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連載コラム とっておきのヨーロッパだより
辻調グループ校には、フランス・リヨン近郊にフランス料理とお菓子を学ぶフランス校があります。そこに勤務している職員が、旅行者とはまた違った視点から、ヨーロッパの日常生活をお届けします。
フランス カフェ便り
フランス校シャトー・ド・レクレールから車で走ること約40分、リヨンの街に到着。今回は歩行者天国として賑わうリヨンのメインストリートのひとつリュ・ドゥ・ラ・レピュブリックの東の通りにあるカフェ、グラン・カフェ・デ・ネゴスィアンを紹介しましょう。

店の前には所狭しとテラス席が並んでいます。そこを通り抜けて店内へ入ると、内装はとてもクラシカル。それもそのはず、この店の創業はなんと1864年! リヨンで最も古い老舗カフェです。ナポレオン3世時代に建てられたバロック様式を基調にした第二帝政式の建物で、壁や天井の色彩も鮮やかでとても豪華な雰囲気です。ちなみに同時代を代表する建物には、パリのオペラ座の名前が挙げられます。

店の名前も由緒を感じさせます。ネゴスィアンは、フランス語で卸商人の意味ですが、この店で商いの交渉をおこなったことに由来しているとか。「いろいろなネゴスィアン達がカフェを片手に交渉を繰りひろげたのだろうな」と、当時に思いをはせつつ、早速カフェ・クレムを注文。ここのカフェ・クレムは、カフェとミルクが別にサービスされ、自分の好みで濃さを調節できるとても嬉しいスタイル。
「それってカフェ・オ・レじゃないの」と思った方、いらっしゃいませんか。フランスでカフェのメニューを覗いてみると、日本でおなじみのカフェ・オ・レという言葉は目にしません。そうなんです。フランスではカフェ・オ・レとはいわず、カフェ・クレムというのです。

では「カフェ」と注文すると何が出てくるでしょう。デミタスカップに入ったエスプレッソ。砂糖は出てきますが、日本で出てくるクリームは付いてきません。その代わりというわけではありませんが、個別包装されたショコラがソーサーにのってきます。このショコラはカフェ・クレムにもついてきます。写真のソーサーの上にのっている白い包みがショコラです。同じくショコラと呼ぶココアにも、この個別包装のショコラがついてきます。ショコラを頼むとショコラがついてくる、日本語に翻訳すると、ココアを頼むとチョコレートがついてくるというわけ。
ところで、グラン・カフェ・デ・ネゴスィアンのカフェは、香りが豊かで、ほどよい酸味があるまろやかな味。使われているカフェはラ・メゾン・リシャール社のもの。主にカフェやレストランといった業務用に販売を行っているこの会社のカフェは、フランス校でも使っていて、バランスがよいカフェです。
 

おいしいカフェとゆったりとした雰囲気に、心も体も大満足した後はお会計。フランスではテーブルで会計をするのが一般的で、ここで活躍するのがギャルソン達。彼らが腰につけたタブリエ(エプロンのこと)の中には、お札や硬貨の入ったお財布はもちろん、電卓まで入っていて、彼らはいわば歩くレジスターです。
さてグラン・カフェ・デ・ネゴスィアンでは、カフェを飲みながら一人読書を楽しむ男性がいたり、おしゃべりに熱中するマダム達がいたりと、男女を問わず幅広い年齢層のお客さんたちが思い思いの時間を楽しんでいました。カフェが有ってそこに人が集うのではなく、人がいてそこにカフェが存在するとでもいうのでしょうか。日本でも近い将来、グラン・カフェ・デ・ネゴスィアンに集う人々のように、カフェで過ごす時間が生活の一部として定着していくようになればいいなあと、感じた今回の取材でした。


コラム担当

フランス校 教務部アポランティエ
人物 大村 まどか
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