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連載コラム 半歩プロの西洋料理
「半歩プロ」をテーマに家庭でできる西洋料理を紹介するこのコラム。まずは個性豊かな担当シェフの声をどうぞ。「フレンチって難しくないよね」「語るで〜!」「対談がしたい!」「研修先のレストランではなー」。えー、お話し中すみません、それは「家庭でできる」料理なんですよね?みなさーん、聞いてますかー?だからテーマがあるんだってばっ!守って下さいよ〜っ!
シャルキュトリ(豚肉加工品)
シャルキュティエ:売り場フランスでは一般的に夕食は簡単質素に済ませます。
パンとサラダとシャルキュトリ、パンとポタージュとシャルキュトリ。シャルキュトリとは、ハムやソーセージ、パテ、テリーヌなど、肉を使った完成品を指します。ハムやソーセージと言えばドイツやイタリアも美味しいのですが、今回はフランスにスポットを当ててご紹介します。

近年では日本のようにお肉屋さんには牛肉も豚肉も鶏肉も、ハムもソーセージも何でも扱うところもあるようです。フランスでは元々、牛肉を専門に扱う「ブシュリ」、家禽・野禽を専門に扱う「ヴォライエ」、豚肉やその加工品を専門に扱う「シャルキュティエ」と分かれています。もう一つ製菓店などに併設されることの多い「トレトゥール」という惣菜屋があります。

シャルキュティエで扱われている加工品、ハムやソーセージ、パテ、テリーヌ、リエットなどを<シャルキュトリ>と呼びます。スーパーマーケットが無かった昔は、どの村にも1軒くらいはシャルキュティエがあり、そこでハムを1枚から買うことができました。ハムと言うと我々はすぐに直径10cmくらいの筒状のものをイメージします。あれはプレスハムの類で、形を整えるためにビニールの筒状の袋につめてプレスして火を通したものです。

本来はハム(仏語でJambonジャンボン)は豚のももの意味です。骨付きのまま塩漬けしたももを肉が割れないくらいの温度でじっくりと火を通して冷ましたものです。茹でるときの液体に藁などを加えてその香りを付けながら茹で、熱い茹でたてを食べるものもあります。ですから1枚と言っても好きな厚さ・大きさに切ってくれるわけです。家庭の夕食は、ポタージュかサラダとこのハム。プラス、チーズかデザート(市販のヨーグルトやチョコレートムースかプリンなど)がつけば豪華な方です。
様々な種類のシャルキュトリ その1 様々な種類のシャルキュトリ その2 様々な種類のシャルキュトリ	その3
ソーセージにも色々種類があります。まず、乾燥したソシソン・セックSaucisson sec(日本ではサラミと呼ばれることが多い)と、ソシソンSaucisson(太さは太いものだと直径15cmもあり、長さも長いものでは30cm以上ある)と、ソシスSaucisse(日本ではウィンナーとかフランクフルトと呼ばれるようなもの)に大きく分けることができます。これには地方の名のついたものも多く、リヨン風、トゥールーズ風、ストラスブール風など、内容物の基本は豚肉ですが、その豚肉の挽き方(細かさ)の違い、味付けスパイスの配合の違い、また木の実や塩漬けタンが入っているなどと違いはさまざまです。ソシスの調理法としては、茹でる(蒸す)と、焼く(炒める)の2つがあり、焼いたものにはポム・フリット(フレンチポテト)が添えられます。

マグレブ(モロッコ、アルジェリア、チュニジア)に《メルゲーズ》というソーセージがあります。これはフランス国内ではかなりの知名度があります。豚肉ではなく、羊肉とパプリカと唐辛子がたっぷり入ったものです。これを鉄板で焼きます。焼くと赤い色の脂が流れ出てきます。フランスパンを縦半分に切り、この脂をたっぷりと染み込ませ、熱々のメルゲーズとポム・フリットをはさんでサンドイッチのようにしたものが、サッカー場や、フェスティヴァルなどの屋台で売られます。冬の寒いときに、白い息を吐きながらかじるから〜いメルゲーズは体を芯から温めてくれます。
日本では馴染みが薄いですが、《ブーダン・ノワール》という豚の血で作ったソーセージがあります。これも地方によって混合されるものが違います。屠畜したての豚の血を固まらないように冷えるまで手でかき回します。そこに豚の背脂やほうれん草、でんぷん、スパイスを混ぜて豚の小腸に詰めて茹でます。このソーセージは数メートルの長い状態で、途中でねじって小分けはしません。茹で上がってから好きな長さに切り、今度はフライパンで焼きます(冷たい状態で食べることはしません)。付け合せには、りんごが最適とされています。

田舎風のパテ(パテ・ド・カンパーニュ)もどこに行っても見かけます。豚肉とレバーで作るものです。豚肉の赤身、脂身、レバーを挽肉にする。スパイス、酒、でんぷん、ハーブを混ぜてよく練る。焼き型に豚の網脂を敷く。前出の生地を詰め、オーブンで焼く。作る人によって、味はもちろん、肉の荒さやレバーの分量による舌触りはまちまちです。一切れ単位で買うことができます。フランスパンにはさんでサンドイッチにして、ピクニックなどにもって行きます。
日本ではデリカと言ったほうがよく理解できるのでしょうか。フランスでは家庭では作れないシャルキュトリを売っているお惣菜屋さんは、日常生活に欠かすことができない存在です。




このコラムのレシピ

コラム担当

レシピ 豚肉のリエット

辻調グループ校 西洋料理教授
人物 肥田 順
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