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連載コラム とっておきのヨーロッパだより
辻調グループ校には、フランス・リヨン近郊にフランス料理とお菓子を学ぶフランス校があります。そこに勤務している職員が、旅行者とはまた違った視点から、ヨーロッパの日常生活をお届けします。
アルザスのマルシェ・ド・ノエル(クリスマス市)
街並みライン川をはさんでドイツと国境を接しているアルザス地方には古い家、特に木骨組みのコロンバージュと呼ばれる家が多く、このストラスブールは街自体がとてもかわいい!特にプティット・フランスと呼ばれる区域は世界遺産にも指定され、街全体がテーマパークみたいで、どんな人でもちょっとわくわくしてしまうのではないでしょうか。
さて、マルシェ・ド・ノエル(以後マルシェ)ですが、11月の終わりからクリスマス前くらいまでの約一ヶ月の間、フランス各地で行われます。なかでもストラスブールのマルシェは有名で、カテドラル(大聖堂)前の広場に市が立ちます。

カテドラル前のマルシェヴァン・ショーここでまず僕が探したのは、赤ワインにシナモン、八角、クローブ(丁子)などのスパイス、それにオレンジのスライスなどを入れたヴァン・ショー。温かいワインという意味の通り温めたもので、これを飲むと体がすぐに温まります。写真のように、こんな大きななべで売っているんです。日本ではあまりなじみがありませんが、コレは寒いマルシェでは欠かせません(と思います)。よく探すと白ワインやロゼワインで作ったもの、アルコールがだめな人に温かいオレンジジュースというのもあります。

ツリーのオーナメント話を本題に戻しましょう。マルシェにはクリスマスの飾り物やお菓子類のお店が多く並びます。ツリーのオーナメントやアドヴェント・カレンダー(キリストの降臨を待つ12月1日から24日までのカレンダー)やキリストの誕生にまつわる話を表す人形(クレーシュといいます)を売っているお店、この時期に食べるスパイスの利いた一口大のクッキー、ブレデラ(ブレデレ)や、同じくスパイスを利かせてハート型などに作るパン・デピスなどを並べているお店、パン・デピスのお店ドイツのシュトーレンに起源を持つクリストシュトール、クグロフやベラヴェッカ(少しのパン生地とこの辺で取れるクエッチというプラムや洋ナシ、いちじくのドライフルーツとナッツ、香辛料などと合わせて作る)などクリスマスのお菓子の店。このベラヴェッカ、アルザスではクリスマスイヴのミサに出かける前に、温かい飲み物と一緒に食べる風習があるそうです。ほかにきれいに絵付けされたクグロフ型やベッコフの蓋つきの大きな型、復活祭のお菓子アニョー・パスカルという子羊の形をしたビスキュイ型など陶器製の型のお店、そのほか蜜蝋で作ったロウソクやもみの木を売っている店などが軒を連ねます。ちなみにベッコフという料理は、アルザス産のワイン「リースリング」に丸一晩漬け込んだ牛肉とジャガイモ、たまねぎなどをオーブンでじっくり蒸し煮にしたもので、シンプルながらとても美味しい料理です。
街中のありとあらゆる店はすっかりクリスマスカラーに変わり、街のどんな小さい通りでもイルミネーションが輝いていて日本とはまったく違った雰囲気がありました。そんなクリスマス情緒とあったかいヴァン・ショーに酔いながら・・・このコラムを締めくくりたいと思います。


コラム担当

レクレール校 製菓部
人物 高浦 智
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