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連載コラム 半歩プロの西洋料理
「半歩プロ」をテーマに家庭でできる西洋料理を紹介するこのコラム。まずは個性豊かな担当シェフの声をどうぞ。「フレンチって難しくないよね」「語るで〜!」「対談がしたい!」「研修先のレストランではなー」。えー、お話し中すみません、それは「家庭でできる」料理なんですよね?みなさーん、聞いてますかー?だからテーマがあるんだってばっ!守って下さいよ〜っ!
ホテルキッチンよもやま話
コラムイメージ
船乗り:渡辺総料理長の調理師を目指すきっかけは、何だったのでしょう。

総料理長:やはり時代背景です。戦後すぐの貧しい時期を経験したので、食べ物に強い執着があった様な気がします。
また進路を決める頃には、テレビとか映画とかで見る料理人のかぶる白く高い コック帽がすばらしく輝いて見えて、私も洋食のコックになりたいと思いました。

船乗り:前後しましたが、ここで渡辺総料理長の紹介をさせてください。
辻調理師学校の1期生として卒業後、ホテル業界に身を投じ、一流ホテルの総料理長を努め、昨春より母校の辻調理師専門学校に戻り、教壇に立って後進の指導と学生の就職・日常相談など、忙しい毎日を送られています。

大阪新阪急ホテル
大阪新阪急ホテル
ホテルの仕事について真剣に質問する学生達
ホテルの仕事について
真剣に質問する学生達
総料理長:学校では、学生がホテルやレストランの料理人の仕事について、色々聞きに来ます。まずは「調理場の掃除道具の場所や掃除の仕方を覚えなさい」と話します。
次は、「調理道具や調味料などの場所を覚える」。これらは、何度も言われない事なので、上手にメモを取り一度で覚えることが肝心です。

船乗り:そういえば、多くの学生が訪ねてきている姿をよく見かけますね。ほかには何かありますか。

総料理長:あ、いっぱい言ってますよ。ホテル時代の経験を項目にまとめ、『渡辺の料理人20ヶ条』を学生には言って聞かせてます。
次に大切なことは、「挨拶と人の名前を覚える」。これができないと調理場ではやっていけない。言い換えると、これができたら本人の強みになる、と確信しております。

船乗り:ホテルの仕事はどうでしたか。

息もぴったりの総料理長と船乗り
息もぴったりの総料理長と船乗り
総料理長:日々変化してました。進歩していて毎日が真剣勝負です。

船乗り:物・人・仕事、どの順番でも良いので聞かせてください。

総料理長:まずは物から。西洋料理に使う材料ですね。キノコは何も無かったですね。缶詰のマッシュルームか椎茸の2種類です。トリュフは缶詰かビン詰で、 めったに使いません、論外です。
ある時期、擬似トリュフを代用で使った事もありました。

船乗り:現在は常時、スーパーや八百屋さんでもキノコは数種類置いてますね。

総料理長:肉は牛か鶏で、子牛や子羊、鴨や鹿は、お客様があまり望まない面もあり、要望が無い限り使いません。

船乗り:そういえば、私が教材の仕入れを手伝っていた26年前は、現在身近に見るにんじんは西洋にんじんと呼んでましたし、ピーマンも緑色の肉の薄いのが主流でした。香辛料もほとんど乾燥でした。
今では、学校の玄関横にもローズマリー、タイム、セージが植えられていて、身近に西洋料理で使うハーブや香辛料と食材があふれてます。 次は仕事の面の話をお願いします。

玄関横のローズマリー) セージ
玄関横のローズマリー(写真左)とセージ(写真右)
総料理長:ホテルの仕事は多岐にわたっているので、多すぎて一言では言えませんが…。近年では、料理の準備、仕込みを数日前から行うという事はなくなりました。

船乗り:<コトコト何昼夜>とか<手間隙かけて>のフレーズ、最近は聞きませんね。

総料理長:前日または事前にしっかり仕込みをして吟味された料理が、当日お客様の食卓に並ぶ、これは美味しかったですよ。
仕事もそうして覚えていったものです。

船乗り:人の面はいかがですか。

総料理長:個性の集まりでしたが、個々を取り上げるのは又の機会にします。
人数は現在の倍以上の人間を抱えていました。
システムが今と違って、だいたい2人組で仕事にあたる。仕事の単位が2人を基本に考えられていました。
なんでも先輩と後輩の組み合わせでやってました。

船乗り:技術の伝承や教育をする。平たく言うと、仕事をやりながら若手を仕込んでいったのですね。

総料理長:出し汁を漉す。ソース・ベシャメル(ホワイトソース)を作る。テリーヌを作る。どんな仕事にも経験とスピードや確実さが要求されますからね。
人の組み合わせで仕事にあたっています。機械は技術の伝承や教育などしてくれませんし、人間を育てない。
指導的立場の人達が、この事を頭のどこかに入れておかないといけません。

最新の機器をそろえた電化厨房の神戸三田新阪急ホテル
最新の機器をそろえた電化厨房の神戸三田新阪急ホテル
船乗り:昔が良かったということですか。

総料理長:いや、いや、機械化もそう捨てたものでもありませんよ。
料理人の負担軽減と女性料理人の進出には欠かせないです。
今も変わらぬ一番大切な事は、旨い料理を作って、お客様に笑顔をいただいて、「美味しかった、また次もたのむでぇ」。それがホテルマンの働く活力になるんです。

船乗り:貴重なお話をありがとうございます。
話は変わりますが、簡単なオードブルを作ってみたのですが、ホテルの料理に変化させるとどうなりますか。
”若鶏胸肉のサラダ”と”エビと帆立貝のギリシャ風”なのですが。

総料理長:”若鶏のサラダ”は、盛りつけは色々と気に入るようにすれば良いと思います。
材料は、主材料の鶏をウサギの背肉とかにすれば、食感や見た目が近いので簡単に変えれそうですね、そうすると、高級感も出ますね。
“エビと帆立貝のギリシャ風”は、このままで充分ホテルでも通用しますよ。あとは、冷製であれば上からキャビアとかのトッピングをすると、上質のオードブルになります。

船乗り:もっともっとたくさん、面白いお話を聞けそうですが、今回は、これにて筆を止めます。ありがとうございました。



このコラムのレシピ

コラム担当

レシピ 若鶏胸肉のサラダ
レシピ エビと帆立貝のギリシャ風

地中海料理大好き、船乗り気分男
人物 笠掛 昌二
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