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連載コラム ベンチタイム
このコラムは「家庭でできる美味しいパン作り」をテーマに、簡単に手に入る道具や材料を使ったパン作りを紹介します。パン作りの面白さに引かれた三人の会話の中で、作り方のポイントや秘訣を伝授。タイトルの「ベンチタイム」はパン作りに大切な生地を休める時間のこと。気楽に作れるパンをイメージしてつけました。
「ふわふわドーナッツ」を手作りしよう♪
「ふわふわドーナッツ」を手作りしよう♪
ドーナッツ
松田(以下M): 今回は“ふわふわドーナッツ”を紹介します。ドーナッツのタイプは大きく分けて3つあり、イーストドーナッツ、ケーキドーナッツ、フレンチドーナッツの 3種類です。
イーストドーナッツは文字通りイーストを膨張剤として使用し、ケーキドーナッツはベーキングパウダーなど、化学膨張剤で膨らませたもの。フレンチドーナッツはイーストや化学膨張剤を使用せず卵を使ったシュー生地で作る。いわゆるフレンチクルーラーです。
今回、ご紹介するドーナッツはイーストドーナッツです。


福知(以下F): 少し前から流行っていますよね。私が小さいころは母がケーキドーナッツを作ってくれました。家庭ではケーキドーナッツは作りやすいですよね。ドーナッツ型で抜いた真ん中の部分が大好きでした!

古村(以下K) : 私もドーナッツ大好きです!大手の専門店に行くと、色々なドーナッツが所狭しと陳列されていて、本当にたくさん種類がありますね!見ているだけで、楽しくなります。食感も色々あって、イーストドーナッツのふわふわ感も好きだし、フレンチクルーラーの軽くてサクサクの感じも大好き!食べ応えのあるケーキドーナッツも好きだなー!選ぶ楽しみがありますね!!

M : 日本にもケーキドーナッツに近い揚げ菓子が沖縄県に存在するのをご存知ですか?「サータアンラギー またはサーターアンダギー」と呼ばれ、食べた感じもケーキドーナッツに似ています。中国の「開口笑」(カイコウシアオ)に近い物で、沖縄に伝来して変化した物と考えられます。沖縄の方言で「サーター」は砂糖または甘い生地、「アンラギー」は「アンダ+アギー」(油+揚げ)で、油揚げのこと。直訳すると「砂糖生地の油揚げ」ですが、これが実に旨い!沖縄では結納など祝いの席で出され、縁起がよい物とされています。

F : サータアンラギーは食べたことがあります!とてもおいしくて、一時期ずっと食べていました。普通のケーキドーナッツと似ているのですが、少し違いますよね。駅やパン屋さんでもたまに売っていましたよ。

K : 私もサータアンラギーは好きですよ!!でも、油っぽくて手がベタベタになりますね。上手に揚げるポイントはありますか?

M : ドーナッツの揚げ油は、一般の家庭にあるサラダ油で十分です。ポイントは、揚げ油の温度が適正(170〜175℃)かどうかです。低いと油っぽく揚がり、高いと色付きが早く生揚げになるので火加減に注意し、温度管理して下さい。二つ目のポイントは、揚がったら油切りをしっかりすること!キッチンペーパーやザルなどを使うといいでしょう。ドーナッツ専門店ではショートニングタイプを使っています。常温で固形なので、油切りをして冷めたら、サラサラに仕上がります。直接ドーナッツの風味を左右する物なので、良質な油を使って下さい。こだわってみたい人はショートニングや専用のドーナッツ油で揚げてみるのもいいでしょう!

F : 今回はリングドーナッツ、ツイストドーナッツ、ドーナッツホールズの3種類の形を作っていますよね?形が変わると、食感も違う気がします…。どうしてですか?

M : ん〜!難しい質問です…。パン生地を加工する度にグルテンに「負荷」をかけていることを理解して下さい。それを前提にリングドーナッツの成形作業を検証すると【生地を軽く伸ばす(負荷1)、生地の型抜き(負荷2)】それほど負荷を掛けていません。一方ツイストドーナッツの作業は、その後に【分割・丸め (負荷3)、棒状に成形(負荷4)、最後にツイスト成形(負荷5)】結果、リングドーナッツはフワフワした食感になり、ツイストドーナッツは歯応えのある食感に感じるのです。つまり、パン生地のコシが強化されて行くと、食感にも影響すると言うことです。

K : 素朴な疑問だけど、どうしてドーナッツは真ん中を丸く抜いてリング状にするのですか?

M : ドーナッツのルーツは、ドイツやオーストリアの「ベルリーナ・クラップフェン」と言われています。それがアメリカに渡り、リング状になったようです。リングにすることで、はるかに火の通りがよくなり作業性もよくなります。丸い揚げ菓子からリングに変化したのは、合理的な観点からして自然な流れだったのでしょう。しかし、なぜリング状になったのかはハッキリしておらず、別の説では「料理上手な母親が作る丸い揚げ菓子を、子供が今度はリングにしてと頼んだことからできたもの」とも言われています。

K : 色々な説があるので、勉強になります。

F : 私も聞いてみたいことがあります!ドーナッツはミキシング前にクリーミング作業をしますが、どうしてですか!?通常のパンは、ミキシングの途中で油脂を加えますよね!だけどドーナッツは、クリーミング処理した油脂を初めから加えています。どうしてですか!?

M : 油脂と砂糖を混ぜ、細かい気泡を抱き込ませた“油脂の混合物”をミキシングの最初から加えることで、ややつながりの悪い生地を作り、細かい気泡はミキシング後も残り、通常のミキシングより沢山の空気が生地中に拡散します。すると生地の酸化を促進し、イーストが元気に活動して、柔らかくてボリュームのある歯切れのよいドーナッツになります。

KF : ドーナッツって、思ったより奥が深いですね〜。

F : 先生!そろそろドーナッツの発酵が完了します!

K : それじゃ、揚げ油の温度を確認しまーす!

M : ドーナッツは、揚げる10分前に室温に放置して表面を乾き気味にします。そうすることで油吸いが少ないドーナッツに仕上がります。

F : すでに先程からビニールを外して、表面を乾かしています。

MK : さすが、福知先生!!

M : “やけど”に気を付けて作業してくださいね!

KF : ハーイ!!

ベンチタイム



このコラムのレシピ

コラム担当

レシピ ドーナッツ

ゼンメル松田
人物 松田 哲治
クリームパン福知
人物 福知 ゆかり
菓子まし娘
人物 古村 亨子
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