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連載コラム とっておきのヨーロッパだより
辻調グループ校には、フランス・リヨン近郊にフランス料理とお菓子を学ぶフランス校があります。そこに勤務している職員が、旅行者とはまた違った視点から、ヨーロッパの日常生活をお届けします。
カフェ便り 第2弾
ソーヌ川とローヌ川に挟まれたリヨンの中心街プレスキル地区から北へ徒歩5分、クロワルース地区へ。この界隈には比較的アーティストが集まっているので、ふらっと歩けば、画家や彫刻家のアトリエ、ギャラリー、若いデザイナーの事務所などが覗けて、なかなか楽しめます。
今回訪れたブロカントカフェは、店で使ったり展示したりしている家具や食器、オブジェなどを売りながらカフェをしています。といっても、どの店も家具やオブジェを売るのに熱心でなく、客がたまたま家具やオブジェを気に入れば売るといった感じです。ただし、店のお気に入りは売ってくれない場合もあります。このタイプはフランスでは最近増えていて、店の雰囲気が温かく、やわらかい光と古い家具に囲まれて、客はついつい長居したり、自分の家のように使ってしまう。大都市では、狭くて人も呼べないアパートに住むことになるので、こんなカフェたちの存在がありがたいなぁとひしひしと思います。
*ブロカント:
古物商、古道具、ガラクタの意味。高い値打ちのあるものを売っているアンティーク店に比べてブロカントでは身近なものを売っていることが多い。

最初の店は“KIKI KAIKAI”。「キキ・ケケ」?「奇々怪々」? 日本人が関係してるのかと尋ねると、実は店長が4年前のリヨンビエンナーレという現代美術祭で村上隆氏の作品をとても気に入り、彼の絵のキャラクター“きき”と“かいかい”から店の名をつけたそうです。
*リヨンビエンナーレ(Biennale de Lyon):
ビエンナーレと言えばヴェネツィアが有名。でもリヨンも負けじと頑張っている。2年に一度の現代美術祭で今回は9月中旬に始まり1月4日まで開催。4年前には村上隆氏の作品が、今回は草間彌生氏をはじめ、日本人アーティストの活躍もみられる。

KIKI KAIKAI店は、道に面して大きな窓があり(左上の写真)、中がよく見え、オープンな雰囲気で入りやすい。2階のサロンに上がると迎えてくれるのはソフトな灯かりと観葉植物たち(右上の写真)。2階といってもロフトタイプで一階との仕切りはなく、広々としていて、ブロカントらしく店主がのみの市でセレクトした家具が点在しています(左下の写真)。壁はピンクや黄緑という思い切った色使いをしていますが、メニューにもあるこの店のシンボルの四角い模様が壁にも描かれ、統一感があり、60年代風家具が似合っています(右下の写真)。

KIKI KAIKAIさて、日替わりガトーと本日のタルトを注文しました。今日のガトーはヘーゼルナッツとアーモンドとジンジャーの入ったマフィンでした(左の写真)。バターがたっぷり入っていてフランス風マフィン型パウンドケーキといった感じ。タルトは、チーズ4種、ツナと野菜、サーモンとポロねぎがあり、サーモンとポロねぎのを選びました(右の写真)。テーブルに届いたタルトは、うわっ!と思わずいってしまうほど大きく、サラダもたっぷり。サーモンのしょっぱさとたっぷり入っているポロねぎの甘味がよく調和していて、ペロリと平らげてしまいました。
ポップな色彩なのに、古いためか親しみを感じられる家具たち。なんとなくくつろげる、そんな空間でした。

次に紹介するのは“Bistro fait sa Brocビストロ・フェ・サ・ブロック”(Broc = Brocanteブロカント)。ここはワインバーでもあるのでワインの種類が豊富。INAOグラスを使っているところからも店主のワイン好きが相当なものと伺えます。(一般にカフェで使っているグラスはバロンといい、もっと丸いタイプのグラスで、ガラスが厚く割れにくい。)
INAOグラス*INAOグラス:
フランスのAOCワインの検定などに使う試飲用ワイングラス、L'Institut National des Appellations d'Origine(フランス国立原産地呼称協会、略称イナオ)が全て同じ条件で試飲するためにするために開発した。フランス校ではワイン講習に使用している。(右の写真はフランス校で使用している学校名入りのもの)
*AOC(アペラシヨン・ドリジーヌ・コントロレ=原産地管理呼称、略称ア・オ・セ)ワイン:
1935年に制定されたフランスのワイン法に基づくもので、土地の区画からブドウ品種や収穫量・醸造法やアルコール度数など、厳格な基準のもとに格付けされる。上記のINAOが管理し、現在400程のAOCワインがある。

Bistro fait sa Broc近頃流行の兆しがある白ワインViognierをグラスで、それにパルメザンチーズの入ったスープを頼みました。ワインは黄緑色のニュアンスがあり、ほんのり甘い香りで、ちょっぴりはちみつの味がしました。スープにはもちろんフランスではおいしいバゲットがついてきます。
*Viognier(ヴィオニエ):
白ぶどうの名前で、Condrieuコンドリユーで極めて上質のかぐわしいワインを生み出す。ローヌ河流域のみで栽培していた珍しい品種で、昔はヴィオニエといえばコンドリユーだった。しかし、近年アルデッシュ県で盛んにヴィオニエ種からワインの生産を始め、手軽に飲めるように。(いまでもコンドリユーは高価)
「どちらかというと夏にアペリティフとして飲むかなぁ、とってもフルーティで、桃やアプリコットの香りもして女性にも人気のワインでしょう。カーヴでねかせるワインではなく、5年以内に飲むワインだろうね。」(フランス校副ディレクター、キュドネック氏談)


Bistro fait sa Brocちょっと暗めの店内はくつろげ、1つの空間を皆で共有している感じ。ギャラリーも兼ねているので、壁にかかる作品が定期的に変わるためいつ来ても新鮮さがあります。


コラム担当

フランス エスコフィエ校
人物 DICHAMPT KASAI Yuko
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