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連載コラム とっておきのヨーロッパだより
辻調グループ校には、フランス・リヨン近郊にフランス料理とお菓子を学ぶフランス校があります。そこに勤務している職員が、旅行者とはまた違った視点から、ヨーロッパの日常生活をお届けします。
パリの胃袋/ランジス市場を訪ねて
3月にパリの郊外にあるランジス市場に行ってきました。市場の面積、取扱商品の数量とも世界最大級で、パリの胃袋と呼ばれています。ランジス市場には関係者以外が入場するには許可書が必要で、自由に出入りできません。今回はパリの16区にある1ッ星レストラン「アストランス」のシェフ、パスカル・バルボさんの仕入れに同行させてもらいました。
さて、当日は朝5時15分に店の前で待ち合わせ、レストランのある16区から車で約30分でオルリー空港近くのランジス市場へ。普通ですと小1時間かかりますが、早朝で道が空いているのとフランス人はものすごく車をとばすので30分で着きました。
ランジス市場は実はパリ市内ではなく、パリ郊外「ランジス市」にあり、市の名前から市場の名前が付きました。30年程前にはパリ市内の中心部レ・アル地区にありましたが、交通渋滞や取扱量が増えて手狭になったため、今の場所に移動しました。レ・アルは面積約20hでしたが、現在はその10倍以上もあります(甲子園球場の50倍以上)。
敷地内には、食品の販売・輸入・加工業者だけでなく、肉や魚の検疫、税関、銀行、ゴミ焼却、発電など関連施設や機関、生花やその副素材を売る店もあります。もちろん中心になるのは食品ですが、魚介類、肉(牛や羊など)、豚肉、内臓、家禽肉、野菜・果物、乳製品、乾物・高級食材と、これだけの部門に分かれています。一番総面積の広い野菜・果物売り場は、それだけで15棟もあります。開店時間は部門により異なり、例えば一番早い魚介類は朝の2時から始まり、7時には閉店します。その次に、肉類が4時から10時まで、最後の野菜類は7時に始まり、12時終了です。一度にスタートすると、買い付けするのが難しいので、時間差を設けています。
関連施設はいろいろありますが屠畜場はなく、生きている家畜や家禽は取り扱わず、枝肉などに処理したもの(写真右)を売買します。トラックからの出し入れも外気に触れないようになっていたり、商品の鮮度を保つために肉関連部門は建物全体が大きな冷蔵庫になっていたり、買った品物を持ち歩かずに保管できる冷蔵庫を備えていたり(写真下)、売り手も買い手も入場する前には白衣を着用したりと、衛生面には十分に配慮しています。肉売り場などはてとても寒いのですが、寒さをいいことに、暖を取りがてらフランス人は大好きなおしゃべりを楽しんでいました。

野菜・果物部門は、先にも記したようにランジス市場の中で一番広く、あまりに広いため場内の移動に自転車を使っています。買った物は台車に乗せて車まで運びます。この日、バルボさんは野菜だけでも台車で3往復して運びました。私が行った3月下旬は、多くの野菜や果物がスペイン産でした。



他にも市場内に並んでいたものを写真に沿って説明していきましょう。木箱に入ったチーズ(写真上左)やチーズの熟成室(同上右)。乾物・高級食材にはフォアグラの加工品(同中左)、瓶詰のトリュフやキャビア、生ハム、乾燥セップ・モリーユ、香辛料、油、酢、製菓用品、コーヒー、紅茶などがあります。フォアグラの重さを量って、真空パックにする作業は独立した部屋で行われています(同中右)。他にもスペイン産ハムやサラミが吊り下がっていたり(同左)、セップ、モリーユなど乾燥のきのこ類が所狭しと並んでいます(同下右)。

この巨大な市場、「一度行ってみては・・・」と言いたいところですが、一般の人は入場できません。ただ、旅行会社が企画する「ランジスツアー」に申し込めば、肉類など生鮮品を除いた一部を見ることができます。パリ市内には70ヶ所のマルシェがあるそうです。ランジスの市場とは全く異なりますが、パリ市民の日常生活を伺えます。マルシェによって開いている曜日や時間が異なりますからガイドブックなどで調べて、どこか市場に出かけることをおすすめします。今回、私はメトロの6番線Dupleix駅〜Cambronne駅の間(2駅分)に水曜日の午前中に立つマルシェも見てきました。ここは高架下にあるので、雨が降っていても大丈夫です。


コラム担当

フランス校 調理部
人物 加藤 朋子
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