い風味、複雑な香りをもつワインと評価が高い。

出会いを演出する人
大阪・天満橋 フランス料理『ル・ポン ド シェル』
料理長 ピエール・ゲイ


出会った料理
烏賊のマリネとフリット フロマージュ・ブランとエスプレットの香り
烏賊と牛頬肉のファルスとビーツの香るエスカルゴのコンフィ、ピーナッツのムースを添えて
あかざ海老のラヴィオリ、ミントとベルガモットのエミュルション
鴨のロースト味噌風味、白昆布と筍を添えて
ニヨン産黒オリーブのビスキュイ、レモンのソルベ


「今日は何飲む?」野次馬隊
Y:本業は某広告制作会社のクリエイティヴ・ディレクター。日本ペンクラブ協会会員。ワイン関係の著作も多く、クラッシック音楽への造詣も深い。著作に『今日からちょっとワイン通』『武満徹対談集』『現代ワインの挑戦者たち』がある。
JH:辻調グループ校西洋料理主任教授。でも料理を作ることより実はワインが大好き。ワインの知識は中途半端でただいま勉強中のおじさん。ワインと料理のマリアージュとよく言われるが、それは本当にあるのか疑問をもっている。
M:才能豊かな女性。辻調グループ校のスタッフのひとり。いろいろな仕掛けを企む人。食べることと飲むこととヴィオラを演奏することをこよなく愛する。とりわけ飲むことは・・・
S:男性。どちらかというと晩熟型(悪く言えば進化が遅い)。趣味はアイロンがけと靴磨き。このコラムの担当者。大の猫好き。


●前ふり雑談

Y:この秋に出版する「ワインのQ&A」の本の中に「飲む順番ってあるのですか?」というのがあって、ふつうは軽いものから重いものへ、リーズナブルなものから高価なものへと移るということなのですが、でも、最後に一番よいものを飲むなんていうことはあまりにも危険すぎると(笑)。

JH:僕らがやっているワイン会みたいですね(笑)。以前10本ぐらいを一時に試飲したことがあって、いくら1杯ずつでもまず記憶に残っていきませんからね。ところで、「ブルゴーニュはシャルドネ」とよく言われますが、それぞれものすごく違いが大きいので、シャルドネに関して「これぞブルゴーニュですよ」ということになるとどの辺りになるのでしょう?

Y:ま、村としてはピュリニィ=モンラッシェとかでしょうか。

JH:やはりモンラッシェですか。

Y:あるいはムルソーとか。でも、ムルソーは最近「作り」が変わってきて軽く仕上げられ出しました。ピュリニィとシャサーニュ(=モンラッシェ)はよい作り手によるものは、くっきりとした個性を出していますね。

JH:やはりあの辺りが一般的なブルゴーニュの代表のようになるのですね。

Y:南の個性もあれば、北の個性もあるでしょうね。例えばピュリニィの中にはシャブリのグラン・クリュクラスに近いものもありますし、南のフルーティーな果実味もありますから。シャサーニュはやさしくなりますからね。一見すごく穏やかな印象で迫ってきて、骨がある。反対にピュリニィはもう第一印象から酸も練り上げているし、全体がきっちりと強く、バランスよく入っています。

Y:2本目のサン=ニコラ=ド=ブルグイユも3本目のカオール産ワインも昔はとても評価が高くて、ロワールの赤ワインであればサン=ニコラ=ド=ブルグイユ、カオールは黒ワインと言われるほど濃密な超熟ものを作っていたのですが、最近は両方とも軽やかでフルーティーなワインに変わりつつあります。その中でこの二つは以前の面影を多少残しているのではないか、と思って選びました。

S:軽くてフルーティーなものを作るというのはワイン界全体の傾向ですか?

Y:そうですね。全体の傾向でしょうね。ただ特にこのサン=ニコラ=ド=ブルグイユの場合のブドウ品種はカベルネ・フランですから、もともと軽いタイプのものになりやすくて、強くしようとすると青臭さが強く残ることがあるのです。

S:それはカベルネ・フランの特長なんですか?

Y:カベルネ・フランはどうしてもカベルネ・ソーヴィニヨンよりも多少青く、多少軽くというワインになりがちなんですね。かつてはだから「カベルネ・ソーヴィニヨンの駄目な息子」などと言われていましたが、遺伝子検査をしたらカベルネ・ソーヴィニヨンの親だったらしいです(笑)。でも、昔の人によく分かったと思うのですけれど、ソーヴィニヨン・ブランとカベルネ・フランの間の息子がカベルネ・ソーヴィニヨンとなっていて、名前がきちんと紐づいているんですよ。

M:なるほど。

サーヴィス:食事の前にシェフから食欲を開いていただきたいということでご用意いたしました。海胆の殻を器に見立てまして、中には海胆とウズラの卵を入れて、生クリームで温かく仕上げています。上にはニシンの卵を添えてあります。

JH:このニシンの卵はフランスでよく瓶詰めで売っています。キャビアのイミテーションで使う場合があります(笑)。

● 1本目のワイン:
サヴニエール“キュヴェ・デュ・シャトー”2001

S:このワインのセパージュは?

Y:シュナン・ブランですね。シュナン・ブランっていうのは非常に安酒とものすごくよい酒になることがありますね。


● 1品目の料理:
烏賊のマリネとフリット、フロマージュ・ブランとエスプレットの香り

Y:シュナン・ブランは独特な松脂の香りがしますでしょう。

M:飲むとそれほど感じないですね。

JH:この香りは何から来るのですか?

Y:これはおそらくブドウの皮から生じている香りだと思うのですが...。ただ、それほどマセレーションしないで、普通に破砕して絞ってもこれぐらいの香りは出てきます。

M:他の品種にはこういった松脂の香りというのはないのですか?

Y:この品種以外ではこういう香りってまずないですね。

JH:ということはロワール産なら大体こんな感じでしょうか?

Y:ロワールでシュナン・ブラン種を用いているのはこのサヴニエールとか、ヴーヴレですね。サンセールはソーヴィニヨン・ブランですし、南に行けばミュスカデがありますから。

S:すっきりした味ですね。

Y:いや、結構いろいろな要素が入っていますよ。

JH:ひょっとして1本目としては少し複雑かも知れませんね。

(料理を食べて)


Y:単独で飲んだときよりも酸味がすごく伸びやかになりますね。

S:烏賊との相性ですか?

Y:烏賊とその他いろんな風味がハードな松脂の香りを消しているのだと思います。この香りはワインが若い時は少し気になるものです。ただ、長く寝かせると松林、といってもその林の中の腐葉土のような、それこそ温かくて、複雑で、というようなそれほど嫌な香りにはなりません。

S:若いワインの松脂の香りは「負」の要因?

Y:いや、そういうことではないですね。好きな人は好きだと思います。でもやはりこの香りが単独だと「負」の部分に転がりやすいですね。安いヴーヴレが嫌われるのはまさにそういった部分でしょうか。

S:松脂の香り?

Y:松脂とか、あるいは人によれば石油のようなオイリーな匂いと感じる人もいると思います。

JH:この小さな烏賊の唐揚げはスルメみたいですよね。このワインはスルメと合いそうですね。でもやはり烏賊がこの相性のキーですね。

S:確かにスルメの風味です。

JH:味的にはワインではなくてビールでも合いそうな。

Y:単独ではわからなかったですが、とてもなめらかな杏のような酸が感じられます。

JH:料理を食べる前に飲んだときにはすごく複雑なワインだと思いました。でも、食べてみるととてもよいマリアージュのような...合いますね。

S:このワインは“ビオ”ワインですよね。そこらあたりを少し聞かせてください。このワインの作り手のニコラ・ジョリィが先駆者ですね?

Y:フランスではそうですね。で、彼の影響でルロワなども始めています。

S:特長はどのようなところにあるのですか?

Y:基本的には“ビオ”そのものは化学肥料も農薬も除草剤も用いないということですよね。実はジョリィさんもいったんワイン作りからは離れていて、故郷に帰ったときにあまりにも土が死んでいることに驚いて、しかも作ったワインはAOCの特長がまったく出てこないということに気付いたんです。これは当たり前で化学肥料を表面にまくと根は下に伸びていかずに地表に近い部分に横に張っていきます。結果、その土壌の特長のまったく出ないワインが出来てしまう。これはひどいことになっているということになって、有機栽培のことをいろいろ調べ始めたときにルドルフ・シュタイナーの“ビオ・ディナミ”に出会ったわけですね。これは普通の有機栽培(“ビオ”)プラス宇宙の、天体のリズム、力を借りようというものです。ま、東洋で言うところの“風水”とか“気”とかに近い感覚ですね。シュタイナーという人物は子供の頃から霊的な感性を持っていることを感じていた人で、死ぬ前に農業講座を実施しているんです。農法に霊的な力を感じることが大切だと言っていて、もっとも象徴的なのは牝牛の角なんです。 牝牛の角っていうのは生命エネルギーを吸収しつつ、内からの生命エネルギーは内側に閉じ込める力を持っていると彼は言っています。

JH:ほ〜っ。

Y:それで牝牛の角の中に牛糞を詰め込み粘土で蓋をして、冬は土の中にエネルギーがもっとも結晶する季節だというわけで一冬の間、土の中に埋めておきます。それを取り出して大きなバケツにぬるま湯を入れ、そこにその牛糞を加えて、今度はそれを1時間ぐらいかけてしっかりと混ぜ合わせると霊的な肥料ができる。この肥料をブドウの木が生命力を必要とする時期に撒いてやる。なかなかその時期というのは微妙らしいですけれど。今度は太陽のエネルギーを象徴するのは水晶だということで、水晶をすりつぶしてトロトロの粥状にして、一夏の間、地中に埋めておいて、出来上がったもののスプーン1杯分を30Lとかの水に混ぜて液体をつくって、ブドウの葉に撒きます。すると太陽エネルギーの効果が飛躍的に高まるということです。

S:それはシュタイナーという人物の理論ですね?

Y:そうです。“ビオ・ディナミ”を適用している人はこういった方法を徹底的に守ります。

S:守りますか?

Y:ええ、この方法を実践しているかどうかが一般的な“ビオ”と“ビオ・ディナミ”の違いです。

S:もちろんニコラ・ジョリィも牝牛の角を使っているのですね。

Y:そうですよ。僕も非常にオカルトチックだと思いますけれど、この農法を実践している畑に行くと、すぐ隣の畑に病気が発生している時にそこにはまったく病気が発生していないとかはあります。

S:そういう風だと生産量は下がるということになるのでしょうか。

Y:いえ、あまり下がりませんね。もちろん肥料も与えていますし、有機栽培の“有機”というのは結びつくということですから、ひとつの農園が閉じられた“宇宙船”のように、その中ですべてが完結する。外から入ってくるのは太陽の光と雨とそれだけでいいということですよね。たとえば一定の広さに一定の頭数の牛を飼う、豚を飼う、鶏を飼う、そしてその糞などで堆肥を作ってそれを土に帰す。この堆肥の作り方にしてもこの“ビオ・ディナミ”の場合は独特の考え方があって、宇宙の力をそのまま注入しようということですから6種類のぐらいの花、例えばカモミーユの花とかを使うのですけれど、これもまた羊の膀胱に包んで、吊るしておいて、それをまた埋めてというようなことを行うのです。

M:ひとつの宗教のような感じがしますね。

JH:まさに“風水”の世界。月の満ち欠けに関してもとてもこだわりますからね。

Y:そうですね。

JH:月の満ち欠けを見て、今がブドウの木を裁断する時期だとか、ね。ですから日本でいう“有機”とはまったく異なる世界ですね。

S:その“ビオ・ディナミ”農法は結果を出しているのでしょうか?

Y:出していますね。シュタイナーは「月の満ち欠け」ということの大切さを強く言っていますが、例えば最近は「新月期」に切った材木のほうが高く売れていますから。

S:えっ?

Y:新月期に切った材木は含まれる澱粉質、糖質が少ないので、腐りにくいのです。

JH:やはり宇宙の動きとなんらかの関係があるのでしょうね。

Y:シュタイナーが基本としているのは、太陽と月と惑星の関係ですね。

JH:“ビオ・ディナミ”農法でブドウを作っている人と話をしていて面白いのは、ブドウ本来の話ではなくて、今、話題にしているようなことばかりになるのですよね。そういったことにものすごく詳しい。


● 2本目のワイン:
サン=ニコラ=ド=ブルグイユ“ヴィエイユ・ヴィーニュ”1988

(飲んで)

Y:いいですね。いかにもカベルネ・フランって感じですね。

M:次に出てくる料理とその次の料理にこのワインを合わせるのですね?

S:この香りはカベルネ・フランの特徴的なものですか?

Y:少し枯れ草っぽい香りがあると思いますが、これは熟成香ですね。

JH:この香りを嗅ぐと、合わせる料理にビーツを用いているのがよくわかります。

M:豆の香りがします。

S:確かに豆の香り。

Y:土っぽさとかね。

JH:ビーツの生も土っぽいからね。

Y:ほんとうに温かい良い土の香りがしますよね。

M:豆を剥くときの香り!?

Y:そうですね。そういった温かさもありますね。それはこの品種のもつ特有の青っぽさだと思います。先ほども言いましたけれどこの品種はカベルネ・ソーヴィニヨンよりは少しだけ“青い”感じがあります。(ソムリエに)樽は使っていない?

ソムリエ:使っております。

Y:どんな樽?

ソムリエ:100%新樽とかというレベルではないと思いますが、いわゆるロワールのクラッシックな大樽を使っていると思います。

Y:ロワールでは小樽はあまり使わないですね。大樽の場合は新樽はめったに使われず、古樽を何十年も使い続ける醸造元が多いようです。樽香をつけるというよりも、ほのかな酸化熟成香を期待するという使い方ですね。

M:1988年ですから、17年ですか。

Y:ほんとうだったら20年ぐらいたった頃に飲みたいですね。

S:そこまで熟成しますか?

Y:十分にします。気持ちのいい腐葉土のような香りに変わってきます。針葉樹と広葉樹が混ざっているような森を散策している時に感じるような香りですよね。


● 2品目の料理:
烏賊と牛頬肉のファルスとビーツの香るエスカルゴのコンフィ、ピーナッツのムースを添えて

S:きれいな盛りつけですね。

M:可愛い。

サーヴィス:このふたつがエスカルゴで、ビーツと合わせて少し塩を入れて仕上げてあります。ピーナッツのムースとピーナッツもやしを添えています。烏賊をまた使っていますが今度は中に牛の頬肉の煮込みを詰めてあります。周りに盛り付けてありますのがビーツと少しの赤ピーマンでございます。

Y:なるほど。赤ピーマンもよくわかるな。このワインには赤ピーマンの香りもありますから。基本的には同じ香りを合わせた感じですね。

M:ピーナッツもやしって今流行りなんですか?

JH:今というか3、4年ぐらい前からかな。最初は焼き鳥屋から流行り出したんですよ。

S:ピーナッツの香りがありますよ。

JH:でも、これ、ほんとうにピーナッツかどうかはよくわからない。大きさが似ているからそういうのか、それとも… 。

Y:赤ピーマンの香りとよく合います。

JH:なるほどね。一品目もそうでしたけれど香りの相性、というか同じ香りで合わせていますよね。

Y:共通項を持ってくるというのがわかりやすい公式のひとつなんです。

JH:料理を作る側からお聞きしたいのですけれど、「引き立て合う」合わせ方はどのように考えればいいのでしょうね?

Y:補色関係だと思えばよいでしょう。ただ補色関係をいきなり実践するとすごい悪趣味におちいることがあります。要は引き立って欲しくないものが引き立ってしまうことがあるということです。でも、両方にブリッジする共通項を作り出せば補色が際立つことがありますよね。

JH:じゃあ食事というのはワインが先なのでしょうか、あるいは料理が先なのでしょうか?

Y:料理でしょう。僕は酒飲みだから酒が先かも知れない(笑)。

JH:それ、ありですよね。好きにすればいい、と言いますか、自分のその時の気分でいいんじゃないか、無理矢理この料理にこのワインを合わせるとかではなくて、このワインにはこの料理が合いますからというのもありですよね。

Y:あまり相性を気にすると欠点が目に付くということになりがちですよ。

S:さて、このワイン単独の時と料理と合わせた時とで、風味の変化はあるでしょうか?

Y:もちろんわずかに表情の変化は生じますけれど、香りという共通項で合わせているのでなじみますね。

JH:僕はワイン単独のときの風味のほうが面白かった。料理の風味と合わさって、それこそ感じたくない風味を感じるようになりました。

Y:実はこのワインは熟成のピークにいるんです。

S:これ以上熟成すると駄目ってことですか?

Y:駄目ってことはないです。後、5、6年は伸びていくと思うのですが、その先にどんな風になってしまうのかということを見せてしまっている。実は似たもの同士で合わせるには若いワインのほうがよいと言われます。熟成しているワインでそれをやると失敗することがある。熟成したワインにはそれ自体で複雑な風味がしっかりありますので。例えばこのワインだったらむしろ白身の魚の塩焼きなどで合わせるほうが、意外に後ろに隠れている若さとか艶とかが引き立つかも知れません。

M:次の料理はあかざ海老ですよね。この料理では同化作用のようにして、次の料理で逆で来るのかも知れませんね。

Y:確かにあかざ海老のほうで面白い“出会い”を見せてくれるのかも知れませんね。

JH:もし、あかざ海老でよい相性が出たら、ものすごく考えた結果の料理ということになりますね。

Y:あかざ海老っていうのは引き立て合うような感じがしますが…。


前編では、“ビオ・ディナミ”農法によって作られた白ワインの個性を味わい、なんとも“個性的な”この農法のことも話題にのぼり、興味深いものがありました。「香り」という共通項で演出された料理との出会いもなかなかのものでした。後編も「香り」の共通項での演出は成功するのでしょうか。

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