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連載コラム 半歩プロの西洋料理
「半歩プロ」をテーマに家庭でできる西洋料理を紹介するこのコラム。まずは個性豊かな担当シェフの声をどうぞ。「フレンチって難しくないよね」「語るで〜!」「対談がしたい!」「研修先のレストランではなー」。えー、お話し中すみません、それは「家庭でできる」料理なんですよね?みなさーん、聞いてますかー?だからテーマがあるんだってばっ!守って下さいよ〜っ!
アル・デンテのひとりごと(2)
前回はアル・デンテの確かめ方のお話でした。永作先生でさえ「難しい!」という『にんにくと赤とうがらしのスパゲッティ』は挑戦されましたか? 今回は手打ちパスタを中心にもう少しじっくりとお話を伺います。


アル・デンテ(以下A): 前回のお話はパスタのアル・デンテについてでしたが、それは先生の研修先だった「ハリーズ・バー(※)」のアル・デンテがそんな状態だったんですか。
(※)イタリア北部のヴェネツィアにある名店。肉料理の「カルパッチョ」と食前酒の「ベッリーニ」はこの店で生まれた。

永作(以下N): 僕が働いてたとこは北イタリアやから、店ではほとんどが手打ちパスタやった。

A : 北は手打ちパスタなんですか!

手打ちパスタN : イタリアは北が主に手打ちパスタ、南が乾燥パスタっていうのが大まかな特色やなあ。もちろん全く食べへんということではないけど。

A : じゃあ、前回のお話は乾燥パスタのアル・デンテの状態ですか。

N : そうそう。

A : では手打ちパスタではどうですか。

N : 手打ちパスタでも食べてかたさを調べるのは同じやけど、乾燥パスタのシコっとした歯ごたえとはちょっと違うなぁ。原料の小麦粉が違うし、食感が違うのも当然といえば当然か。

A : 同じではないんですか。

N : 乾燥パスタはデュラムセモリナという硬質小麦が原料で、手打ちパスタは普通の小麦粉、つまり軟質小麦で作るのが普通やなぁ。それと手打ちパスタは作ったらすぐゆでて使う人と、少し乾かしてから使う人と、二つのタイプに別れてくるし。

A : 作りたてと乾かしたものでは違いはありますか。

タリアテッレN : 歯ごたえが少し違うね。作りたては少しもちっとした歯ごたえ。

A : 乾燥させるとどうでしょうか。

N : どっちかというとしゃきっとした感じかな。

A : 違うものなんですね。

N : 歯ごたえ以外にも、細長くカットした手打ちパスタの場合は火通りが早いから、アル・デンテにうまくゆで上げようと思ったら乾かした方がゆでやすいっていうのがあるんやろうなあ。それと、いったん乾かした方がのびが少ないっていうか、急激にはのびてきにくい。

A : アル・デンテになってからのびるまでがゆっくりってことですね。

N : そうそう。まあでも微妙なとこやねんけど・・・作り立てしか使わない人もいるし、冷凍するところもあるしね。それもほんまに人それぞれなんだけども。

A : あと、パスタとソースを合わせる時は、アル・デンテの状態よりもかためで和えていきますか。それともアル・デンテの状態になってからでしょうか。

N : それもソースによって違うなぁ。例えば液体の多いソースやったら、パスタを少し早めに引き上げて、ソースと和えてその液体を吸わせながらアル・デンテに仕上げていくけど、ミート・ソースみたいにしっかりした味でかためのソースやったらアル・デンテにゆで上がったパスタをさっと和えて仕上げることが多いね。まあ、最初からそこまで細かく考えん方がいいと思うけど。

A : アル・デンテをマスターしたら挑戦してみます(笑)。

N : それよりも、夏には冷たいパスタがあるから、その場合はちょっと気をつけて欲しいなあ。

A : 最近、冷製パスタってよくありますよね。

N : 冷たいパスタの場合はアル・デンテより少しやわらかめにゆでとかんと、水に落とした時に、そうめんと一緒できゅうっと締まってかたくなってしまうで。アル・デンテのパスタを水で冷やしたらゴチンゴチンや。

A : ゴチンゴチンですか(笑)!

N : だから冷たいパスタにする時はちょっとゆですぎかなと思うくらいゆでてから冷やした方が、ちょうどシコッとした状態のパスタになるな。

A : パスタもソースや調理法によってゆで方が違って奥が深いですね。ところでイタリアって地方や店によって全然アル・デンテの状態が違うって聞いたんですが。

N : そうやなあ、やっぱり南の方に行くほどかたいのが多い。ナポリなんかは乾燥パスタの本場やからかしらんけど、かったいゆで加減を好んで食べる人がほんま多いよ。

A : じゃあ、そのナポリでパスタを食べられた時においしいと思いましたか。

N : おいしいけど、やっぱりパスタはちょっとかたいなぁ。

A : じゃあ、かたいなりにおいしいと!

N : いや、うーん、ちょっと抵抗ある。もう少し火を通して欲しかった。

A : やっぱり・・・

N : 逆に北に行くほど乾燥パスタはあまり食べんと手打ちパスタを食べるからか、やわらかめにゆでてるとこが多いから、同じイタリア人でも全然好みが違うね。

A : ところで、先生が家でよく作るパスタは何ですか。

N : 家でパスタ作らへん。

A : 作らないんですか!?

アッラ・ペスカトーラN : うん、まぁ・・・でも家で作るとしたらやっぱり「ヴォンゴレ(アサリ)」やなあ。後は「ペスカトーラ(※)」とかね。
(※)「漁師」という意味で、料理名にアッラ・ペスカトーラ(漁師風の)とついていると魚介入り。

A : 実は初めてナポリに行った時に「アサリのスパゲッティ」を食べたんです。それは普通よりちょっとかためのアル・デンテって感じだったんですけど、すごくおいしくて!アサリの味が濃くて、トマトを少し乾燥させていたのかぎゅうっと濃縮したような甘みや酸みがたくさん詰まってて・・・

N : それはおいしそうやなあ。

A : それからは家でもプティトマトを使ってアサリのスパゲッティをよく作るんですが、どうしても水分が出やすいのでパスタとソースを和える時のタイミングが合わないんです。

N : そういう時は水分をしっかりと煮詰めんとあかんで。

A : はーい。さて、今日、ご紹介するのはもちろんこの「アサリのスパゲッティ」です。トマトにひと工夫して、私がナポリで出会った味を再現します。ぜひチャレンジしてみて下さい。


このコラムのレシピ

コラム担当

レシピ アサリのスパゲッティ

マエストロ
人物 永作 達宗
アル・デンテこと
人物 由本 牧
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